【青薔薇の勇者】
お久しぶりです(約1年ぶりの投稿)
OLOを始めて現実で半年、ゲーム内で2年が過ぎようとしている頃。OLOにすっかりはまった私は町からの自立を目指しています。今日は現実でではなくゲーム内で養鶏の事について調べるためギルド支部の資料室を漁ってみようとギルド支部に訪れました。
「こんばんは、資料室は開いてますか?」
「はい、こんばんは。モモ様。資料室はギルドの営業時間と同じです。ただ空いているとなると現在『リッカ』様がご利用されております」
……ギルドって確か24時間営業ではなかったでしたっけ?ブラックなんでしょうか?
それはともかくリッカさんですか……同じ異邦人の方なのですが、その、何と言いますか、大変治りにくい病気を患っておられます…。
ギルドの2階に上がり資料室とネームプレートがある扉をノックして入ります。
「こんばんは、リッカさん」
「……っ!?コココ、コンバンハ!ッ!ッ!?」
……?
資料室に入り、リッカさんに声を掛けたら慌てた様子で資料を閉じ後ろに隠そうとして資料を見ていたのが設置型の魔具だったため動かせずあたふたとしています。
「……えーっとリッカさん?それを取ると警報が鳴るのでは……?」
「っ!……フッ、当然知っている。これは……そう!机との隙間にゴミが入っていたからそれを取ろうとしていただけ!決して疚しいことなど一切、少しも、これっぽっちも、ナノミクロン単位も存在していない!……なので少しだけ後ろ向いていて……」
「はい、わかりました」
後ろを振り向くと魔具を操作している小さな音が響いてきました。……リッカさんの名誉のために追記しておきますが普段は物静かな方で同じ猫好きなので話が合うのです。それに手先が器用で服飾主体の生産職の方でもあります。まぁOLOに明確な職業は存在してないので主な活動や自称で決まります。リッカさんは普段は装備を作って売り生計を立てていますが自称の職業は『青薔薇の勇者』です。
「……もうこちらを向いても構わない。して、偉大なる獣の奏者よ如何様な用件で我を訪ねに来た」
「あ、いえ。リッカさんに用があった訳ではなくてボウボウ鳥の繁殖についての資料を探しに来ただけです」
「そうか……。……久しぶりに会えたのに……。探し物は奥から3番目の列に様々な生物の生態が綴られている」
「ありがとうございます。魔具の資料より詳しいのですか?」
「魔具は一般的なことのみ綴られている。深淵を覗くには深淵に降りて綴られた物が正しい」
えーっと……、現地で書かれた方の本がより詳しく書かれていますってことですかね……。
「えっと、重ね重ねありがとうございます、リッカさん。では、またいつかお会いしましょう」
「待った」
リッカさんに頭を下げ資料が並んでいる本棚に向かって歩き出そうとした時、リッカさんに呼び止められました。
「我は今、【積怨の炎】の贄となる物を探している。地獄の瘴気、天の祝福は問わない。心当たりがあるなら啓示を貰いたい」
あぁ、新しい装備を作っていらっしゃるのですね。【積怨の炎】ですか…。深い赤色でいいのでしょうか?
「【積怨の炎】かは分かりませんがオーティスリーフは持っていますよ?量はそれなりにありますけど、どうなさいますか?」
「オーティスリーフ……何層目の何処辺りだろうか」
「そうですね……ここでは資料が汚れてしまうかもしれませんので一旦ロビーに出ましょうか」
「了解した、しかし我は神聖なる獣に謁見したい。我が神殿へ招待しよう」
資料を見たかったですが、ミーニャとふれ合いたいというリッカさんを無碍にはできませんね。資料の場所も教えて貰いましたし。
「はい、ではお邪魔しますね」
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「よくぞ舞い降りられた偉大なる獣の奏者、並びに、神聖なる獣ミーニャ、歓迎しよう」
場所はギルドの資料室から変わってリッカさんの仕事場兼自宅のリビングに来ました。と、言ってもリッカさんの家はギルドの近くにあるのでそこまで移動したという訳ではありません。
しかし、やはりこの場所はいいです。生産職の方らしく物の一つ一つに気配りが感じられます。
「奏者よ、その、あの、……先にミーニャと遊んでもいい?」
「えぇ、構いませんよ。オーティスリーフは何処に出せばいいですか?」
「ま、待って、今机片付ける」
ミーニャに飛び込もうとした途中で出す場所を尋ねてしまったのでリッカさんが変な体勢でインベントリを操作して素早く机を片付けました。そしてすぐにミーニャにダイブ。分かります。この辺には犬っぽい生き物や鳥は居ますけど猫は居ません。リッカさんと会うのは…ゲーム内で6日ぶりでしょうか。その間猫と触れ合えないと思うと……でもごめんなさい、ミーニャは私のパートナーなんです。一回天国にはまった人にしかわからないでしょうけど。
其れは兎も角、オーティスリーフを出していきますか。浅い層のオーティスリーフはリッカさんも把握しているでしょうし……、104、いや131層の物でいいですかね。試せるように籠ごと出して小さな籠に少し入れます。あとはそうですね、私でも色の違いが分かる191層、241層、251層のオーティスリーフを同じように出しておきます。
他に赤い色のものは……あぁ、緋氷不草とカーミラ草、紅玉炎の実、フェオロハの樹液なんかもありましたね。ポイポイと思いつく限りインベントリに入ってた赤色の物を取り出します。
さてミーニャの様子は……あぁ、ダメですね完全に天国に行ってます。
「リッカさん、リッカさんー!」
「うぁい?」
「リッカさん、オーティスリーフやその他もろもろ出し終えましたよ」
「………おーてぃす、リー……フッ!?」
「おはようございます、リッカさん」
「もももももももモモさん!ごめんなさい!ごめんなさい!」
「いえ、たぶんこれが原因だと思いますので……」
「それは……?」
「マタタビです」
「……失礼、もう一度。それはいったい……」
「マタタビです。ただ地球産のものとはずいぶん違いますが……」
いえ、本当にどうなっているのだろうと思いますけどインベントリに入れてもマタタビとしか表記されないのです。しかしこのマタタビは穂の状態では全く効果は無いのですが乾燥させて粉末状にした途端、猛威を振るいます。具体的には加工した粉末を吸い込んだミーニャがじゃれまくり粉末をまき散らし、私の防塵マスクを吹き飛ばし慌てて息を止めたのですが手遅れで3日ほどミーニャとじゃれ合うという天国のような地獄でした…。
「しっかりと洗い落としたはずなんですがまだ効能が残っていたんですね……」
「……あのこれデバフとか……」
「魅了無効という耐性スキルが得れたので多分魅了というデバフがつくのかもしれません」
「魅了……聞いたことが……すみません、そのマタタビの加工後の物をあるだけ、加工前を5束ほど貰えない?」
「はい、10万でどうですか?」
「5万にはならない、ですか……?」
「3万で加工前6束のみ。ちなみにまだこのマタタビはギルドにも卸していません」
「う……了解。染料代と一緒に払う」
「はい、ではこちらが私の手持ちにある赤色系統のアイテムですね。これ以外だと……すみません、家に置いてきています」
「十分」
そう言うとリッカさんの目つきが変わりアイテムを1つ1つ丁寧に見ていきます。
「………モモさん。すみません、3時間後にもう一度きてもらえる?時間かかると思う」
「ではギルドの資料室にいますね、行きますよミーニャ」
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「ふむふむ……養鶏と違うところがいくつかありますね……帰巣本能があるのですか。雛の時から育ててみるのもいいですね。そういえば、リッカさん遅いですね。3時間後と言われましたが既に日が完全に落ちていますし……さて、どうしたものでしょうか」
私がボウボウ鳥の生態についての調べ物が一段落して一息ついたとき窓から見える空はすっかりと暗くなっていました。
「そろそろミーニャのご飯もあげなければいけませんし、一度ガフィーさんの宿に行きますか」
資料室をでてギルドの受付の方にリッカさんが来た時に伝言を頼み、ミーニャを連れてガフィーさんの宿に向けて歩き出しました。
お久しぶりです。絶賛スランプ中のWelfです。
これの続き書けるかなぁ……。
とりあえず今はリハビリで書いていた小説があるのでそちらの方を先に出してからノロノロとOLOのほうを更新していく予定です。(下手したら続きが出ない可能性もあります。)




