検証せずして冒険始まらず
ギルド加入の手続きはこれだけで終わりらしくあとは資料室を見ることを勧められてリリアさんと別れた。
「さて、資料室もいいけどまずは武器屋だなぁ」
木刀だけじゃ不安で仕方ない……?
何でこの木刀毒効いていないんだろう。赤の森?だっけ、そこの木は煙上げて溶けてたのに。初期装備だからかな。あぁ、そういえば町についてやろうと思ってたの忘れてた。
「目標、宿屋、しゅっぱーつ」
-----
ギルドのガイドブックによると安くて狭い宿、高くて広い宿、高くて少し狭い代わりにベッドとかがいい宿、野宿、最後のは宿じゃないじゃないか。
無難にここは高くて広い宿にしますか、高いって言っても12万くらいだし今の所持金だけでも10年は泊まれるし。これが所持金引継ぎとかなかったらこんな余裕とかなかったんだろうなぁ……。
宿のロビーに入り受付のおじさんに声をかける。
「すみません、7日泊まりたいのですが部屋空いていますか?」
「おや、お嬢ちゃん見ない顔だね。どなたが泊まるんだい?」
あ、こりゃ、この世界のお偉いさんの侍女とかとでも思っているのかな。
「私です。私、異邦人なので」
そう言うと宿の受付のおじさんはしまったという顔をして商売スマイルを浮かべ態度を改めて応対してきた。
「そ、それは失礼しました。お連れ様などはいらっしゃいますでしょうか?」
「いえ、私一人で7日で」
「畏まりました、失礼ですが身分証などをお持ちでしょうか?」
身分証か、そういえばギルドカードがあったな。おじさんにギルドカードを見せるとおじさんは申し訳なさそうな顔を浮かべた。
「冒険者の方ですと料金は前払いとなりますが……」
「わかりました、どうぞ」
ストレージを開きだいたい7日分の料金の100万Lyを取り出す。すると何もないところから手のひらの上に金貨が現れたのでそれをおじさんに渡した。おじさんは一瞬表情が固まったがすぐに持ち直し丁寧に受け答えしてくれた。
「畏まりました。お部屋は二階のほうになります。食事は一階のほうでお願いします。また料金には夕食のみ入っておりますのでご注意ください。お出かけの際にはお部屋のカギは受付のほうまでに預けてください。それではごゆっくりと」
おじさんはそのまま部屋の鍵を渡してくれたので階段を上り自分の部屋を探す。
「……チップ制か、早いとこ金策しないと安心できなさそうだなぁ。……206、206と、ここか。角部屋だ、やりぃ」
鍵を開け中に入る。
ガイドブックに書いてあった通り部屋は広く、剣を振り回しても大丈夫そうだった。
「さて、スキルの多さにビビってたけど一番重要なのはPC版との違いだよね……」
メニューを開きスキル欄を開く。
-----
一般
▽【格闘】:1Lv
【短剣】:1Lv
【大剣】:1Lv
【弓】:1Lv
【火魔術】:1Lv
【回復魔術】:1Lv
【投擲】:1Lv
【回避】:1Lv
【命中】:1Lv
【反撃】:1Lv
【採取】:1Lv
【解体】:1Lv
【罠】:1Lv
【毒合成】:1Lv
【薬合成】:1Lv
【曲芸】:1Lv
複合
▽【剣術】:1Lv
【二刀流】:1Lv
【合成剣】:1Lv
【毒手】:2Lv
【暗殺術】:1Lv
【状態異常耐性】:2Lv
EX
▽【頑強】:1Lv
【強靭】:1Lv
【範囲増幅】:1Lv
【悪足搔き】:1Lv
【即死】:1Lv
【毒無効】:2Lv
-----
「チュートリアルのときより分かりやすくなってる……」
各スキルをタップするとスキル詳細とスキルツリーが見れた。ゴブリン退治のときの前に少し見てたけどやはり膨大な量のパッシブスキルがある。中にはPC版でもあったパッシブスキルを見つけることができたが前提スキルが増えているため取るのは簡単ではなさそうだった。
「まずはsteebenでやってた戦闘スタイルができるかだけど……」
【弓】をタップしスキルツリーを開く。
-----
【弓】Exp43/100
スキルレベル:1
スキルポイント:0P
1:『DEX+3』
『矢の貫通力+8%』『矢の貫通力+8%』・・・『LUKの数値DEXをに上乗せ』
『DEX+3』『DEX+3』『DEX+3』・・・『DEXの数値をSTRに上乗せ』
-----
「あった、ステータス互換……前提スキルを振っていくと……あー、やっぱりスキルレベル100必要か……」
PC版でのOLOの武器スキルの真骨頂はこのステータス互換スキルにあった。PC版でのスキルレベルの上限は100だった。
ステータス互換を振るためにはスキルレベル100かつ攻撃スキル0、前提パッシブスキルが最低限に振らなければならないがそれを補うほどこのスキルは強い。
OLOではステータスはレベルが上昇するとステータスポイントが4もらえる。OLOのステータスは7つ、【筋力】、【体力】、【知力】、【器用】、【抵抗】、【敏捷】、【幸運】、この7つにそれぞれ自分好みでステータス振りをするのだがステータス特化型の場合ほかのステータスはもちろん低くなる。しかしステータス互換は単純に説明するとステータスポイントが倍になった効果が得られる。【弓】ならば弓自体の攻撃力はDEX依存だったがそのDEXがそのままSTRに加算される。つまりDEX極振りの人がこのスキルを習得するとSTRにDEXの数値が全部乗り、器用なムキムキマッチョマンになるのだ。私はウーマンだが。
「【弓】にあったってことは【短剣】にもあるよね」
【短剣】のステータス互換スキルはSTRをDEXに上乗せする効果だ。私のsteebenはDEX極振りで【弓】と【短剣】のステータス互換スキルを習得しSTRを底上げ、大剣の攻撃スキルで薙ぎ払うという戦法をとっていた。ちなみにこの互換スキル、重複する。DEX極振り【弓】でSTRを上げてそのDEX上乗せSTR分を【短剣】でDEXに上乗せする、そうなったらSTR、DEX分が乗ったDEXがさらにSTRを底上げする。無限ループぽく見えるが対策されており上乗せは2回までのみだ。……まぁ、それでも十分にぶっ壊れたスキルであると思うが……。
「ん?互換スキルの後にもスキルが続いている……あれ、だってスキルレベルって100までじゃ……」
………そういえば、『スキルレベルの上限が破棄されたからスキルポイントは、ほぼ無制限に入手できる』とかエレクが……。え、なに、こんなぶっ壊れスキル取ってもまだスキル振りできるの?
こうしちゃいられない、宿の部屋を飛び出し武器屋へ―――「お客様!カギ!カギを預けてからお出かけください!!」
……慌ててもいいことはない、歩いていこう。
ぽんこつ「書き溜めしたかったとどこからか叫びが」
「・・・自業自、得・・・」




