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ぼくの詩集

死ぬ

作者: 桜井あんじ

みんないつか 死ぬ


みんなそのうち 死ぬ


あなたもぼくも

死ぬ


それは明日かもしれないし 一時間後かも



どうせいつか死ぬのなら

一緒じゃない? 

今だって


あなたは言う


長い宇宙の歴史からすれば

たかが ほんの

数年もしくは数十年

誤差の範囲内


同じじゃない?

今だって


あなたは言う


わたしが死んで

なにか都合のわるいことなんて

よくよく考えてみたところで

なにもない

 

あなたは言う 


だけど


そういう時の

あなたの瞳は きらきらと輝いている

あなたの生が いきいきと みずみずしく 脈打っている


生は死によってしか磨かれない

対になった ふたつは



死をみつめるあなた

生を見つめるあなた


死んだらどうなるんだろうねえ

銀河鉄道に揺られながら

あなたは言う


どうにもならないよと

ぼくは言う


全ては無に帰り

消えゆく


あなたの存在

あなたの愛

あなたのもちもの

あなたの人々

あなたが成しとげたこと

およそあなたに 関わるものすべて


すべては無に

はじめから 存在しなかったとおなじように


こわいね

あなたは言う


さみしいね

あなたは言う


そして襟を正し

まっすぐに 車窓から

世界を眺める


一度きりのその光景を

ぼくも

目に焼き付けて おきましょう

こわいのだけれど

さみしいのだけれど

とても

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