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第二話 生き続ける歴史

はい、おなじみのメンツが出ますよ

―第二話―


生きつづける歴史。



「キャプテン! キャプテン!」

どこかで聞いたことのある声。

「ドライ・オデッセウス、補給、整備ともに完了しました。いつでも発進できます。」

白髪の目立つようになった整備士にキャプテンと呼ばれた人物。


「ありがとう。まさか私が艦長とはね。」 

「これまで以上に大変になるでしょうね。あなたがツヴァイ・レイボルトに初めて乗り込んだ日から、私にはこうなるだろうとわかっていましたよ。」

「どんな軍艦やGAも完璧に直してしまう、ドクトル・パーフェクトに言われると嬉しいわ。」

「いえいえ。そういえば、カタオカ大将がお呼びでしたよ。」

「ありがとう。引き続き準備を進めてちょうだい。」



 ジョー・カタオカのオフィス


一人の男が腕組みをしながらつぶやく。

「艦長の職務ですら大変だったのに、今度は軍のほぼすべての面倒を見るのか…。」


愚痴をこぼす彼を慰める女性が、

「大将、そうおっしゃらずに。時代はあなたを求めているのです。」

「慰めているのかプレッシャーをかけているのか、どちらなんだ、マリア?」

「いえ、そういうつもりでは。」

「ふふっ、冗談だよ。それにしてもまだ来ないのか。」

「申し訳ございません。あとで私のほうからもきつく叱っておきます。」


ドアがノックされる音

先ほど整備士と会話していた彼女が入ってくる。

「やっときたか。入れ。」

「失礼します。カタオカ大将。」

「さっそく本題に入る。二年前から、ネオ・アソシエイトを名乗る武装集団が、地球連合の複数の地域でテロ活動を起こしているのは知っているだろう。その集団の中心にいるのは、君たちもよく知っている、テス・ラーゲットと思われる。彼女は五年前の戦争終結時には行方をくらましていたが、また再び我々の前に姿を現した。そこで君たちには、」

「ネオ・アソシエイトの殲滅ですね?」

察しのいい二人である。

「まぁ、そういうことになる。地球連合軍第二師団司令官兼ドライ・オデッセウス艦長に、リオ・S・グランデ。同副司令官兼副艦長に、マリア・F・レーヴィ。君たちを任命する。またもや世界の運命は君たちに託されたわけだ。よろしく頼む。」


リオ・グランデ。アソシエイト戦争を終結に導いた若きエース。貧乳。

「お任せください、ジョーおじさん。」

「こら、カタオカ大将だろ。」

リオに訂正を入れる、マリア・レーヴィ。彼女もまた前の戦争を終結に導く。巨乳。

「マリアったらほんと真面目なんだから。」

「リオの緊張感が足りないんだ!」

始まりそうになる口論を察したカタオカ大将が、さっさと話を終わらせる。

「続きは艦でやれ。話は以上だ。」

「それでは失礼します。」



軍艦ドライ・オデッセウス内


新造の軍艦に向かうリオ・マリア両名

「マリア、もう新しいクルーたちにはあいさつした?」

「いや、今日初めて会う。何か気になる人材が?」

新乗組員の書類を手渡すリオ。

「この娘、ソフィア・オーガスト。軍学校を飛び級でたった二年で卒業。GAの操縦センスはなかなかのものよ。」

「何か問題でも?」

「二年前のエデンガルドの悲劇を直接経験している。軍に入ったのもおそらく復讐のためね。」

「自分をかえりみない戦い方をしそうだな。」

「そう。まるで誰かさんみたいにね。」

「わ、私はそんなことしないぞ!?」

「『リオ! 貴様は我が終生のライバルぞぉ!!』キリッ」

「や、やめろぉ! ほら、新しいクルーに会いにいくぞ!!」




緊張した面持ちのクルーに向けて、リオが宣言する。

「ようこそ! ドライ・オデッセウスへ。私はこの艦の艦長、リオ・S・グランデ。この艦のクルーはみんな家族だと思って過ごしてちょうだい。」

「私は副艦長のマリア・F・レーヴィだ。君たちのような優秀なクルーを迎えることができて、大変うれしく思う。よろしく。」

二人の自己紹介に続き、新クルーが続々とあいさつをする。


「ソフィア・オーガストです。精一杯頑張ります。よろしくおねがいします。」

リオがソフィアに近づき、耳元でつぶやく。

「自分を大事にしてね?」

「え?」ソフィアは心の内を見透かされている気がした。


「さぁ、準備は整ったわね。」 一呼吸おいてリオが大きな声で、


「ドライ・オデッセウス、発進!!」


「ねぇねぇマリア、今の私すっごくカッコよかったよね? ね?」

「みんな、我らが艦長はこんな人だ。頑張ってついてきてくれ。」

船員全員に笑いが広がった。


「ちょっとマリアぁ!」


とにもかくにも、ソフィアはリオ・マリアと出会い、軍人としてスタートを切ったのだ。


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