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刃の旋律  作者: 蒼汰。
Rogue Of Kill
2/4

始まりの刃

「―とてつもなく嫌な予感がする」


目を覚まし、意識を徐々に覚醒させていくにつれて絶望の色が濃くなっていく


「この感覚は間違いなくまずいやつだよな…」


背筋が冷えていくのを感じる、清々しいほど眠った感がある。

怯えながら時計を確認してみる。


「8時45分…」

「うそだろぉおおおお!!!」


早々に学校に連絡をいれ、支度をして家を出た。





「朝からこんなに走るハメになるとはな…」


まるでシャワーを浴びたあとのような滝汗を書きながら学校につき

下駄箱を開ける。 


パサッ


「ん…何か落ちたかな…?」


落ちたものが手紙だと気付き、そっと拾い上げる。


「ラブレターかな?でもこの前はただの悪戯だったしなぁ…」


ついこの間もらった手紙を思い出し、放置プレイされた過去が蘇る

(屋上で1時間ずっと待ってた俺の気持ち!)


「でもまぁ読むだけなら…ね?」


誰もいないのを確認しつつ手紙を確認する。


「この前の手紙を出した者です。

 急用が入って待ち合わせ場所にいけませんでした、ごめんなさい。

 刃さんに折り入ってお願いしたいことがあります。

 今日の放課後…もう一度屋上にきていただけませんか…。」


―また悪戯か。今度は騙されないからな

そう呟き、手紙を丸めてゴミ箱にめちゃくちゃスラムダンクした。



――放課後



「…あー!もう!やっぱり気になるからいくだけいってみるか。」


誰もいないだろうな、とは思いながらも若干の期待を持ちながら…。

屋上のドアを開け、周りを見渡してみたが…やはり、いない。


(…だよなぁ、やっぱり悪戯だったか。)


そう思い引き返そうとドアに手を伸ばした瞬間、後ろから肩を掴まれた


「んなぁああ?!」


誰もいなかったはずなのに、後ろを振り返ると可愛らしい女の子が立っていた。


(うちの制服で…見慣れない顔だから年上か年下か…

見る限りだと幼さが残っている感じから下級生かな?)


「こんにちは。この間は呼び出しておいてごめんなさい。」

「こんにちは…いえいえ、大丈夫だよ。」


(艶のある長い黒髪、見てるだけでいい匂いがしてくるね)


「私、小坂 麻里奈 (こさか まりな) と申します。

 刃さんの一つ下になります。 呼び出したのはお願いしたいことがあって…。」


「ご丁寧にどうも、櫻井 刃 (さくらい やいば)と申します…って知ってるか。

 その、お願いしたいことってのは?


「はい、単刀直入に言いますと私と一緒に戦って欲しいのです。」


「戦い…?また抽象的なお願いだな、具体的に教えてくれよ。」


「ここで説明するより、”向こう側の世界で”説明したほうが話が早いと思いますのでこれを。」


そう言うと彼女は、変なサングラスと手紙…そして

Rogue Of Kill と書かれた箱を手渡した。


「それでは、”向こう側の世界で”会いましょう。

 手紙に待ち合わせ時間と場所を書き記しておきましたので…それでは。」


「お、おい待てって!まだ引き受けるなんて言ってないぞ!

   それにこの物騒なネーミングの箱はなんなんだよ…!」


華麗にスルーされた俺は、もやもやしながら家に戻った。


「にしてもこの箱は…PCソフトか。

 戦いってのは多分、この世界の中での話なんだろうな…」


面倒くさいな、と思いながらも手紙の内容に目を通していく。


「午後21:15 始まりの街「バララック」の西側…と。」


詳しい場所は綺麗な手書きの地図に記してくれている。


「どうもご丁寧に…。ソフトも受け取っちまったし、話だけでも聞きに行くかなぁ」


俺は決断すると、Rogue Of Kill と書かれたソフトをダウンロードし

軽く説明書に目を通していく…。


「このサングラスをかけてプレイするのか…より現実味を引き出すため…ねぇ。」


こんな姿でゲームしてるとこ、家族に見られたらたまらないなと思いつつ

ダウンロードが終わったのを確認し、アカウントの設定を済ませる…そしてゲーム起動する。


「キャラクターネームは…うん、yaibaでいいかな」


こうして俺は、始まりの扉を開いた。

自分自身を歪めていくことになるとも、知らずに。

流れとしては1話→プロローグ→…と繋がっていきます

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