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コノヨノタメニ。  作者: 高梨 裕也@あと五分だk……zzz
第一章ーー風紀を乱す風紀委員ーー
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第七話ーー異変ーー

「「あ、来た来た。意外と遅かったね。何やってたの?沙樹。」」


沙樹と呼ばれた女は、入学式で見た和服姿の女だった。髪は頭の後ろで一つに束ねており、凛としたその姿は、まさに大和撫子と呼ぶに相応しかった。


「ん?あぁ、ちょっと、な。この辺で異常なくらいの霊障が起こってたから。気になって見回りしてきたんだよ。

……それはそうと、すまんな。この前といい今回といい、手荒い歓迎をしてしまって。」


こいつもこの極悪風紀委員の一人なのだろうが、何故かあまり悪い印象は受けなかった。それどころか、とても礼儀正しく、いい人だと感じたくらいだ。


「私は倉本。倉本沙樹だ。よろしく。あ、ちなみにみんな学年一緒だから敬語じゃなくていいぞ。」


全く状況が掴めず、しばらく思考が停止していたので、手を差し伸べられてもうやむやな返答しかできなかった。


「で、こいつらが草薙兄弟。えーっと……泣きボクロが左にあるのが、草薙礼奈。女の子ね。で、礼奈の反対側にホクロがあるのが草薙一也。こっちは男。」


二人は名を呼ばれると、軽く頭を下げた。

未だにニコニコと笑みを浮かべている。




「あと若干一名足りないが……まぁ、とりあえずこれが一年のメンバーかな……じゃ、よろし「あの……すみません……」


倉本が説明を終わらせようとしたその時だった。


「なんで私達ここに呼び出されたんですか……?そもそも私達は入る気なんてないのに……」


織宮が思いきって切り出した。


そうだ。当たり前だ。邪魔者のレッテルを押されるために委員会に入るなんて、俺らに得がないだろう。


「ん?あぁ、お前らにも利点はある。間違いなくある。

なんてったって、この風紀委員会の本当の目的は、学園の治安維持もあるが……この世の腐れきった正義や大人達をたたき直すこと、だからな。」


その言葉を聞いた途端、カチッと、自分の何かが変わった。

織宮達の表情も、先程とはまるで違う。


だが。


「けっ。そんなこと言って、結局自分達を正当化したいだけだろ。俺は嫌だね。反対だ。」


大樹が吐き捨てるように言った。織宮も、


「うん……それじゃあテロリストと全く同じだと思います……」


と続く。しかし、俺はこの時、何故か後に続く言葉が出なかった。


「そうか。ならすまない。向こうまで送るよ。巻き込んで本当に申し訳なかった。」


倉本が少し残念そうに呟いた。


「お前はいいのか?帰らなくて。まぁ、また後で来るけど。」


「お、俺か?……俺はまだいいや。色々と聞いてみたいことがある。別にいいだろ?」


倉本は、少しキョトンとした顔をしていたが、織宮と大樹を連れて黒い闇に呑まれ、何処かへ消えてしまった。


今度は俺が呆然としてしまった。一体何なのだこいつらは。




「「驚いたでしょ?色々あり過ぎて。」」


しばらく茫然自失としていた俺に話しかけてきたのは、草薙兄弟だった。あいもかわらずニヤニヤとしている。


「ん……ん?お、おう。てか、お前らといい倉本といい、何なんだそれ。何?あんたらマジシャンの類?」


前々から気になっていたことだったので、どうしても聞いておきたく、質問を投げかけてみた。


「「うーん……実は僕達にも分からないんだよねー。まぁでも科学じゃ証明できないのは確かだね。」」


「いや、それは分かってるんだけどさぁ……」


曖昧な答えに少しがっかりする。すると、


「「あ、だけど、みんな同じ能力ってわけでもないよ?」」


と、思い出したように喋り出した。


「「えーっとね……能力にも色々違いがあって、例えば僕らは人を騙したり、物事を錯覚させたりできるんだ。

僕……じゃなかった。一也の方は広範囲で人を騙せる。だけど、ぜーんぶ幻なの。

対して礼奈の方は、錯覚じゃなくて現実の物や出来事をねじ曲げることができる。まぁ、効果は自分だけだけどね。

……みたいな感じかな。あ、沙樹の能力は自分で聞いて。僕らもよくわかんない。」」


「 ……よ、要するに、お前の能力は他の人は持っていないと。」


「「うん。そうなるね。」」


ほうほう。なんとなくだが理解ができてきたぞ。ん?でもその能力って……


「あれ?そういえば、その能力っていつ手に入れたの……」


問いかけようとしたその時、突然カラスが出現した。そして、そのカラスがバラバラになったかと思うと、羽の舞い散る中から倉本達が出てきた。


「おい。草薙兄弟。仕事だ。準備しろ。霊障者が出た。」


霊障者?なんだそれは。すると、そばにいた大樹が、


「大変なんだ……!織宮が……!!」


精一杯の声でそう言った。


「急げ。お前も来い。早くしないとあいつが死んでしまうぞ。」








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