第四話ーー風紀を乱す風紀委員ーー
話がほとんど進んでませんが、すみません。
……結局、あの爆発の後、特にこれといった問題も起こらず、式は終わった。校長の顔を拝むことができなかったのは、少し残念だったが。
教室に戻ると、早速、事件の話で盛り上がっていた。
すると、自分の席についていた織宮が、俺に気づいたのか、こちらへ駆け寄ってきた。
「ねぇねぇ、さっきの爆発、すごかったよね‼︎私、すっごくびっくりして、パニックになってたもん。」
よほどあたふたしていたのだろう、一時間以上経っているというのに、顔が真っ青だった。
織宮は話を続ける。
「でも、誰が何の目的であんなことしたんだろう。
この学園になにか恨みでもあるのかなぁ。」
確かにそうだ。こういうことをする輩は、大抵何かしらの動機を持っている。
だが、先生方からあれだけ酷く言われている奴らだ。あったこともない人たちに言うのも悪いが、きっと動機などないのだろう。
……そういえば、こいつにはまだ、今回の騒動の主犯が風紀委員会ってことを知らせてなかったな。
「……あのさぁ、その犯人のことなんだけど……」
俺が話し始めたその時だった。
今まで楽しくお喋りをしていた人たちが皆、窓の方を見つめ、硬直した。もちろん、織宮も。
「……おーい、どうした?織宮?」
声をかけるが、ピクリとも動かない。
だが、その表情は、少なくとも喜んだり、楽しんだりしている表情では無かった。
俺には全く理解ができなかった。一体何が起こっているというのか。
「「今、彼らには幻覚を見てもらってるんだー。」」
突然の声に驚き、振り返ると、そこには、瓜二つの双子らしき二人が立っていた。
「「驚かせちゃってごめんね。ちょっと今、時間ないから。」」
この双子達は、見た目だけでなく、声色、喋り方、ほとんど同じらしい。
「お、お前らは何なんだ⁉︎
なんでみんな固まったまま動かない!?
と、いうか、幻覚を見てるって、こんな大人数に幻覚を見せるなんて、一体どういう仕組みなんだ‼︎」
思わず大声になりながら俺は問いかけた。
「……残念ながら、今はその質問には答えられない。すまないが、また今度にしてくれ。」
双子の片方が、ニッコリと笑いながら、明るく答える。
「そうそう、それよりも、君に伝えなきゃいけないことがあるんだ。」
双子のもう片方がそう告げた。
「伝えなきゃいけないこと?なんだそりゃ。」
俺は、こいつらのことを怪しみながらも、質問を投げかけた。
「「うん。君には風紀委員に入ってもらいたいと思ってるんだ。」」
……は?