第???話ーー観察者たちーー
「あーあーあー……また派手にやってくれたなぁ……」
「なんとっ!なんと荒んだ景色!これがあの駅前なのかっ!」
駅前広場はほとんどが修理され、人はまたこの場所や使い始めている。いつも通りの姿へ戻りつつあるが、それでもあの事件の傷跡は消えていなかった。
「アツいって……いい加減やめたらどうなの?それ。
いやー、でも、あれは面白かったなぁ!まさか共食いなんて!考えてもなかったよ!」
「確かにな。だが……このまま行けば、いずれ俺らの立場が危なくなるんじゃねぇか?会長さんよぉ。」
紫の腕章をつけた少女は、興奮を抑えられないようだった。赤の腕章の彼は広場を意味もなく走り回っている。一方、緑の腕章をつけた少年には少し焦りの表情が見えた。
「んー……?あぁ。大丈夫だよー。なんとかなるってー。」
話を受けた男は、あまり大事として考えていないようだった。
「今回の作戦は失敗しただろ!次に成功できるとも限らねぇ!」
「いや、成功だよ。今回の作戦は。」
焦りを見せる少年に対して、彼はやはり冷静だった。
「そうよ。だからそんなに焦らなくたって大丈夫なのよ?」
フッと、影から少女が現れる。彼女の腕には、やはり腕章が巻かれている。青い腕章だった。
「まぁこんなに被害が大きくなるとは思わなかったけどね……あはは……」
そう言うと、彼女はおどけてみせた。
「あぁ、そういえば彼、何も覚えてないらしいぞ。」
「そうかそうか。それなら好都合だ。また使える。」
彼は黒く笑う。そして、その場で立ち上がると、皆を引き連れてこう言った。
「急ごう。彼の開花が始まる前までに。」
「「「「おう。」」」」
そして、彼らは人ごみへと溶けていった。




