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コノヨノタメニ。  作者: 高梨 裕也@あと五分だk……zzz
第一章ーー風紀を乱す風紀委員ーー
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第十一話ーー覚悟を決めろーー

 チュンチュン……チュン……


「う、うう……」


 俺は、鳥の鳴き声で目を覚ました。

 何だかとてもまぶたが重い。もう少し眠っていようか……


 ……おや?この匂いは……味噌汁?

 そうか、もう朝だもんな。朝ごはん作ってて当然だよな。

 具材は何だろうか。大根?アサリ?個人的にはシジミが一番好きだが……


「……じゃねーよ‼︎何が『シジミが一番好きだが……』だよ‼︎ここどこだよ‼︎」


 思わず一人でツッコんでしまう。そんな姿を、彼らは物珍しそうな目でこちらを見ていた。


「「あ、やっと起きたー。おはよー。だいぶ寝てたねー。」」


「おー。起きたかー。」


 草薙兄弟だ。何故か大樹も一緒にこちらを見ている。


「ん……?お、おお……おはよう……」


 先ほどの痴態を見られたのがとても恥ずかしく思えたため、語尾がしりすぼみになってしまう。


「「それにしても、よくもまぁソファの上でそんなに寝れたね。僕達だったら疲れちゃうよ。」」


 兄弟の話によれば、俺は昨日突然ぶっ倒れてから、ずっと眠っていたらしい。


「あ……そういえば織宮は⁉︎」


「「んー?後ろ。」」


 振り返ると、そこには無惨にもグチャグチャになった布団の中で眠る、織宮の姿があった。


「げ、元気いっぱいだな……」


 ズーンという効果音が流れそうな光景に、少し言葉を失ってしまう。


「「……うん……どうしたらああなっちゃうんだろうね……しっかり布団かけてあげてたのに…」」


「なんか……ごめん……」


 やばい。暗い。ものすごい暗い。みんなネガティブになってる。


「ま、まぁいいよ!ほら、ちょうど朝ごはんもできたし!みんなで食おうぜ!」


 大樹も、必死に明るくしようとしているようだ。と、ここで一つ疑問が。


「……そういえば、大樹って風紀委員こいつら嫌ってなかったっけ?」


「いやー、話してみたら凄い良い奴だった。うん。今じゃこんなに仲良いぞ?しかも聞いてみたら、あの倉本って奴も、草薙兄弟も、俺達と同学年らしいんだ。なーっ!」


「「ねーっ!」」


 一晩で友好関係を築くとは。恐るべし大樹の交渉術。




 ================




「「「「いただきまーす!」」」」


 食事は、至ってシンプルだった。


 白米、漬け物、そして味噌汁。具材はエノキだった。むぅ、残念。


後ろの方で盛大ないびきが聞こえるが、きっと気のせいだろう。


「なぁ、草薙。料理っていつもお前らが作ってんのか?」


 白飯を頬張りながら、俺は草薙兄弟に聞いてみた。


「「うーん……まぁそうだね。基本的に僕ら二人だけでやってる。ほら、沙樹って忙しいからさ。一応委員長だし。あ、でも僕達どっちかがやるって時もあるよ。だから今日は大樹が手伝ってくれて、結構助かったんだ。」」


「へぇー、倉本が委員長ねー。

 ……え?ちょっと待って。倉本と俺らって同学年?……てことは一年生だろ……?」


 唐突に返ってきたその答えに、俺は驚きを隠せなかった。大樹は気にも止めない様子で食事を敢行しているのだが。


「「?うん。そうだけど?」」


 草薙兄弟もあまり気にしていないようだ。


「いや、だってそういうのって普通先輩とかがやるだろ⁉︎」


「「えーっとねー、いるにはいるんだけどさ、僕達みたいに『異常』じゃないからさ。特に沙樹は正義感も強いし、統率力もあるから、僕達が入会した時に決定したんだよ。あ、ついでに言っとくと、僕達中学校の頃から学校サボってよくここに遊び来てたんだ。だから今の三年生にはだいぶ知り合いが多いんだよ。」」


 ……なるほど。ということは実質あいつが俺の上司か。

 ……って、違う違う。なんで風紀委員に入ってる前提になってんだ。

 俺は二、三度頭を横に振ると、兄弟にこう宣言しておいた。


「いいか?俺は風紀委員には入らない。せっかくの学園生活を悪者扱いされて終わるのは嫌だ。」


「「うーん、まぁいいんだけどさ、君がいなかったら、この織宮って子、どうすんの?このまま世間に出たらまた何かあるかもしれないよ?」」


 兄弟の目が妖しく光る。何か企んでいるのだろうか。

 二人は続ける。


「「僕達なら……いや、沙樹なら対処法を知ってる。きっと彼女も守れると思うんだ。でも、彼女には支えがあった方が良い。物理的じゃなく、精神的な支えが。

 だから、彼女のためにも、風紀委員に入ってくれないかな……?」」


 ジッと二人に見つめられ、少し気圧されてしまう。

 確かに……織宮がこの先何事もなく普通に暮らせる保証はどこにもない。ならば、風紀委員ここである程度学んでいった方が織宮のためになるのではないか。……いや、しかし……

 だが俺も一応……一応男である。軟弱者だが男である。弱虫だが男である。

 繰り返すぞ。俺はおとk((ry


 ゴホン。話を戻そう。

 男である以上、腹をくくらなければいけない時もある。そう、今のように。

 俺は、覚悟を決めた。


「あーっ‼︎もう‼︎しゃぁねぇな‼︎

 分かったよ!お前らの口車に乗ってやろうじゃねぇか‼︎

 ……風紀委員会入ってやるよ‼︎」


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