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ライセンス取得、そして旅立ち

 ロープで吊るされた鹿肉を取り囲むように、汚らしい灰色の毛並みを持った犬のような生き物がうろついていた。ハンターギルドで貸し出された魔物図鑑には野犬から生まれたモンスター、『グレイハウンド』と記載されている。

 危険度は『低』。噛み付きネズミと同じく一般人でも何とか相手に出来る程度の強さらしいが、犬と同じく群れで行動するので注意が必要だそうだ。

 通称『死肉漁り』と言うだけあって意地汚く、届きそうで届かない位置にある鹿を諦め切れないグレイハウンド。その背中に狙いを定め、ユウトは狙撃銃の様にストックを追加した改造クロスボウの引き金を引く。


「ギャンっ!?」


 引き絞られた弩から放たれた矢は、狙い過たずグレイハウンドを大地に縫い付ける。

 だがユウトはそれに構わず即座に二発目(・・・)を撃つ。

 再びグレイハウンドが悲痛な声を上げるが、ユウトはそれを無視して三発目(・・・)を撃ち放った。

 

「ギャウゥッ!!」


 急所を貫かれたグレイハウンドが断末魔を上げて倒れる。それを尻目に逃げ出した生き残りが姿を消すのを見届けてから、ようやくユウトは地上に降り立った(・・・・・・・・)

 眼下には瀕死の状態で大地に繋ぎ止められた二匹(・・)と、先刻頭蓋を砕かれて即死した一匹(・・)のグレイハウンド。そしてユウトは腰にぶら下げていた手斧を振りかざし、瀕死の二匹に止めを刺す。


「ギッ……!」

「ギャッ……!」


 血飛沫を上げて息絶えるグレイハウンド、その死骸を頑丈な袋に詰めて口を縛った。

 そして先刻投げ捨てた三本(・・)の弩に触れると、弩はたちまち三枚のカードに姿を変える。再びユウトがそれに触れると、今度は綺麗さっぱり消え去った。


「……依頼達成だな。んじゃ、凱旋と行きますか」


 ユウトはそう一人ごちると、意気揚々と家路に着く。

 ハンターになって一週間、彼は新しい生活に手応えを感じ始めていた。




────────────────────────────────────────




 いくらハンターギルドが来るもの拒まずとは言えど、流石にいきなり新人を実戦に放り出すほど非情ではない。

 ハンターギルドには様々な依頼が舞い込んで来るが、それらは内容の困難さによって危険度『最低』から『極高』までに分けられている。危険度『最低』は一般人でも出来る安全なもの。『極高』はそれこそエース級のハンターが束になって掛かっても達成出来ないような依頼だ。

 新人はまず『最低』レベルの仕事を割り振られる。そして徐々に危険度を上げて行き、一週間ほど様子を見る。そしてこの『研修』の結果で新人の等級が決まるのだ。

 この等級がハンターの実力の目安となるだけあって、新人は少しでも高い等級を得る為に無謀な挑戦をしたがるため、初仕事にはベテランハンターが監督役に付くのが通例だ。


 その中にあって、ユウトはかなりの変わり者としてギルドから注目されつつあった。


 出自不明はハンターでは割と良くある。けれど俳優もかくやと言う美貌とどこか気品ある物腰は、噂になるには充分過ぎた。


 得物に弩を選んだのも注目される理由であろう。

 弩は威力も高く、遠距離から攻撃出来る利点もある。が、それ以上に準備に時間が掛かる所為でハンターから敬遠される武器だ。一回毎に再装填に手間取っていては獲物に逃げられるどころか、反撃された時に抗う術は無い。

 故にギルドから支給される支度金の殆どを注ぎ込んで弩を求め、その上改造まで施したユウトの奇行はギルド中から「おかしな奴だ」と見られたのである。


 そして何より、注目される様になった最大の理由は─────


「ただ今戻りました。今日の分も合わせてグレイハウンド20匹の討伐依頼、完了です」

「お、おう。……ふむ、確かに。いやぁ、三日で依頼達成とは中々やるじゃねぇか」


 ─────それだけの不利をものともしない、ユウトの仕事ぶりにあった。


 初仕事となった『セイバーマウスの駆除』において50匹以上を下したのを皮切りに、今日までに『化け芋虫』こと『ジャイアントキャタピラー』を5匹、『爆弾草』こと『ボムズフラワー』の完全体を2株と、新人とは思えない戦果を挙げているのだ。

 『セイバーマウス駆除』では罠を使って川に追い込み、溺死させたと言う報告が引率役のハンターからされているが、それ以外は皆ユウト一人で仕留めている。

 今回の依頼も、危険度『低』とは言え群れる性質を持つグレイハウンドが標的のため複数のハンターが対象だったが、彼はたった一人で達成してしまった。どうやって、と聞くと「囮を使って樹上から狙撃しました」と簡単な事であるかのように答えるではないか。

 使う得物も異例ながら、戦い方も、更にはその戦果すらも異例尽くしの新人。

 ギルドはおろか、先輩ハンター達さえ注目せざるを得ない男、それがユウトだった。


「いやいや、忠告の通り接近戦用に手斧を揃えたのが効きましたね」

「何言ってやがる! たったそんだけでこんだけの獲物を仕留めてきやがって、俺達の立つ瀬が無ぇじゃねえか」


(イケメンの上に腕利きってか! 畜生、爆ぜろ!)


 ギルド員との遣り取りを聞いたハンター達から嫉妬の念が漏れる。一際大きな怨念を垂れ流していたのは、『森の牙亭』の一人娘パムに思いを寄せる青年、デービィであった。


「畜生、あの野郎……! よくも、よくも俺のパムちゃんを……!」

「……いい加減諦めろよデービィ。それとパムちゃんはお前のもんじゃないぞ」


 凄まじい形相でユウトを睨み付けるデービィを、先輩ハンターが呆れながら諌める。

 彼もユウトには含むものが無いではないが、それでも今のデービィほどでは無かった。


「まあ、パムちゃんがお熱になるのも仕様が無いさ。

 何せランカシャーにギルドが建って以来の戦果持ち、その上あんだけの美形とあっちゃ、夢見る乙女が夢中にならない訳無いだろうよ」


 先輩ハンターの説得だか慰めだかわからない言葉に、デービィは憎しみに歪んだ顔を少しだけ緩めて応える。


「……そりゃ、判ってますよ。俺が駆け出しの頃にはあれ程の戦果は上げられなかったし、あんなイケメンに対抗出来るほど俺のツラは良くも無いってのは」

「だろう? だったら……」

「けど、納得出来ないんですよ! あんな姑息な野郎に劣るって思われるのが!」

「……」


 デービィが吐き捨てた台詞に先輩ハンターも複雑な顔で口を噤む。彼の言葉がある意味、この場に居るハンター達の内心を代弁していたからだった。

 大抵のハンターは己の腕っ節一つで勝負するものだと言うのが持論だ。ましてグレイハウンド如きなら正面から当たるべきだ、とも。

 とは言え群れたグレイハウンドはそこそこ手強いし、その上臆病で危険を察知するとすぐ逃げ出す。少なくとも狩りのイロハも知らぬ駆け出しが簡単に、しかも大量に仕留められる相手ではない。


 その駆け出しが群れたグレイハウンドを簡単に、しかも大量に仕留めた事実が問題なのだ。

 ユウトがやった事は実に単純なことだった。しかしその単純な発想に誰も思い至らなかったと言うのは、ハンター達を悔しがらせるには充分な理由だった。

 だからハンター達はユウトを「姑息な奴」と決め付け、その戦果を鼻で笑うのだ。それがみっともない嫉妬でしかないと、誰もが心の奥底で気付いていながら。


「……済みません、嫌な奴ですね俺って」

「言うなよ。恐らく、ここに居るハンター全員がそう思っているんだから」


 誇りと矜持と自尊心、それらが入り交じって複雑に絡み合い、より難解な問題に発展して皆の心に影を落としている。

 その中心に立つ人物ユウトと言えば、依頼達成の報酬と共に正式なハンターライセンスを支給されていた所であった。


「おう、これがお前のライセンスだ。身分証明も兼ねているから無くすんじゃねぇぞ」


 そう言われて手渡されたものは、ギルドの紋章とユウトの名前が刻印された細長い金属板。端の穴から革紐を通し、首に掛けられるようになっている。


「お前の等級は四級からだ。俺達は三級が妥当だと思っていたんだが、お前がこなした依頼は危険度『低』だったからな」


 グレイハウンドもジャイアントキャタピラーもボムズフラワーも危険度は『低』、それほど困難な相手ではない。

 ユウトの戦果が注目されるのは、群れる上にすぐ逃げ出すグレイハウンドを僅か三日で20匹も仕留めたり、巨体のため多少の傷では死なないジャイアントキャタピラーを毒で即死させたり、衝撃を与えると実が弾けて可燃性の種を蒔き散らかすボムズフラワーを全くの無傷で確保したりしたからだ。

 最低級の五級ではなく四級を与えられたのも、おそらくその当りを考慮されたからだろう。


「等級は昇任試験を受けるか、それなりの功績を上げる事で上がるぞ。いきなり四級からってのは重圧だろうが、まあ頑張ってこなして行け。期待してるぞ」

「はい、判りました。それじゃあ、今までありがとうございました」


 軽く頭を下げ、踵を返してギルドホールから立ち去るユウト。

 途端にギルドの空気がどっと緩む。


「……やれやれ。しかしいきなり四級とはな」

「俺だって最初は五級だったてのに、あのイケメン野郎……」

「いや、あれだけやって四級ってのは低すぎないか?」

「馬鹿野郎、あいつのこなした依頼は全部『低』だぞ? 順当だろうが」

「順当って、あいつの仕留めた数を知らない訳じゃないだろう?」

「ギルドも量より質だってこったろ?」


 喧々諤々と交わされるユウトの評価。過分だと思うもの、順当だと思うもの、ギルドの判定を批判するもの、肯定するもの、様々な意見が飛び交って納まる気配がない。

 そしてデービィが下した評価は、


「……微妙っすね」

「ああ、微妙だな」


 何とも微妙な判断だと言うものだった。

 ユウトの仕留めた量だけ見ればランカシャーのギルド始まって以来の快挙であるのは間違いない。しかし質で見るなら小物ばかり、むしろありふれている獲物とさえ言える。


「まあ、確かに三日で『死肉漁り』20匹は凄ぇけどな」

「見方を変えれば、たかが『死肉漁り』如きで評価される訳が無いって事ですもんね」


 ギルドも相当苦心したのだろう。その結果が最低級でも無く、さりとて高評価とも言い難い四級スタートだった訳だ。


「ま、あいつの化けの皮が剥がれて来るのはこれからだってことですね」

「……いいけどよ、問題起こすなよ? ハンター同士の揉め事は問答無用でライセンス取り消しだからな? 巻き添えは御免だ」

「判ってますよ先輩。それより次の仕事はいつからですか?」

「ああ、最近森に『ブラッドスティンガー』が出るらしい。明日そいつを……」


 気持ちを切り替え、今後の予定を語り合うデービィ達。

 常に危険と向き合うハンターに、いつまでも噂話に興じている暇など無い。

 彼らもまたハンターなのであった。




────────────────────────────────────────




 ようやく発行されたライセンスを受け取り、狩りの報酬を使って色々買い物をしたにも拘らず、私が『森の牙亭』に帰り着いたのは夕食にはまだ早い時間帯だった。

 ハンターライセンスの事を知って「ぜひお祝いしましょう!」と意気込むパムにいつも通りの夕食を頼み、百合の刻印が入った部屋に戻って鍵を掛けてから装備を脱ぐ。とは言っても現在身に付けているのはずっと着たきりの服以外には弩しか無いのだが。

 いや、今はもう一つある。首に掛かったハンターライセンスを西日に透かしながら、私は誰に聞かせるでも無く呟いた。


「四級かぁ……、微妙だな」


 これは過大に評価されているのだろうか?

 それとも、小物ばかり狙ったから過小評価なのだろうか?

 ……でもそれは仕方無い。大物狙って命を落とすより、小物狙いでも生き延びる方が断然マシなのだから。


「しかしクロスボウがあったのは僥倖だったな。剣とか槍よりもずっと私の能力向きだ」


 これを思い付いたのはギルドから支度金をもらって、鍛冶ギルドの工房に行った時だ。

 この世界では武具防具は全て工房のオーダーメイドだと言う。商人ギルドでは扱わないし、扱えない。ちなみに革製品などは服飾ギルドの管轄らしい。

 代わりにハンターの獲物は商人ギルド経由でしか入手出来ないように決められているので、モンスター素材で何か作ろうと思ったら商人から買い求めるしかない。

 結果、モンスター素材製の武具防具は鬼のような高値が付くので、駆け出しには到底手の届かない高嶺の花なのだ。

 ……いや、話が逸れたな。

 とにかく自分の得物を探しに工房へ行った私は、そこで運命の出会いを果たしたのだ。

 そう、それがこの鉄弓アーバレストである。

 威力は申し分無く、飛距離も充分。何より刀槍よりも現代兵器に近いとくれば、むしろ選ばない理由が無いだろう。

 喜々として購入し、そのままでは使い辛いのでライフルよろしく木製のストックを付けてもらった。お陰で支度金のほぼ全額を注ぎ込む事になったが悔いは無い。

 矢弾ボルトがほぼ使い捨てだとか、専用のクランクを使わないと弦を引く事も出来ないとかは些細な事だ。些細な事なんだよ? ……実はちょっと後悔してる。


 さて無事に得物を選んだはいいが、次なる難問が私を待ち構えていた。

 先刻も言ったように、この弩は専用のクランクを使わないと弦が引けない。それは即ち、一度撃ったらそれで終わりと言う文字通りの一発屋だと言う事だ。

 だが私には勝算があった。

 私はこの世界の人間ではない。所謂トリッパー、転生者だ。そして私には一つだけ、チートな能力が備わっている。


『触れたものをカードに変える能力』


 その上カード化した物体はコピーして増やす事が出来る。これを使って、予め矢を装填した弩をカード化した上に増やしておけば、一人弾幕の完成である! 最強だぜヒャッハー、とハッスルしながら臨んだそれは、この能力の意外な欠点を浮き彫りにしてくれた。


『一日に使えるカードは七枚まで』


 要するにカードを作るのもコピーするのも使うのも含めて、一日に七枚が限度と言う事だ。

 これに気付けたのが宿屋で弩のストックをコピーしている時で良かったと心の底から思う。何も知らずにのこのこ実戦に出向いて、限度を超えてカードが使えなくなっていたらと思うと心の底からゾッとする。

 とは言えコピーが有用なのは間違いない。カモフラージュの為に矢弾だけは購入するようにして、常に一本だけ実体化させた弩を背負って危険度の低い獲物だけを狙う姿からはチートの欠片も見えない筈だ。


 そうそう、カモフラージュと言えばそれを完璧にする為に罠を仕掛けた事もあった。

 最初の仕事として紹介された依頼はあの『噛み付きネズミ』の駆除で、監督官としてベテランハンターが付いて来た。何でも最初の仕事はこうやって達成するまで見張り、問題が起きたらそれを手助けするのが決まりなんだとか。

 しかし私に取っては都合が悪い。他人の目がある所ではチートが使えないのだから。

 そこでライセンスが出来るまでの一週間、こうやって毎日見張りが付くのかと聞けば、監督曰く「いやいや最初の一回だけさ」とのこと。

 ならば、と私はギルドの資料室で徹底的に依頼のあった区画の詳細な地形と、噛み付きネズミこと『セイバーマウス』の生態を徹底的に調べ上げ、大掛かりな罠を仕掛ける事にした。

 元がネズミなだけに、セイバーマウスの生態の大部分は普通のネズミと変わらない。ならば普通のネズミ退治の方法が通用する筈だと推測を立て、ネズミが通れない程度の網を川縁に誘導するように設置してから、生木を燃やした煙で燻しつつ川に追い落としたのだ。


 この思いつきは成功したらしく、レミング宜しく追い立てられたネズミ達が一斉に川にダイブして行く姿には監督官も驚いていた。

 それとなく聞いた所、セイバーマウスをそうやって駆除しようとしたのは後にも先にも私だけだったらしい。「罠か、盲点だったな」と苦笑いしていた。

 これで私は「罠や策略を使って戦う軍師タイプ」だと思われた筈だ。今後、チートを使って大戦果を挙げても「そうか、罠を使ったんだな」と思われるだろう。


 そして監督官の目が無くなり、チート無双が始まった。

 ジャイアントキャタピラーなる全長1〜2メートルほどの芋虫には、木酢液と石鹸の混合液をペットボトル一本分ほどカードに変えて弩で打ち込み、実体化させたらコロリと逝ったので調子こいて乱獲してみた。

 ボムズフラワーとか言う鳳仙花の化け物みたいな花の採取では、カード化能力で弾ける手前の実を採取出来た。それを持って行ったら、完全な姿で採取出来たのは初めての事だと驚かれてしまった。

 そして今回のグレイハウンドでは、肉屋から購入した囮の鹿肉に集まった所を樹上から狙撃。地面に縫い付けて動きを止め、逃げられなくしてから手斧でとどめを刺す方法を使って、あっという間に目標を達成出来たのである。


「お陰で支度金も無事返せたし、こうしてライセンスも貰えたから良いんだけどね」


 しかしどうやら私は暴れ過ぎたようだ。

 ギルドから支給された支度金はライセンス発行前に全て返さなければならない。支度金を返せる程度には稼げなければハンターとしてやって行けないから、と言うのがギルドの説明だった。

 とは言えハンターの相場を知らない私には、どれだけ働けば返せるのか想像もつかず。

 だから私はギルドに来ていた初心者用の依頼を片っ端から受ける事にしたのだ。


「いやぁ、まさか噛み付きネズミの時点で満額返せたなんて思わなかったしな」


 同時に受けたジャイアントキャタピラー討伐とボムズフラワー採取だけでも返せたらしい。だったら引き受けた時点で教えてくれよと思うが、監督の人にまさかネズミを50匹仕留めて来るとは思わなかったと返されてしまい、ぐうの音も出なかった。

 本来ならネズミ10匹くらいを想定していたようで、それに『化け芋虫』一匹と『爆弾草』の種を合わせれば返せるだろうと踏んでいたと言う。それが想定外の戦果を挙げた事で、今や私はギルドとハンター達から不信の目で見られる立場と成り下がった訳だ。


「ここにも異端審問みたいなのがあるらしいし、それを考えると目立ち過ぎるのは拙い」


 その為に私はグレイハウンド討伐を受けたのだ。ライセンスを受け取ると同時にこの村を出て行き、旅する為の軍資金として。

 明日の早朝にはこの宿を引き払い、とりあえず街道を南に向かってグラム王国の首都を目指すつもりだ。丁度タダで泊まれる一週間の期限も明日で切れるし、頃合いだろう。

 嵩張る荷物はカード化済み、カモフラージュとして弩と矢筒、小さな頭陀袋には一週間分の携帯食糧、それと腰に下げるタイプの薄い葡萄酒を入れた水袋を準備した。これに古着屋で入手したボロい外套を羽織ればどこにでも居るハンターの出来上がり。

 我ながら完璧な偽装だ。これなら例え手配されたとしても見つかる心配は無い。


「後やり残した事は……」


 旅装の確認を終えて他に忘れ物が無いか確かめていると、扉が控えめにノックされる。


「あ、あのっ! お夕食の準備が整いましたので!」 

「うん、判った。すぐ向かうよ」


 お待ちしています、と言う言葉を残して消えて行く足音に、私は特大のやり残しがあった事を思い出した。


「……あの子、どうしよう……」


 パムが私に好意らしきものを持ってくれているのは知っている。けれどこちとら彼女居ない暦=年齢の魔法使い予備軍、その上女性恐怖症気味の童貞男。今更モテ期が来た所で迷惑以外の何者でもない。まあ、嫌われているよりは大分マシだが……


「いい子ではあるんだけどねぇ……」


 どうしよう、と悩みながら私は夕食を摂るべく足を向けた。




────────────────────────────────────────




「……え?」


 晩餐の席で突然告げられたその言葉を、パムは一瞬理解出来なかった。


「そうか、そう言えばもう一週間経つのか」

「ええ、無事ライセンスも貰えたからそろそろ頃合いかと」

「しかし行く当てがあるのかい?」

「とりあえず王都へ向かうつもりです。元々気楽な一人旅ですし、物見遊山も兼ねて適当に見聞を広げながら行こうと思ってます」


 目の前で交わされる父とユウトの会話。

 けれど彼女には意味不明の言葉の羅列にしか聞こえない。


「いつ出発するんだ?」

「何時までもずるずる引き摺るのもよくありませんから、明日の夜明け頃に出ます」

「……そうか、随分早いな。朝飯くらいは用意しといてやるから、出る前に顔を出せ」

「ありがとう。それじゃ、明日の用意があるので……」


 そう言って踵を返すユウトを、パムはただ呆けたように見送るだけ。娘の様子に気付いたパレガンの叱咤さえ、今の彼女には雑音と変わりなく……




「それでは、お世話になりました」

「おう、又ここにきたら顔を出せよ」

「はい、パムさんもお元気で」


 翌朝、顔を出したばかりの朝日が照らし出す中、ユウトが旅立つ姿を見送って初めてパムは正気に返った。

 もっとも時既に遅く、彼の背中は朝靄に完全に溶け切っており、最早呼び戻すも追いかけるも叶わなくなっていた。


「あ……」


 僅かな寂寥感と多大な喪失感、そしてきちんと別れられなかったという後悔がぐるぐる渦巻いて全身を縛る。

 最初は確かに打算とミーハー的な感覚だった。けれど彼と共に過ごした一週間と言う時間は、少女の淡い恋心を激流のような愛情に変えるに充分過ぎる甘さを齎していた。


 それは例えば朝晩の挨拶だとか、食事中のちょっとした雑談だとか、彼が挙げた戦果に対する驚きだとか、いつの間にか父と打ち解けて家族のように過ごした日々の事とかの、大した事の無い些細な出来事の積み重ねで。


 それは初恋の時の淡い慕情とも、収穫祭で初めて男と手を取り踊った時の高揚感とも、父やデービィに抱く親愛とも違う、身を焦がすような熱を伴った激情でもあった。


「……いっちゃった」


 なのにユウトはそれらを顧みる事無く朝靄に消えた。それはつまり、彼に取って彼女と積み上げた日々は、本当に大した事の無い些細な出来事でしかなかった、と言う事。

 これまでの日々とユウトへの思いが一気に噴出して、パムの目が急速に潤んて行く。けれどそれが溢れ出す直前、彼女の父から思いもよらぬ言葉がかけられた。


「寂しいがまぁ、これで会えなくなった訳じゃない。王都に向かうって話だから、いつかこっちから出向いた時にばったり会えるかも知れんしな」

「……え?」


 王都に向かう? 誰が? ………決まっている。パムが、だ。


(王都ってあそこでしょ? 王様が居て、貴族様が居て、ハンターギルドのある……?)


 今だ冷静になったとは言えないパムの頭が沸騰する。それは先刻までの悲しみからではなく、見つけてしまった希望への思いから、だった。


(そう、そうよ……ハンターになれば良いのよ! ハンターになって、あの人の隣に立てるほど強くなれば……きっと、私に振り向いてくれる!)


 それは根拠の無い、ただの妄想。けれどその妄想はパムによって真実へと昇華され、彼女の将来をこれ以上無いくらい強固に縛り付ける鎖と化した。


「……お父さん!」

「ん? どうしたパム?」

「私、今からハンターになる!」

「……へっ?」


 唐突な娘の宣言に呆気にとられる父親を尻目に、パムは朝靄の中を駆け出した。

 村の広場を走り抜け、商人ギルドの朝礼を突っ切り、鍛冶ギルドの職人達の視線をものともせず、ただ一カ所を目指して直走る。


 やがて見えて来たハンターギルドの支部。竜と剣をモチーフにした紋章を掲げる三階建ての建物の、やたら頑丈に作られた羽根扉を吹き飛ばす勢いで突っ込む。

 二階まで吹き抜けになったホールのあちこちで、今日の予定の打ち合わせをしていたハンター達がみな目を丸くしてパムを見る。しかし彼女はそれらを無視してカウンターに向かい、同じく目を丸くしていたギルド職員にはっきり告げた。


「『森の牙亭』、パレガンの娘パム! ハンターに成りに来ました!」




 後世、かの「傾国の美騎士」セタ・ユウト第一の従者とも呼ばれる事になる女性ハンター、パム・スピリトス・セティンの、これが第一歩であった。




────────────────────────────────────────




 ランカシャーの村で我に返った親父と娘が大喧嘩を繰り広げている頃。

 すっかり頭上に昇った太陽に照らされながら、ひたすら街道を歩いていた瀬田友人ことセタ・ユウトは少し困っていた。

 別に道に迷った訳ではない。きちんと整備された街道は支道も無く真直ぐ南へ伸びており、迷う心配など有り得ない。

 ならば、何に困っていたかと言うと─────


「ぐるるるる……」

「す、済まん! ちょっと腹が減ってて見境が無いだけなんだ、悪気は無い!」

「……見境が無い時点で悪気はありまくると思うけどね。とにかく、まずはコイツを仕舞ってくれるように言ってくれ。こんなものを突付けられては話も出来ない」


 見覚えの無い女性に短剣を突付けられて、それをやはり見覚えの無い男性が必死に引き止めると言う光景を目の当たりにしたからだ。

 二人とも同い年であろうか。使い込まれた外套と首から下がるライセンスから、どうやらご同輩のようだと見当を付けるユウト。


「がるるるる……」

「悪い、何か食べ物があったら恵んでくれ! 多分それで止まる!」

「……多分って、オイオイ」


 頼りない助言を元に、ユウトは出掛けにパレガンから渡された弁当の包みを引っ張り出した。長いバゲットに野菜と煮込んだスジ肉、そしてチーズをベースにした辛めのソースが挟んである、ボリューム満点の逸品だった。

 それを目にした女性の目の色が変わる。そして差し出される前に包みごと奪い取り、猛然と食べ始めた。


「……動物か」

「本当に済まない! このお礼は必ずさせて貰うから!」


 呆れ返ったユウトが本音をぼそりと漏らし、それを聞いた男性が土下座せんばかりの勢いでひたすら謝罪を繰り返す。

 混沌に陥りかけた場を諌めたのは、意外にも施しを喰らい尽くした女性であった。


「ふぅっ。……あれ、にいさま?」


 恐らく昼食も兼ねる事を想定して作られたであろう大きなサンドイッチをぺろりと平らげ、女性はまるで子供のようにきょろきょろと周囲を見回す。そしてユウトにひたすら頭を下げ続ける男性を眼中に入れるや、女性は短剣をユウトに向ける。

 そこで女性は何かに気付いたらしい。鼻を数回ひくつかせると、短剣を収めて男性の袖口を引っ張った。


「にいさま、このひとがこまってる。そこまでにしておいて?」

「……お前なぁ、誰の所為でこの人を困らせてると思ってるんだよ……」


 元凶が言う事じゃないだろ、と力無く突っ込む男性の言葉にキョトンとする女性。どうやら何を言われているのか本気で判らないらしい。

 その遣り取りから厄介事の気配を嗅ぎ取ったユウトは、即座に撤退を決断した。


「じゃ、私はこれで……」

「まって。おれい、まだ」


 しかしその決断は少々遅かったらしい。いつのまにか傍に現れた女性が、今度はユウトの袖口を掴んで引き止めた。強引に振り解く訳にもいかず、やむなく足を止めるユウトに男性が金貨を差し出しつつ話し掛ける。


「済まない、あれは君の弁当だったんだろう? これで買い取らせてもらいたい」

「いや、多すぎるって!」


 金貨一枚、即ち1ゴールド。日本人的感覚で言えば、いきなり札束を手渡されたようなものだ。パレガンの弁当がどんなに美味かったとて、到底釣り合う金額ではない。


「いやいや、これでも足りないくらいさ。正直、腹を減らして理性を失ったコイツは手強くてね、一旦暴れ出したら俺でも止められないんだ。

 このままだったら無差別に食べ物を狙う強盗が現れて、街道が阿鼻叫喚に包まれる所だった。これは、それを未然に防いでくれた君に対する正統な報酬だよ」


 しかし男性の悲壮な表情に、ユウトは抗議の言葉を喉の奥に押し込む。

 畏怖と悲哀と諦観の混じった、それはそれは壮絶な顔色をした男性に同情せざるを得なかったからだった。


「……ああもう、そこまで言われて断ったら私が悪者じゃないか。仕方無いな」

「本当に済まない。これは俺達兄妹の借りにしといてくれ。ハンターギルドなら顔が利くし、ある程度は融通が利く筈だから」


 その言葉を聞いたユウトが少しだけ首を傾げる。同業者とは見当をつけていたものの、そこまで影響力のある人物だとは思っても居なかったのだ。

 そんな彼の仕草に、男性は自分達の素性を明かしていなかった事をようやく思い出したらしい。恥ずかしそうに頬を掻きつつ、名乗りを上げる。


「ああ、自己紹介が遅れたな。俺はアル・ハッド、ハンター等級は初段だ。で、コイツは妹のアル・ハリン。こんなんでも一級のハンターだよ」

「……えっ? 初段!?」


 至極軽い名乗りに流されそうになったものの、聞き逃せない言葉に固まるユウト。

 一般的にハンターは五級で見習い、四級はアマチュア、三級でプロ、二級でベテラン、一級になってようやくエースと呼ばれている。その更に上を行く実力者達の為に、ギルドが認定しているのが『段位』だ。

 しかし認定されるには相当な実力と実績を持った上でギルドが出す『昇段試験』を攻略しなければならない。内容は様々だが揃って高難度で、合格率は一割を切るとさえ言われているほどの狭き門。今では段位持ちは十指に余る程度しかおらず、間違ってもこんな辺境の街道で強盗の片棒を担ぐような立場の人間では無い。だからユウトは直球で尋ねた。


「段位持ちがどうして此処に? そのうえ食糧不足?」


 ハンターが狩りに出向く際、所持品の確認を怠らないのは基本中の基本の心得。特に長期の狩りで食糧を切らすなど、駆け出しハンター並の初歩的なミスだ。

 それを指摘された男性──ハッドは苦笑いを浮かべて応える。


「いや、十分以上の量は揃えていたんだが……ちょっと、やらかしちまってな」


 話を纏めるとこうだ。

 二人は最近『ざわめきの森』に現れた上位モンスターを狩りに向かう事になったらしい。

 首都から辺境であるランカシャーまでは結構距離がある。そのためハッドは少々多めに食糧を用意したのだが、それをうっかり妹にバラしてしまったそうだ。


「こいつは結構健啖家でね、それを見越しての量だったんだが」


 何を思ったかハリンは『食糧に余裕がある』を『たくさん食べても大丈夫』に変換して、物凄い勢いで食糧を消費し始めた。これはヤバいとハッドが食糧を管理するも、どうやら彼の目を盗んでちょくちょく食べていたらしい。気付いた時には食糧不足はのっぴきならぬ段階にまで踏み込んでいたとか。


「それでも何とかやりくりしていたんだが、一昨日遂に食い尽くしちまってな」


 昨日から、正確には一昨日の晩から強制断食に突入したアル兄妹。既に街道は辺境に到達しており、引き返して食糧を調達するよりランカシャーに向かった方が早いと判断したハッドは何とか妹を宥めて旅を強行。

 その結果、本日遂に空腹が限界を超えた妹が暴走した所へユウトが通りかかり、世にも珍しい弁当強盗の出現と相成った訳である。


「何と言うか、その、苦労してるね」

「ははは……、ありがとう」


 どうにか絞り出した慰めの言葉に、ハッドは虚ろな笑みを浮かべて礼を言う。

 事の元凶たるハリンは、何故兄の生気が抜けているのか理解出来ないようだ。


「ま、まあランカシャーまで後少しなんだろ?」

「ここからなら歩いて半日も掛からないよ」

「そうか、聞いたなハリン。もう少し我慢しろよ」

「……わかった、がまん、する」


 それでも目的地が近い事を知った所為だろう。大分大人しくなったハリンの手を引きながら、ハッドはユウトに手を挙げて別れを告げようとして……大事な事を聞き逃していた事を思い出した。


「おっと、そう言えば君の名前を聞き忘れていたな」

「……ユウト。セタ・ユウト。昨日四級になったばかりの駆け出しさ」

「そうかユウト、何か困った事があったら言ってくれ。大体のギルド窓口で『アル・ハッド』に言付けを頼めば届く筈だから」

「……ごはんのおれい、わすれない。『アル・ハリン』のなにかけてちかう」


 肩を竦めて自己紹介をするユウトに改めて借りを返す事を約束し、アル兄妹は街道を北上して行った。途中何度も振り返り、ユウトに向かって手を振りながら。




 後にユウトのライバルとして名を馳せる『アル兄妹』の、これが最初の出会いであったと伝説には残されている。




────────────────────────────────────────




「やれやれ、やっと行ったか……」


 騒がしい兄妹だったなと思いつつも、振り返っては手を降る二人の姿が消えるまでその場で見送り、私はようやっと旅路に戻る事にした。

 あの兄妹の話では、ここから五日ほど歩けば次の街が見えて来るらしい。五日間も歩きづめかよ、とは思うものの疲労はそこまで感じない。

 思えばハンター実習中もあんまり疲れた事は無かったと思う。どうやらトリップする際に身体能力も多少底上げされているようだった。


「ま、神様の付けてくれたオマケって言う所かな? 粋な事するねぇ」


 それとも、この世界の標準体力に着いて行けないであろう現代のもやしっ子を危ぶんでの事だろうか? まあ別にどちらでも良いか。肝心なのは『この世界で生きて行けるだけの強さ』を身に付けていると言う事だしね。

 それにしても……、


「……今度こそヒロイン登場かと思ったんだけどね……」


 この世界に来てから顔面偏差値が残念な人としか会っていない。その法則は見事にあの二人にも当て嵌まっていた。

 やぶにらみ気味の目つきに少々上向き過ぎの鼻など、さすが兄妹だけあって似ている容貌を持っているようだ。しかし、あの兄妹にはただ一点だけ、全く違う特徴があった。


「最初の村を旅立ってすぐ出会った手練の兄妹……、しかも妹は無口系大食いキャラときた。漫画やゲームなら後々パーティメンバーに加わる王道パターンだよねぇ……」


 そう、王道だ。王道の筈だ。印象に残るキャラ立てにインパクトあるイベント、RPGならありがちとも言える演出だろうし。けれど……


「激ガリのライバルと激デブのヒロインって、誰得なんだよ」


 ハッドと名乗った男は針金みたいにガリガリに痩せていた。アバラでも浮いていたら間違いなく餓鬼かなんかと間違える自信がある。

 ハリンと言うらしい女性はその真逆、ぽっちゃりと言う誤摩化しが効かないくらい完璧なデブだった。しかも乱れた食生活が影響してか顔中ニキビだらけで、浮いた脂で顔中テカテカに光っていた。


「三段腹のヒロインか……、新し過ぎて売れそうにないな」


 初段に一級と言う事は相当な実力者なんだろう。気さくな兄と寡黙な妹とポイントを押さえた性格も実に王道チックで、仲間にすればかなりの戦力になってくれるに違いない。

 問題はそう言った数々の長所を吹き飛ばす容貌にあるのだが。


 そこまで思考を進めた処で、ふと我に返る。

 懐からスマホを取り出して自分の顔を映す。

 目つきの悪い三白眼、潰れた鼻、厚ぼったい唇。いつもの顔がそこに在った。


「……またか。いい加減判っているつもりなんだがな……」


 不細工が人間の美醜を語って何とする。それは自分のような美醜の最底辺が考えるような事では無い。そう頭では判っていても、ふとした拍子にそんなリア充みたいな思考が頭を翳めるのだ。


「全く、何時になったら悟りの境地に辿り着けるのかね」


 そんな事をぼやきつつ私は進路を南へ取り、旅を再開するのであった。




────────────────────────────────────────




 人々から「傾国の美騎士」と呼ばれたセタ・ユウト。彼の周囲には「第一の従者」パムや「氷の美女」ハリンなど、常に美男美女が群がっていたと言う。

 しかしユウトはその誰とも結ばれる事無く、生涯独身を貫いたと伝説に記されている。

 彼の博愛の成せる業だ、と人々はもてはやしたが……

 本当は誰も彼の好みに合わなかっただけだとは最後まで知られる事は無かった。


 これは残念な人の、残念な世界における、残念な英雄の物語。

 その物語を彩る登場人物達もまた、残念な人々であった。







ほとんど設定解説で埋まってしまいました……

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