過労警報その3!運動と風呂とマッサージとチョメチョメ!
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「さて、そろそろ次のリラックスツアーをしようか」
「次は何をしてくれるの?」
「次は、軽い運動の時間だ!」
意外かもしれないが、心身のの疲労を取る時に軽く運動するのはとても効果的なのだ。疲れている時に体を動かすのなんて億劫かもしれないが、そういうときこそ逆に運動だ!騙されたと思ってやってみてくれ!
「じゃあ、俺のマネをして体を動かしてみてくれ!」
「分かったわ」
今からするのはラジオ体操。俺の前世の記憶から引っ張り上げてきた体操だ。今回はラジオ体操第三までやる予定だ。
まあ、俺はラジオ体操第一しか知らないので、第二と第三は俺のオリジナルの体操なのだがな。
実は、俺のオリジナルラジオ体操は第百まである。これは俺が超高重力下で効率的な筋トレをするために作り出したものだ。
だんだんハードになるように作ったので、俺も最後の第百まで続けて出来たことはない。というか、俺の難易度調整が下手すぎて、第二十くらいからもう動きが人間技じゃなくなってくる。
だが、第三くらいまでなら軽い運動になるはずだ。それに、トリカなら普段からトレーニングを欠かさないので、これくらいなおのこと余裕のはずだ。
チャン、チャカチャンチャン、チャチャンチャチャンチャン~♪
俺の記憶を元にAIに生み出してもらったラジオ体操の音楽を流す。
正直なんかちょっとリズムや音階が違う気もするのだが、細かいことは気にするな。この宇宙に元々のラジオ体操の音楽を知っている人はいないからな。何も問題はない。
【ラジオ体操第一!腕をドーンと上に上げて、思いっきり背伸びする運動!】
音楽とともに俺の言う指示に従いながら、俺達は十分ほど体を動かした。
【ラジオ体操第四!親指だけで逆立ちしながら、回転を…】
ブツン。
俺は音楽を止める。運動はこれくらいで十分だろう。
「ふぅ…そんなに激しい運動じゃないのに、結構体が熱くなるわね。軽く汗ばんできたわ」
「そう。ゆっくりな動きでも、意外と全身を使うんだよね」
ラジオ体操って、しっかりやると充分な運動となると聞いたことがあるので、全身を使うことを意識して作ったんだよね。
「どう?軽く体を動かしただけだけど、結構気持ちよくない?」
「そうね。これくらいの軽い全身運動って、体も心も気持ちよくなるのね。運動ってトレーニングのイメージしかなかったから、自分の成長を感じられて楽しいだけで、基本的に辛くて苦しいものだと思っていたわ」
うん。トリカは普段から頑張りすぎだな。極端にストイックなのもいいが、たまには緩く行こうな。
トリカを見てみると、少し呼吸が乱れていて、頬も上気している。
こうやって楽しく体を動かすことによって、血行促進や精神的リフレッシュまで出来てしまうんだよ。
な?運動って素晴らしいものだろ?皆もやろう!運動!
「よし、あとはゆっくり風呂に浸かってもらって、軽い夕食を食べたら、マッサージして、俺のリラックスツアーは終了だ。たまには風呂もゆっくり入れよ!」
「そうね。今日くらいはそうしてみるわ…キャ!」
俺はいまだに家畜共から人気で、運動中も一定の距離を離して囲まれていたトリカを、盗むようにお姫様抱っこし、スタコラサッサとトリカを連れて風呂場へ向かう。
ああ~!背後で聞こえてくる家畜共の悔しそうな鳴き声が気持ちいい~!ざ~まあ~!
俺が突然トリカを抱えてびっくりさせてしまったので、トリカからほっぺたをつねられるという抗議をされているが、そういう可愛いじゃれ合いのような抗議なら甘んじて受け入れよう!
さて、風呂場につくと、ここで一旦お別れだ。
「あら?一緒に入らないの?恋人なのだし、別に一緒に入ってもいいのよ?」
グ、グギギギギギギ。
一緒に入りたい!と叫びだしそうだったが、歯ぎしりしながら気合でキャンセルする。
今日はダメなんだよ。だってなあ…
「ほら?俺の場合トリカのあられもない姿を見ると、絶対エキサイトしてしまうからな。そうすると、すごく疲れる未来が訪れることを容易に想像できてしまうからな」
泣く泣く俺はそう答える。
トリカのことを思ってちゃんと断れた俺偉い!偉すぎる!
▶レベルアップ!ヒノキは 自重を 覚えた!
何故か俺の頭の中でポ◯モン風のナレーションが入る。
いやあ…成長できて嬉しいなあ。これからもどんどん成長して、進化していくぞ!
…なんて、浮かれていたら、トリカはもう一歩先を行っていた。
「ふふ、ほんとにいいのね?」
▶トリカは 妖艶に ほほえんでいる。ヒノキに こうかは ばつぐんだ!
「いや!今回は一緒に入らない!…けど、また今度一緒に入らない?というか、明日!明日一緒に入ろう!」
▶前言撤回! やはり ヒノキは 自重を ぽかんと 忘れてしまったようだ!
「ふふふ、わたくしはいつでもいいわよ?」
▶トリカは ニッコリ ほほえんでいる!
▶トリカのしょうり!ヒノキは 全てを さしだした!
……あれえ?今、何が起こった?
なんか、いつの間にか今度トリカと今度一緒に風呂に入ることになっていた。
くっ!これがトリカの交渉術か!見事な誘導尋問だった。流石、百戦錬磨のトリカだ。
え?ただの俺の自滅だって?
えっと…
都合の悪いことは俺は聞こえない!知ーらね!
と、俺が脳内で自問自答の一人コントみたいなことをしているうちに、トリカは風呂場に入っていってしまった。
「…馬鹿なこと考えてないで、俺も入ってこよ」
一人虚しく、そうポツリと呟きながら、俺も脱衣所へ向かう。
服を脱ぎ、湯気の立ちこめる風呂場の扉を開けると、そこには贅沢すぎるほど広々とした湯船が静かに湯をたたえていた。
ゆっくりと湯に身を沈めると、全身がふわりとほぐれていくのを感じる。
ああ…気持ちええ…
ちなみにだが、別に現代では風呂に入らなくとも体を綺麗にする方法はいくらでもある。よって、風呂は完全に娯楽だ。
トリカも普段の生活ではもっと楽に体を綺麗にする方法を取り入れているようで、あまり風呂を使っていない様子だった。
せっかくトリカの家にはこんな豪華な入浴施設があるのに、もったいないことだ。
こんなにいい風呂場があるのなら、毎晩通いたいくらいだもん。
うん。トリカの豪華な風呂場を借りてみて、改めて思ったことは…
「やっぱり風呂は良いぞ!最高だ!」
と、いうことだ!
◆
さて、ここから先はもうイベントのようなものはほぼ考えていない。ぱぱっと流れで残りの一日を過ごそう。
風呂から出て、軽く夕食を済ませた俺達。ここで俺は日課の筋トレをすますために一度離脱。今回はトリカの拠点のトレーニングルームを使わせてもらった。
その間にトリカにはヨガやストレッチをしてもらう。あ、一応ダメ押ししておくが、絶対に仕事しちゃ駄目だからな!
…うぐっ!可愛くお願いしても駄目なものはダメ!
そうして俺が筋トレを終わらせ、ヘロヘロで帰ってきたら、トリカはしっかり言いつけを守り、ストレッチをして過ごしていた。
そんな偉いトリカには、たっぷりとご褒美マッサージをしてあげよう!
ということで、トリカをベッドへ寝かせ、マッサージをする。今回行うマッサージは香りのいいアロマオイルを使った全身マッサージだ。
丁寧に全身をほぐしていく俺。
「もう後は寝るだけだから、マッサージ中に寝落ちしてもいいからな」と、一端のマッサージ師のようなことを言ってみるのだが…
うっとりした表情で、艶めかしい声を漏らすトリカ。
その様子があまりに色っぽく、俺の理性がガタガタ揺れる!しかも、露出も多いしさあ…
こんなの、つい変な場所を揉んでしまいそうになるだろ!
ヤバい!落ち着け俺!心頭滅却!今はトリカを労ってあげるのが最優先!
そう自分に無理やり言い聞かせ、なんとかマッサージをやりきった。
限界寸前の気力をなんとか絞り出して、「じゃあ俺はここで失礼するよ。おやすみ」と言い、部屋を去ろうとすると、トリカが俺の手を掴んで出ていくのを止めてきた。
「さて、心も体も元気いっぱいになったことだし、今夜は寝かせないわよ!ふふふ。今日のお返しに、わたくしがベッドの上でたっぷりと癒やして差し上げますわ!それに、運動はリラックスに良いのでしょう?多少激しい運動になるかもしれませんが、最後の最後まで付き合ってくれますわよね?」
いつもの十倍くらい獰猛な笑みで微笑むトリカ。
本能ではばっちこいと大歓迎しているのだが、何故か脳がガンガンと警鐘を鳴らしている。
なんというか、このまま流れで一線を超えたら、俺の身が大変なことになる気がする!
「い、いや、俺は筋トレで疲れてるし、それに夜の睡眠もだい…うm」
唇で強引に黙らされてしまった。あ、問答無用ですか。そうですか。
あーれー
このあとめちゃくちゃ〇〇した。
うん。もう完全に絶好調だね。
この夜のトリカは、輝かんばかりに美しく、凄まじく凶悪だったとさ。
次回予告:子供を産み育てる?ヒノキ




