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貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
3章 他惑星とのつながり!

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過労警報!リラックスツアーの開催!

読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。



 会議が終わると、皆はそれぞれ帰り、俺も本来なら拠点に帰るつもりだったが、予定を変更して、急遽トリカの家に泊まらせてもらうことにした。


 というのも、少し心配なことがあってな。


 ここ数日、トリカはかなりいそがしかった。それに加え、あのハードなライブだ。どう考えても、頑張りすぎだろう。そう思ったのだ。


 もし無理をしているなら強制的に休ませようと、俺は会議が始まる前からずっとトリカを観察していた。

 

 でも、見たところトリカは普段通り。特に変わった様子はない。


 トリカは努力の鬼なので、体力づくりを普段から欠かしたことはない。そんなトリカなら、こんなハードワークでも体力が持つということだろうか?それとも、トリカの家にある高性能ベッドで寝たことで、身体の疲労は完全に取れているのか?一度はそんなふうにも思った。


 実際会議前に直接トリカに「疲れてないか?」と聞いてみた所、しっかり「疲れていないわ」との返答があった。嘘をついているようにも見えなかったし、身体の動きも一見問題なさそうだったので、俺はとりあえず安心していた。


 ただ、その油断はすぐに覆された。


 ふとある時。具体的には、トリカがニヤニヤと意地悪に笑いながら、手で全身をなぞるようにして、俺に向かって見せつけるように自分の体のラインを強調した時だ。


 その時、俺はしっかり興奮しながらも、少しだけ妙な違和感を覚えたのだ。


 感覚的な話で申し訳ないが、普段なら俺の性癖にドキューーン!!!と直撃するような仕草のはずが、ドキュン!くらいにしか感じなかったのだ。


 その違和感を無理やり言語化してみると、トリカの動きにいつものような「美しさ」が感じられなかったような?そんな感じだ。


 トリカは人前で魅せる仕事をしているので、所作や立ち振る舞いのトレーニングを日々欠かさずやっている。そのため、普段から何をする時でも一挙手一投足が洗練されていて、美しい。


 それなのに、その美しさに乱れがあった気がした。つまり、これは見逃せない異常だろう。


 これって、もしかして!


 あることに気がついた俺は、チップで目の機能を強化して、もっと深くトリカを観察することにした。


 多数の筋肉群の動き、関節の動き、表情、声のトーン、その他諸々の細かすぎるところまで、徹底的に分析した。


 うん。やっぱりそうだ!


 表面的には問題のないように見えた身体の動きにも、筋肉や関節のほんの小さな動きが、普段よりわずかに鈍っていたのだ。細かい変化すぎて本人すら気がついていないかもしれないが、これは、明らかに疲労のサインだ。

 

 それがわかればやることは一つ。


 トリカを、強制的にでも休ませる。


 きっとトリカは今、自分の燃えるような意欲に身を任せて働きまくっているのだろう。そうした感情に身を任せて働くのが悪いとは言わないが、トリカの場合やりすぎだ。いわゆる、オーバーワークというやつだろう。


 よって、勝手ながら俺からドクターストップを発令させてもらいます!


 俺がいる限り、トリカには決して無理はさせないぞ!



 俺は反省会の後、トリカの屋敷に泊まらせてもらい、明日の準備をしてから、就寝。


 次の日の朝。


 今俺は寝ているトリカのベッドルームへ侵入し、あるミッションをこなしてきた。


 その結果、今俺の腕の中には寝ているトリカがいる。


(よーし、トリカをさらうことに成功!)


 俺は起こさないように小声でつぶやきつつ、ロイヤルがいる一室へと向かう。


 そこでトリカが自然に目覚めるのをゆっくり待つ。


(それにしても、トリカってやっぱり可愛いなあ)(ちょっと悪戯してやろうかな?いやいや、今日はそういうのはダメだ)(あれだけ普段から頼もしいトリカも、寝顔はか弱い赤ちゃんみたいだ)


 腕の中で眠るトリカの寝顔を見ているだけだが、なんだかとても楽しい。


 内心で色々なことを考えながら待つこと数十分後、トリカが目を覚ました。


 目をゴシゴシさせながら、ゆっくり覚醒していくトリカ。


「おはよう~」


「おう、おはようトリカ」


 どこかいつもとは違うへなへなの声で挨拶をするトリカ。表情もいつもと違い、ほんのり力がない。寝起きということを考慮したとしても、目の輝きがいつもより暗い気がする。


 それに、今俺にさらわれ、腕の中にいるという変な状況なのにもかかわらず、特に変わった反応をしていない。


 うん。絶対にオーバーワークだ!だって、こんな油断した姿、いつもは絶対に見せてくれないもん!


 ブラック企業反対!社員に休息を!サービス残業撲滅!社員は機械じゃない!心があるんだ!


 …おっと、つい前世の自分が俺の脳内で抗議デモを始めてしまった。落ち着け俺。ついブラック企業アレルギーが出てしまった。


 俺が脳内でそんなことを考えているうちに、トリカは今の状況を把握したようだ。


「…あなたには、わたくしの弱い姿なんて見てほしくなかったわ」


 トリカは俺の腕の中で後悔するようにそう呟いた。さっきの力のない寝起きの反応を、弱い姿だと認識しているようだ。

 

 いやいや、戦士にだって休息は必要だ。だから、その寝起きの反応を弱さと思う必要なんてまったくないぞ。


 そういえば、夜にトリカと一緒に寝ても、朝はいつもトリカから先に起きてしまっていた。だから、トリカの無防備な寝顔や起き抜けの様子を日の明るいうちに見るのは初めてだ。


 俺はそれを朝起きるの速いなぁとしか思っていなかったが、トリカはどうやら寝起きを見られるのが嫌なタイプだったようだ。


「ふふ、ごめんな。でも、俺はトリカの寝起きの反応を見られて嬉しいよ」


 せっかく恋人になったんだ。今まで見たことのなかったトリカをそろそろ見せてくれてもいいだろ?


 そんなことを思いながら、俺はニッコニコの表情を浮かべて、トリカのサラサラの髪を撫でる。


 トリカの強い部分なんて、星の数ほど知っている。それに比べ、弱い部分はほぼ知らない。


 やっぱり、好きな人の事は隅から隅まで知りたいと思うのは普通だと思うんだよね。トリカには悪いが、そういう新たな一面が見られて、どうしたって心は弾んでしまうのだ。


「もう!そんなに嬉しそうな表情をされたら、怒れないじゃない。ほんとに、仕方ない人ね。じゃあ、今日だけ特別にわたくしの弱い部分を見せてあげるわ。感謝しなさい」


 言葉こと強気だが、いつもより声に力がない。少し照れも感じられる。


 はあ。


 …たまんなく愛おしい!可愛い!大好き!


 ヤバい!俺のナデナデする手がとまらない。とめたくない。


 でも、そろそろ事前の予定通り始めないとな。ああ名残惜しい。


 断腸の思いで気を取り直してっと。


「さあーて。今日はしっかりトリカには休んでもらうからな。俺の究極リラックスツアーの開催だ!」


 そう。今から俺がやるのは、俺プレゼンツ”究極のリラックスツアー”。丸一日かけてトリカを全力で休ませるという、ちょっとしたイベントだ。


 俺は昨日トリカに一日予定を開けておいてほしいと頼んでおいた。丸一日という言葉にを難色を示していたトリカだが、俺の必死の説得もあり、渋々ながらもなんとか了承の返事をもらっている。


 了承したということは、今日必ずしなければいけない仕事の予定などはないということだ。これで心置きなく今日一日かけて休ませることが出来る。


「ふふふ、楽しみね」


 トリカは腕の中で柔らかに微笑み、身体の力を抜き、全てを俺に任せた。


 ああ、このまま一生俺の腕の中にいてほしい…なんてな。


 まあ、そんなことは現実的ではないって分かっている。腕の中のトリカが愛くるしすぎて、ちょっとそう思ってしまっただけだ。

 

「さて、俺が考えてきたツアーのまず最初は、ふれあいタイムだ!」


 人は動物や人どうしのふれあいをするとリラックスできる。


 よって、今トリカが俺の腕の中で赤ちゃんのように抱っこされているのも、実はしっかり理にかなったリラックス法なのだ。


 トリカは見た目を妖精に改造しているので、背が小さい。俺の腕の中へすっぽり入り、ちょうど心臓の位置に頭がくる。


 人の心臓の音を聞くのもリラックスにはいいらしいので、このままの状態でしばらくいてもらおう。


 そして、俺が何故わざわざこの部屋へとさらってきたのかと言うと、ロイヤルにもリラックスに協力してもらうためだ。


 俺はロイヤルを手招きし、俺の肩に乗せる。そうすると、ロイヤルはトリカに聞かせるように、ゴロゴロと喉を鳴らしてくれた。


 ほんと、賢い子だ。俺がやってほしいと思っていたことを、率先してやってくれるとは。


 猫の喉のゴロゴロ音には、大きなリラックス効果があると科学的に証明されている。ありがとうロイヤル。助かるよ。


 俺はゆらゆらとゆりかごのように腕を揺らし、トントンと背中を一定のリズムでタップする。


 そうやっていると、トリカはもう一度寝てしまった。


 よしよし。勤勉なトリカは、普段は二度寝なんてしないだろう。たまには、まどろみに身を任せて寝るのも気持ちいいんだぞ?しっかり休んでくれよな。


次回予告:低レベルなマウント合戦!

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