表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
3章 他惑星とのつながり!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

87/176

土産選択!一人で色々考える!

読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。


 

 そんなふうに二日目をしっかり楽しみつつ、今日は三日目。この日は、いよいよトリカのライブだ。


 トリカのライブは昼からで、そのライブが終わった後、すぐに帰ることになっている。


 だから、それまでにお土産を買わないとな。


 ということで、俺は今ホテル内にあるお土産屋に来ている。トリカはライブの準備、セリはまだ寝ている、ウツギはギリギリまでグルメ旅をするために出ていった。つまり、今の俺は一人きりだ。


 せめてクスネを連れてこようと思ったが、残念なことにクスネもセリと一緒にまだぐっすり寝ていた。なんだかんだこの二日間クスネをずっと連れ回していたからな。疲れているのだろう。


 少し寂しいが、ゆっくり寝かせておいてあげよう。


「それにしても、お土産屋だけでも一日過ごせそうなくらい、いろんなサービスがやってるなぁ…」


 ただのお土産屋と侮るなかれ。正直俺はここがテーマパークだと言われても信じてしまうだろう。それくらい賑やかで、楽しそうな雰囲気がこの店にはただよっているのだ。


 まあでも、俺のお目当ては物品コーナーだ。そういうサービスなどで楽しんでいる暇はない。


「えっと…あっちは脳内に残る旅の記憶を読み取り、あなたの“理想の一瞬”を写真として再現してくれるサービス。あっちは過去の観光客の記録が見られるサービス、あっちは観光した人限定のクイズコーナー。あっちは…」


 やばい!どこも楽しそうだ!トリカのライブが始まるまでそこまで時間があるわけではないのに!あまり誘惑しないでくれ!


 色々なものに目移りしながら移動をしていると、ふと、とても見覚えのあるモノが目に入った。


「んん?…おいおい。なんだこれ!?」


 ある店内のおみやげコーナーの一角に、百本の白いバラの花束と紫のバラの花束が山のように積まれていた。


 これさあ…お前らならなにかわかるよな?


 …おっと、今は配信してないんだった。ついいつもの感じで視聴者に語りかけてしまったな。それくらい俺の中で配信が日常になってるってことだな。


 で、だ。これが何か分からないって人も、この商品紹介文を読むと少しピンとくるんじゃないかな?


【現在銀河的大ブーム!!男からの逆告白おままごとセット!この花束は、あのイカれた有名男性配信者のヒ◯キが実際に渡した花束を限りなく忠実に再現しています!状況再現エミュレーターとこの花束を組み合わせ、再現をもっとリアルに!実際に触って、匂いを嗅いで、より深く没入しよう!】


 他にも、現在大バズリ中!売れてます!早いもの勝ち!より良い推し活ライフを!などの沢山のポップが…

 

 うん。もう分かるよな?


 これは、俺がセリとトリカに逆告白した時の花束を再現したものだ。


 俺の影響力がこんな有名な惑星にまで轟いていて、嬉しいような恥ずかしいような…いや、やっぱ恥ずかしい気持ちが大きいわ。


 ちなみに状況再現エミュレーターとは、その名の通り色々な条件やシチュエーションをリアルに再現できる機械だ。今ではほぼ全ての女性が持っていると言っても過言じゃないくらい世の中に普及している。


 主な使われかたは性欲処理だ。リアルな男性を再現し、叶えることの出来ない自分の欲望をこれで擬似的に叶えている女性が多い。


 まあ、男性が貴重な宇宙だからね。こういうのが流行るのは自然の摂理だと言える。


 ちなみに俺もそれを買って理想の性欲処理ライフを過ごそうと思っていたが、しっかりセリに止められたという過去がある。


「それにしてもこの花束、再現度高すぎだろ」

 

 しかもこの花束はただ見た目を再現しただけではない。育て方や育った状況までできる限り再現しているらしい。


 俺が言うのも何だが、今どきそんなふうに手間ひまかけて花を育てるなんて、よほどの趣味人じゃないとやらない。普通は高度な技術を使い、もっと効率的に育てる。


 ちょっと、こんなのを売るのに多大な労力をかけすぎじゃないか?


 まあ、これが沢山売れたら、結果的に女性の皆が本物の花の魅力に触れる機会が増える。それでいいと無理やり割り切るしか無いか。


 いやあ…まさか、こんな遠く離れた場所で、こんな見覚えのあるものを見ることがあるとは思わなかったなあ…


 おっと、感慨にふけっている場合ではない。気を取り直して、さっさとお土産を買ってしまおう。


「ん?これは…美女による健康耳かきサービス!?なにそれやりたい!えっと…膝枕の柔らかさと美女の落ち着いた声で精神も健康に、ねぇ…そんなの、されたいに決まってるだろ!美女になら耳をめちゃくちゃにされたっていい!男っていうのはそんなもんだ!でも、時間が…なぜ俺はもっと早起きしてお土産屋に来なかったんだ!」


 そんなふうに泣く泣く楽しそうなサービスを提供している場所を見送りながら、お目当てのお土産コーナーへ向かう。


 この観光地は地域一丸となって健康を推しているので、お土産も健康に関連したものばかり。


 健康食品などだけではなく、健康マッサージ機、健康体操、健康武術、健康ミュージック、健康の歴史、自然と健康、健康指南書などなど…あまりに多種多様すぎて、目移りしてしまう。


 これだけあると、購買意欲が刺激され、あれもこれも買いたくなってしまう。


 おっ、ホテルで食べた健康茶や健康クッキーなんかもここで売ってるじゃん。


「案外、俺はこの観光地で暮らせるタイプの人間なのかもしれないな」


 なぜ突然そんなことを思ったのかというと、さっきから健康系のお土産が、どれもこれもやたら魅力的に見えてしまうからだ。健康、奥が深くて実に面白い。知れば知るほどハマっていく感じがする。


 将来もし俺が一人きりになってしまったら、ここで余生を過ごすのも悪くないかもしれないな。表の人間として楽しく過ごせそうだ。


 まあでも、住む場合には、表と裏などの問題点も聞いてしまっているからなあ…


 でもでも、なんだかんだ俺は表の人間に好印象を持っているし…


 多少裏の人間に対しての態度に問題があろうが、表の人間が観光客を凄く親切にしてくれているというのも事実だしな。観光客に親切にしてくれるっていうのは、やっぱり嬉しいものだ。


 そんなとりとめのないことをだらだら考えながら、楽しんでお土産屋を回っていたせいだろうか?


 目の前には、あまりに大量に購入してしまったお土産の数々。


「あれ?いつの間に!?」


 そんなあれもこれも買った覚えは…あるな。


 そういえば、ちょっとでも面白そうだと思ったものを、深く考えずに何でもかんでも手に取っていたな。


 まあ…あれだ。


 …自分を止められなかったんだ!仕方ないだろ!


 どうも、財布の紐が緩んでしまい、必要以上に散在してしまった。一人で回るんじゃなかったなぁ…


 さて、この目の前の山のようなお土産の数々、どうしようか?


 お土産は数人にしかあげる予定が無いので、本来ならこんなに買わなくてもよい。


 えーっと…ヨヒラと、俺の母と、セリの母と…それくらいしかあげる相手が思いつかないな。俺には親しい知り合いがそこまでいないからな。


 あれ?実は俺、友達が少ない?


 …いやいや、顔見知り自体は多いから!それに、大量の視聴者もいるから!友達が少ないなんてことな無いぞ!


 あれ?よくよく思い返してみれば、男として生まれたからか、なんだかんだ周りから愛されて育ってきた。だから、俺が過去に自分から積極的に仲良くなりに行った相手は、セリとトリカくらいしか思いつかないぞ?


 もしかして、俺ってコミュ症?まさか、前世からコミュニケーション能力が全然成長してない?


「いやいや…そんなまさか…」


 一旦浮かんできてしまったこの考えは、宇宙の隅にでも捨て置いて、気がつかなかったふりをしておこう。気の所為気の所為!しーらね!


 まあ、この大量のお土産は自分用ということで、この問題は解決!


 さて、なんだかんだ俺はこのお土産屋を軽く一周した。

 

 この観光地は健康だけではなく、超人工的自然というのも推しているので、植物関連のお土産もたくさんあるが、これは買わなかった。


 うん。節制してえらい!


 まあ、実際はただ単にこれらを買おうと一切思わなかっただけなのだが。


 どれもとても素敵な植物だったのに、何故食指が動かなかったのか?


 なんとなくだが、理由は分かっている。


 おそらく、これらを大量に買ってしまうと、俺達の住む惑星フルールの魅力が減ってしまうのだ。そう俺は直感的に感じた。


 なんというか、これを買って持ち帰ることは、完成された料理に大量にスパイスを加えるかのような、そんな愚かなことな気がするのだ。


 確かにここにある人工的な自然も、普通の植物ではありえないような魅力があり、とてもおもしろい。


 だが、棲み分けは大事だということだろう。


 きっと、フルールの自然とこれらの相性がよくないのだ。


 これが、トリカの言っていた俺達の惑星と自然の魅力の方向性が違うだけで、決して負けていないということだろうか?


 この三日目の今になってようやく、トリカが言っていたことを理解できた気がする。

 

 やっぱり、トリカの言うことには間違いがないな!トリカにはいつも俺の先で手を引っ張ってもらっている気がする。


「あ、やべ!もうすぐトリカのライブだ!のんびりしすぎた!」


 俺は急いでお土産屋を後にし、トリカのライブに向かうのだった。


次回予告:宇宙一可愛いトリカ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ