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貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
3章 他惑星とのつながり!

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人工自然!いろんな種類の森!

読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。



「よーし。配信再開!無事健康都市パナシアへ到着しました!いやぁ、現在の俺は本当は眠っているはずなのに、こうやって配信すらできるのって不思議だよな」


>配信再開ありがとう

>高次元バーチャルすげえええ!

>まじで現実と何も変わらないよな

>難しい仕組みはわからんから、私はもうワープしたって認識でいることにしてるぞwww


 この宇宙には一見して技術が理解不能なことが多々ある。そういう時は、自分の理解できるように脳内で勝手に変換し、シンプルに考えるのがおすすめだ。


 俺も現状はワープした認識でいる。それで何も問題ないからな。

 

「それにしても、思ったより健康押しが凄いな!ほら?今はトリカに続いてこのストリートの上を飛んでいるだけなんだけど、道中だけでもすごい数のスローガンが掲げられてるぞ?それに、出店とかサービスとかも健康系のものばっかだ!」


>この非日常感が病みつきになるんだよな

>よくここの住人はこれだけ健康に特化させられるわ…

>有名な観光地ってやっぱ凄いのな


【健康になりたいのならここに来い!】【健康は楽しい!】【健康は最高の娯楽】【ここらで一度、健康について考えてみませんか?】【健康都市パナシアの健康の歴史を知ろう!】【健康都市で子供を育てませんか?この都市はいつでも移住者を待っています!】


 これらは全部、俺が実際に目に入ったスローガンだ。どこを見ても健康健康。ものすごい徹底ぶりだ。こうまで魅力を押し付けてくれると、こっちとしてはわかりやすくてありがたいな。

 

 そんなワクワクしている俺に反して、健康を毛嫌いしているセリはもうすでにうんざり気味。


 興味のない人にとっては、この健康のゴリ押しは、押し売りの様に感じてしまうのだろうな。


 そんなセリでも、今から行く観光地は楽しめるとトリカは言っていたが、果たして…


「えっと、トリカが案内してくれているのは…”超人工自然の森”だっけ?超人工自然ってなんだろう?実はよく知らないんだよね」


 俺は近くにいたウツギに話しかける。


「超人工自然っていうのは名前の通り、全て人工的に作られた自然のことよ。今から行くのは、自然が自然のままじゃなくて、機械や人の手を徹底的にいれて管理された森ね。えーっと…この惑星グリードは大昔から現在に至るまで、人工的な自然を売りにしていました。よって、文化的・歴史的価値も備えている場所なのです。だって」


>ウツギさん電子パンフレットを大量に買ってて草

>誰よりも楽しむ気満々だなwww

>グルメガイドブックも大量に買ってあるのがウツギらしいwww

>この健康都市のグルメも食い尽くすつもりなんだろうなあ…


 どうやら、俺達が各種設定をしている間に買っていたらしい。なかなか思い切りの良い金遣いだ。


 俺もウツギが買ったパンフレットを斜め読みさせてもらう。


 ふむふむ、へぇ…なるほどなるほど。


 自然と健康と深いつながり、人工的だからこその魅力、こだわりまくった大規模な森…


 うーん…それがホントに凄いのかねぇ…


 今から行く超人工自然の森というところに関しては、俺は正直懐疑的(かいぎてき)な目を持っている。


 人工的に手を加えた観光地としての森よりも、俺の住む拠点周りの森のほうが素敵なんじゃないかなあ?


 ほら?手つかずの自然のほうが、なんとなく美しい感じがしない?手の入れられまくった自然って、なんかなぁ…


 俺達は自然が自然なままの、自然豊かな惑星フルールの光景を見慣れている。自然と関わりの薄い現代人なら楽しめても、俺達のようなある種目の肥えた観光客を満足させることが本当にできるのだろうか?


「さて、この超人口自然の森とやらのお手並み拝見といきましょうかね!まあ、俺達の惑星の自然のほうが素敵に決まってるがな!ガハハ!」


 ――そんなこんなで、超人口自然の森にたどり着き、数時間後。

  

「すげえええええ!この惑星の自然、全部がすげえ!」


 そこには大はしゃぎな俺の姿が。


>あなた、数時間前に俺達の惑星の自然のほうが凄いって言ってたの忘れたの?

>誰よりもルンルンな男

>うるせえよwww興奮しすぎだwww

>でも、確かにすげえな…インパクトから規模からして全てが凄い

>手のひらクルー


 いやだってねぇ…なんというか、自然でありながら、自然じゃないと言うか…


 ここの自然は、いとも簡単に俺の常識を壊してくるのだ。そんな驚きに満ちまくった森だ。


 そりゃ、こんなの見せられたら大騒ぎせざるを得ない。


 俺達が今さっきまで観光していたのは、空中から生える木でできた森。


 地面からだけではなく、どんな空間からでも木が生えていることにより、あまりに複雑怪奇な森となっていたのだ。


 そもそも地面から生えていないという衝撃もあったが、ライトアップされていたり、スモークが焚かれていたり、やたら格好いいカブトムシやクワガタのような虫がいたりと、演出にまでこだわりまくっていた。


 そんなことされたら、時間を忘れて見入ってしまうじゃないか!ふざけんな!もっとやれ!


 しかもこの観光地には、森の種類だけでも数十種類ある。空中から生える木でできた森も、数十種類ある森の中の一つでしか無い。それなのに数時間も楽しめるなんて、どの森も規模が大きいからだろうな。


 これは、すべての森を回るなんて無理だな。何日もかけて観光しないと、全てを楽しむのは不可能だな。

 

「もっと色々回りたいんだけど!聞いているだけで面白そうな森がたくさんありすぎて困る!時間が足りない!どうしよう!楽しいんだけど!」


「わんわん!はっ、はっ、はっ、はっ!」


>落ち着けwww

>あなたとクスネきゅんがはしゃぎすぎてうるさいのおもろいんだけどwww

>あなた、ここのスタッフに根掘り葉掘り質問しすぎて、ちょっと引かれてたよwww

>そんなあなたを見かねて、ウツギとモグちゃんは勝手にどっか飛んでいってグルメ旅してるし…

>トリカ様もガンガン先へ進もうとするし、あなたはいちいちうるさいし、セリさんはヒノキに背負われて寝てるし…

>コイツラそれぞれ協調性なさすぎだろwww


 今の俺は寝ているセリを背負い、同じく寝ている閣下を頭に乗せ、トリカに(ひも)付きの首輪をつけられ引っ張られている。


 冷静になると、なんだこの状況!?


 まあでも、こんなあまりに特徴的で目立つ真似をしても、変な一般人としか認識されていないはずだ。認識阻害がしっかり働いてくれているからな。そこは助かるわ。


 というかさあ、ウツギが別行動するのはまあいい。でも、セリとトリカ!もっと言うならセリ!せっかく高い金を出して観光地に来たのに、寝るのはどうかと思うぞ?


 というか、よく寝られたな?俺なんて興奮しすぎて、リラックスなんてまったく出来なかったぞ?


 まあでも、ここのスタッフさんによると、たまにそのように寝てしまう人もごく僅かにいるらしい。


 森って落ち着くからな。分からなくはないが…


 日差しが気持ちいいし、小鳥のさえずりや木々のざわざわとした音など、リラックスできるのも森の魅力の一つだからな。


 感じ方、感受性は人それぞれ。楽しみ方も人それぞれ。


「至福の惰眠を貪れそう…」


 と、俺の背中に身を預け、寝てしまったセリ。これもある種セリなりのこの森の楽しみ方なのかな?


「この健康都市の観光地は森だけじゃないですわ!どんどん次へ行きますわよ!せっかく有名な観光地へ来たのですから、良いところは全て分析して、わたくし達の惑星の観光業に活かせるように学ばせてもらわなくてはね。さあ、早く!」


「ええ!ちょっと待って!」


 まだまだ俺は行きたいところがあるのに!ほら?自然に大きく動く木を使ったアトラクションの森とか、全ての光を吸収するという特殊な黒い木の特性を活かした暗闇の森とか、色とりどりな葉を実らせる木を中心に、その木自体にも芸術家が一本一本絵を描いているアートの森とか、そっちも行かないか?


 あっ、駄目?森だけで一日が終わってしまうなんてあまりにもったいないから、また今度?


 仕方ない。確かに森だけで一日が終わるのはもったいないよな。


 他にも小鳥が歌い、柔らかい風が吹き、小さな川の流れが聞こえ、空気がとてもきれいな森で瞑想体験ができる森とか、全て食べられる木が生えている食欲の森とかも行きたかったが、今回は見送ろう。


 あ、分かったからそんなに引っ張らないで!俺は閣下を頭に乗せているから、そんなにテキパキと動けないんだ!そんなに早足で移動しないで!


 というか、今更だけど、そもそもトリカはなんで首輪なんて持ってきてるんだよ!絶対いらないだろ!

次回予告:どうやら都合の悪いことは聞こえないようだ

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