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貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
3章 他惑星とのつながり!

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新章開幕!他の惑星へレッツゴー!

読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。



「どうもー。誠実二股ムキムキイケメンのヒノキでーす。こちらでは梅雨が明け、夏真っ盛りな季節となっております」


「わん!」


>告知。な?何度も言わせるな

>今日も楽しみ

>クスネきゅんかわいい

>誠実二股???相反するような言葉を組み合わせるな

>トリカ様の電撃ライブって何!?旅行へ行くってどういうこと!?

>私の惑星に来て!


 うんうん。視聴者は混乱しているようだ。これは十中八九トリカの電撃発表のせいだ。


 トリカが詳細を言わず、中途半端に告知をしたので、俺の配信へ質問しに来たのだろう。

 

 まあ、答える義理もないし、俺はいつもどおりの配信をさせてもらう。というか、今日の配信を見れば全て理解できるだろう。大人しく待っておいてくれ。


「さて、今日はトリカに呼び出されているので、そろそろ行かなければいけない。けどその前に、今日の朝にスポンサー様が新しい衣装を送ってくれたので、急遽配信を撮りました」


>衣装チェンジきたあああ

>カフェ店員とはお別れか…悲しい

>今更だけどカフェ店員の格好似合ってたよ

>着てた時は一回も言わなかったけど、確かに似合ってた


 …なんでコイツラは今になってカフェ店員の格好を褒めるんですかねぇ。こいつら俺が服を変えても、エロいとは言うが、似合ってるとは全然言わないんだよね。もっと真っ向からシンプルに褒めろよ。エロいは褒め言葉じゃないぞ。


「あ、そういえば、今回の衣装は露出が少なめだからあんまり期待するなよ?」


 実は、スポンサー様は本来もっと露出の多い衣装を送る予定だったらしい。だが、以前俺があまり過激な格好はやめろと釘を刺したので、急遽違う衣装に変更されたという経緯がある。


 今回送られてくる予定だった衣装は、裸にワイシャツのみ。

 

 …うん、しっかり釘を刺しておいて良かった。


>お前にはエロしか期待してないんだぞ

>はーあ。つまんね。お前って人生と同じくらいつまらんわ

>そんなんだから、二股するんだよ。尻軽がよお

>やーい二股おとこ~だからお前は宣言通り恋人を一人に決められないんだよwww

>軟弱無力!優柔不断!意志薄弱!軽薄短小!


 こいつらほんとに…


 俺が前世の影響で恋人を一人に絞ることにこだわっていただけで、本来ならどんな恋愛しようと自由なはずだろ!

 

 ちょっと俺が考えを曲げただけで、ここぞとばかりせめてきやがって…


 今ではしっかり開き直っているとはいえ、ちょっとだけ俺に効くからその方向の攻め方はやめろ!


「…まあ、気を取り直して、さっさと着替えるか!新しい衣装は…こちら!」


 脳内のチップで衣装の変更を設定し、瞬く間に着替える。


>浴衣っぽいな。ちょっと違うけど

>青色が夏っぽくて良いね

>ほう…なかなか歴史のある服を選んだな

>確かに露出は少ないが…これはこれでえちちちち

>こういうえっちさもあるんですね!


 だからさあ!似合ってると言えよ!エロいは褒め言葉じゃないって!


「はい!新衣装は作務衣(さむえ)です。作務衣(さむえ)っていうのは、あれだ。すんごい昔、神職の人が着ていた作業服みたいなもんだ!夏らしくていいだろ?」


>へぇ…

>スポンサー様はよくそんなマイナーな服を知ってたな

>シンプルだけどシンプルゆえの良さみたいなのがあるよな

>脱がしやすそうでエロい

>胸元からガバっと脱がせてやりたい


 脳みそがピンクなコメントがやたらと目立つ。この作務衣(さむえ)、全然エロくないと思うんだけどなあ…


「この程度の露出の服でもお前らはエロいって言うんだったら、スポンサー様に口を出さなくてもよかったかもな」


>どんな服を着ようが無駄無駄あ!

>メスのの妄想力は無限大だから

>こっちは脳内で勝手に脱がせるから、どんな服を着たっていいよ

>例えお前が百枚の服を重ね着しようが、メスにとっては脳内で丸裸にするくらい朝飯前だからな

>まあ、それでも露出の多いことに越したことはないがな


「そういや、スポンサー様がいろんな企業と提携して、規模が大きくなったらしいぞ!服の売れ行きも好調らしい。いやぁ~俺の宣伝効果凄いわ!」


>お前が凄いんじゃなくてスポンサー様が頑張っただけだそ

>はいはい、すごいすごい

>積極的に宣伝してないくせに偉そうにするな

 

 相変わらず視聴者は俺に冷たい。一応俺貴重な男だよ?もっと俺のことをチヤホヤしてくれてもいいのに。


 …いやでも、今更コイツラにチヤホヤされたとしても気持ち悪い気がするな。もうどんな反応だろうとなんでも良いや。

 

「さて、新衣装もお披露目したし、今日のメインであるもう一つの”お披露目会”へ行くぞ!ということで、トリカの拠点へレッツゴー!クスネも来てくれ!」


「わん!」


 クスネの名前を呼ぶと、足元に駆け寄ってきた。よしよし。相変わらず宇宙一可愛いし、かしこいな。なでりなでり。


 十分クスネを撫でた後、俺はクスネを抱いて動き出す。


 地味に集合時間ギリギリだ。間に合いはするだろうが、ちょっと急がなければ。


 こういう時間がない時は宇宙船に乗っていくに限る。


 適当に視聴者と雑談しながら、トリカの拠点へ宇宙船で飛んでいく。


 なんだか、宇宙船にはいつも助けられてる気がするな…日課の筋トレの時に使うのはまだいいとして、急いでいるときや、食材の保存庫としても使うのはそろそろ控えないとな。


 ああ、一流のスローライファーへの道のりは、険しくも遠い。


 そんなしょうもないことを考えながら宇宙船に乗っていると、あっという間に目的地に到着。


「ふぅ…ギリギリ間に合った!ほんとにいつもありがとう宇宙船!」


 宇宙船を出て集合場所であるトリカの家に入ると、すでにヨヒラ以外の全員が部屋でくつろいでいた。どうやら俺が最後だったようだ。


 ヨヒラはなにか外せない所用があるらしく、今回は不参加だ。


 ヨヒラにしては珍しく、断りの返事をしていた時、かなり面倒そうな表情を浮かべていた。


 具体的な所要の内容は言えないとのことで教えてはくれなかったのだが、そのヨヒラの表情から、俺はヨヒラの身に何が起こっているかをなんとなく察することが出来た。


 おそらく、ヨヒラにはなにか外せない仕事があるのだろう。

 だって、あの時のヨヒラの目が、まるで「あなた達だけ楽しんでずるい!私も本当は参加したい!」と言っているかのようだったからな。


 いやぁ…あのときの表情は、最高に人間臭かったなぁ…


 まあ、そんなヨヒラに俺から言えることは一つだけだ。


 どんまい!ヨヒラ!お仕事頑張って!


「おまたせー」


 俺はこの会の主催者であるトリカに声をかける。


「さて、全員揃ったところで、早速お披露目会を始めましょうか。ついてきなさい」


 そう言うトリカにしたがって俺達が後に続こうとすると、何故か視聴者がセリやトリカを見てざわめき出した。


>なんかさあ…トリカ様とセリさん、キラキラしてない?

>あ、やっぱ気のせいじゃないよな?存在感が増してるというか、内包しているオーラが違うというか…

>冷静に見ると実際の見た目がキラキラしている訳では無いが、明らかに雰囲気が違うよな?なんだこれ?

>もしかして、男から愛されているっていうバフ?

>それだ!!


 それだ!!じゃねえよ!


 …と、とっさにツッコもうと思ったのだが、コメントの流れを見て急遽口をつぐむことに。


 だって、視聴者のほとんどがその意見に賛同しているからな。コメント欄は「納得!」「合点がいった!」などで溢れかえっている。


 正直俺には二人の雰囲気が変わったことなんて一切感じられない。


 え?俺の目って節穴なの?それとも、コイツラの感覚が鋭すぎるだけ?


 俺がそんな表情を浮かべていたことを視聴者が察したのか、コメントで説明してくれた。


 どうやら視聴者が感じているのは、同性の女同士だからこそ敏感に感じられる何か感覚的なものなのだそうだ


 男である俺には一生理解できない類の話らしい。


 なら、俺の目が節穴じゃないってことだよな?良かった良かった。


 もう一つ気になることがある。なんか、ちょくちょくコメントで「愛されバフ」という言葉が出てきているのだ。そんな言葉、俺は聞いたことがない。


 なにか造語の類なのかと思ったが、どうやらこれは正式に辞書にも登録されている言葉らしい。


 チップで調べると、


【女性が男性に熱烈に愛された時、通常以上の魅力や能力を発揮できる状態を指す表現。現実ではほぼ起こり得ず、架空の物語などでよく使われる】


 と出た。


 なんか、辞書の説明が少し物悲しい気がするのは気のせいか?


 この説明を読んで、俺は思わずこう思った。


 男ども!女性をもっと愛してやれよ!


次回予告:ヒノキ、名付け親となる

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