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貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
2章 再スタート!

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修行結果!ヒノキの子供時代!

読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。



「ういーす。ダンジョン踏破者ムキムキイケメンのヒノキでーす。一週間ぶりに配信します」


>告知してから配信しろ

>今日も楽しみ

>毎日暇だから休まず配信しろ

>毎秒配信しろ

>修行はもう良いの?

 

 この一週間、俺はひたすら一人でトレーニングしていた。


 リミッター解除についての理解も深まったし、パワーアップした体の動かし方にもある程度慣れた。


「本格的に修行するのは今日まで!これからはいつも通り筋トレをメインに鍛えていく感じだな。それにしてもリミッター解除って技術、筋トレの効率も爆上がりするのも助かるわ。何故今まで俺はこの技術を知らなかったんだ…くそう!」


 俺は普段から全身の筋肉を限界まで追い込み、しっかり栄養を取り、休み、また筋肉を限界まで追い込む…というサイクルを繰り返している。


 言葉にするととても単純だが、チップや高性能な道具などの力を借りて超効率的に行っているので、とても効果的なのだ。


 俺は筋トレの時間だけは、技術の大盤振る舞いを惜しみたくないタイプの人間だ。いくらスローライフをしていようが関係ない。そこは完全に割り切っているのだ。俺の人生において、筋トレだけは妥協しないと決めている。


 その筋トレのサイクルにリミッター解除という新しい技術を組み込むことによって、かかる時間を大幅に短縮することに成功。よって、より効率的に筋トレを行うことが出来るようになったというわけだ。


>まさかリミッター解除を知らない人間がいるなんてな…

>常識ですよ!

>リミッター解除もせずに闘技場で闘ってたとは思いもしなかった

>リミッター解除してるからそんなに力があるのだと思ってたわwww

>悲報。ヒノキ、素の筋肉だけで木を引っこ抜いていた

>リミッター解除については流石にもうしっかり理解してるよね?


「リミッター解除って要するにあれだろ?火事場の馬鹿力を意図的に引き起こす裏技だろ?」


 あのダンジョンから脱出した後、自分の体で実験したり、チップでリミッター解除のことについて調べたりしたので、今では一般人と同じ位か、それ以上の理解度があると自負している。


>間違ってはないけど…

>そんな一言で説明できるようなもんでもない

>認識が雑くて草

>大体合ってるのがなんかちょっとムカつくw


 ほら?大体合ってるってことは、全部合ってるってことなんだよ!


 …ん?なんか自分で言っておいてなんだが、気持ち悪い言い回しだな。まあ良いや。


 俺の調べた所によると、どうやら人間というのは自動的に力をセーブしてしまう生き物らしい。


 百パーセントの力を存分に発揮してしまうと、それだけで骨や筋肉が壊れる恐れがある。少なくとも、脳はそう認識しているらしい。


 そのため、普通に筋肉を使うだけでは、ポテンシャルをフルに発揮できないのだ。


「俺が普段から20%~30%しか力を発揮してなかったってこと、最初はそんな訳無いだろ!嘘乙!って思ってたわ」


 色々実験した結果、どうやらそれが本当っぽいということがわかり、かなり衝撃的だった。


 でも、それと同時に嬉しくもあった。


 だって、今までは俺が筋肉のポテンシャルを十分に発揮できていなかっただけで、筋肉は俺の想像以上にポテンシャルを持っていたということでもあるからな。


>私達もあなたがリミッター解除してないことに嘘乙!って思ったぞ!

>リミッター解除を知らないとか変な嘘つくなあと思ってたら、ほんとにいきなり強くなってびっくりしたわ

>しかも、初心者だから練度をあげる余地もあるしな。どんどん強くなるじゃん

>まだまだ浅い解除しか出来ないってことだもんな


 リミッター解除という技術には練度がある。深く解除する、浅く解除するという言われ方が一般的らしい。

 

 どうやら、チップにリミッター解除の命令を送っても、完全にそのリミッターが外れるわけではないらしいのだ。


 力の制限は、あくまで脳が安全装置としてやってくれている機能。危険なので、そんな簡単に制限は解除されない。


 要するにリミッター解除とは、チップの力を借りて、制限を無理やり緩める技術なのだ。


 だが、チップもバカじゃないので、何でもかんでも指示通りに制限を解除してくれるわけではない。チップが許してくれるのはある程度安全なレベルまでだ。


 俺が初めてリミッター解除を使ったときに突然1.5倍ほど強くなれたのは、通常時の1.5倍の力を出すくらいなら、身体にもそこまで影響はないとチップが判断したからだ。


 リミッター解除はチップのお許しが出ないと自由自在に使えない技術だが、それでも多少の無理や制限の緩和など、融通は効く。


 何度もリミッター解除を使い、身体をリミッター解除状態に慣れさせる。そうしていくと、チップも制限をどんどん緩めていってくれる。そうやって制限を緩めていくことを、練度を上げるというらしい。


「達人とかはリミッターを全解除して、常に本来の身体が持つ力の100%の力を発揮出来るらしいな」


>まあ、それは極端な例だけどな。参考にすべきではない

>なんか、チップの判断能力をわざと落としているらしいね。生活に支障をきたしそう

>全解除はおすすめしない。裏技みたいなもので、怪我のリスクが増えるからね

>怪我してもすぐに治せるから良いって考えなんだろうけどなあ…

>まあ、真似しようにも全解除には相当な年月がかかるらしいし、簡単に真似できないけどな


「まあ、俺もゆっくり練度をあげていくよ。怪我なんてしたくないしな。正直、いきなり1.5倍強くなっただけでも十分満足してるんだよ。正確には、二倍かな。初心者で練度が上がりやすかったから、今では素の力の二倍発揮できる。これ以上はなかなかすぐには練度が上がりそうにないけど、それだけで十分満足だ。あんまりやりすぎても怪我のリスクが上がるだけだしな」


 単純に考えれば、ちょっと一週間程修行しただけで二倍も強くなれたのだ。これ以上を望むのは流石に強欲だろう。


>まあ、そうだよな

>それが一番いいよ。個人のペースでやるのが一番。安全第一

>それ以上深く解除するのはどうしたって時間がかかる

>というか、スクールに通ってないのはなんでなの?虐待とかされてたのならこっちも動くが…

>セリさんもスクールに通って無いんだったよな?なんで?


「ああ。別に俺もセリも虐待されてたわけじゃないぞ。そこは安心してくれ。俺等は親にめちゃくちゃ愛されて育ったからな。俺がスクールに通っていなかった理由は秘密だ!ちょっとした俺の個人的なワガママだとでも思っておいてくれ!ちなみにセリがスクールに通っていなかった理由は特にないぞ。俺が通っていなかったから、一緒に通わなかったってだけだな」


 まあぶっちゃけ、俺がスクールに行かなかった理由なんて単純だ。俺に前世があったことが早々にセリにバレ、それが俺の母親にも伝わったことに原因がある。


 要するに、前世で学校に通っていたんだから、わざわざ今世でも通わなくてもよくね?という結論を母が下しただけだ。


 さらにいうと、スクールに通って常識的な教育を受けると、せっかくの前世があるという俺の特殊性が薄れる可能性があると母は考えたのだ。母は俺になんの面白みもない平凡な人間に育つことを求めなかった。前世があるという特殊性を活かし、常識外の自由な発想で、のびのびと育ってほしかったらしい。


 後ついでに言うと、俺の母が子供に教育するという体験をしてみたかったという理由もあったらしい。


 今の時代、人に何かを教えるということも娯楽となり得る。チップを頼れば大体のことは教えてくれるからな。


 だから、スクールには通っていなかったが、母から沢山のことを学んではいるのだ。

 

>え?気になる

>ちゃんと理由はあるのね

>セリさんwww

>スクールに通うのは良いことづくめなのに、行かないなんて信じられん

>じゃあ、ダイヤモンドエイジの時期は何してたの?


「別に特別なことはしてないぞ?午前中は自由に勉強して、夕方まで色々遊んで、夜は家族と過ごす。週に二日位は完全に休養日。そんなサイクルの生活だったな」


>思ったより普通だな

>でも勉強の時間がスクール生より相当多いかな?

>あなた、勉強なんて出来るの?一切勉強してこなかったと思ってたわ

>人生で一度も勉強してないバカじゃなかったのか…

>勉強しててそれ?


「うるせえな!確かに俺はセリと比べてかなり頭が悪かったけど、バカではないからな!」


>ばーかばーかwww

>勉強って楽しいよね

>あなたが勉強してるって聞いて意外だったわ

>スクールで全然勉強しなかったワイより絶対アホだろwww


 この宇宙では勉強も娯楽だ。


 脳内のチップによって、知識はいつでも、いくらでも得ることが出来る。だから、必ずしも知識的な勉強はしなくともよいのだ。


 まあ、最低限の社会のルールや常識などは例外で、スクールなどでもしっかり勉強させられるらしい。


 俺もスクールに通わない代わりに、一年ほどかけて母親にこの宇宙の社会のルールなどをしっかり教えられた。…常識などは最低限しか教えてもらえなかったが。


 母は研究者なので、常識を疑うことを大切にしている。だから俺にも常識を教えなかったのだろう。


 でも、リミッター解除くらいは教えてほしかったなぁ…


「あ、そうだ。この一週間でかなり強くなったから、やっとバカ恐竜を素手で倒せるようになったぞ!今までのバカ恐竜への挑戦の全てをまとめたものを動画として出すから、暇なら見てくれよな!」


>そういえば、毎日戦ってるって言ってたね

>サラッと凄いこと言うなぁ…

>あっさり言うな

>あんなデカいやつ、武器もなしによく倒せるよね…

>動画楽しみ!


 うん。視聴者への報告はこれくらいでいいかな。


「さて、一週間ぶりの配信なのに悪いが、今日は特別回だ。日常回を期待していた人はすまんな。今日はどうしてもやりたいことがあるんだ!」


>マジ顔だな

>真剣な顔珍しい

>なんだなんだ?なにするんだ?引退か?それは嫌だぞ


 今日のことを考えると、どうにも真剣な表情になってしまう。要するに緊張しているのだ。


 俺らしくないが、まあ今日くらいは許して欲しい。


 実は最近、というより俺が二人の恋人が出来てからずっと、俺の心の奥底ではもやもやしたものが存在していた。

 それを今日は解消しようと思う。


 ふぅー。


 とうとう、この日が来たか…


 いっぱい悩んだが、最近やっと結論が出たのだ。


 さて、あまりひっぱるのも視聴者に悪いな。さっさと今日やることを言ってしまおう。

 

 今日やること、それは…


「けじめをつけます!」

次回予告:2章最終話

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