第三階層!その2共闘の始まり!
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カウントダウンが終わった瞬間、地面が急に消えた。
え?
「うわああああ!」
重力に従い、勢いよく落下していく俺。怖い怖い怖い!
だが、思ったより早く地面にたどり着き、衝撃も軽かった。落下先の地面が衝撃吸収素材で出来ていたようだ。
あー怖かった。死ぬかと思った。
そんな俺を尻目に、空中浮遊しながらゆっくり落下してくるウツギ。ちょっとにやにやしている。
コイツ!この仕組みを知ってたな!それでいてわざと俺に伝えなかったのか!
「ぷぷぷのぷ~。あなたのリアクション。なかなかおもしろかったわよ。やっぱり男はダメね!軟弱だわ!ほら、あなた涙目じゃない」
「な、涙目じゃないし!ちょっとビビっただけだし!」
必死で強がる俺。
くそう。ウツギの余裕な表情がムカつく!
>ウツギも最初のリアクションは似たようなものだったよ
>二人共なかなかリアクションするね。芸人にならないか?
>自分が落下した時は凄い文句言ってたのに、ヒノキが落下した時はしっかり煽るウツギちょっと好き
…後でウツギの配信を見返して、目の前で嘲り笑ってやるからな!覚えてろよ!
一旦深呼吸し、気持ちを落ち着ける。
落ち着いて周りを見渡すと、どうやらこの場所は安全だということが分かった。休憩するのにちょうど良さそうだ。
「さて、ウツギ。色々聞きたいことがあるから、ここでゆっくり情報共有しよう!」
なんでここにいるのかとか、あの第三階層のこととか、気になって仕方がない。
「そうね。うちも一人じゃ手詰まりだったから、ちょうどいいわ。そろそろお腹も空いてきたしね」
そうしてウツギは大量の食材や料理をサイキックで取り寄せ、食べ始めた。
「あなたも食べ…」「食べる!!!」
言い終わる前に即答する俺。だって、ウツギの料理は凄くおいしいんだもん。食べる機会があるのなら、逃したくない。
照れくさそうに少し料理を分けてくれるウツギ。ありがてえ!
うん、相変わらず最高に美味しい。食べていてホッとするわ。俺が目指す理想の味付けだ。
俺達は食事をしながら、和やかに情報共有をした。
数十分後。
なかなか有意義な時間を過ごせた。
情報共有は思いの外すぐ終わったので、後半はほぼ作戦会議をすることになった。
なにせウツギがここにいる理由は単純。トリカのお願いだ。
ほら?ウツギはペット自慢大会で最下位を取っただろ?勝者には、最下位の人物になにかお願い事を叶えさせる権利がある。
そのお願いとして、このダンジョンに参加しろと言われたとのことだ。
ただ、ウツギでもこのダンジョンが予想以上にしんどかったらしく、何度かテレポートで地上に帰ってやろうとしたらしい。だが、それは出来なかったようだ。
抜け目のないトリカは、しっかりテレポート対策をしていたとのことだ。
まあ、封じられたのはダンジョン外へのテレポートだけ。それ以外のサイキックは普段通り使えたらしい。
それで仕方なく、ウツギも脱出のために俺とは別の第一階層、第二階層をクリアし、俺と共通の第三階層にたどり着いた。
第三階層に四回目の挑戦の最中、俺が現れて現在に至るとのことだ。
ウツギも共闘することは知らなかったらしく、俺が来て助かったとのことだ。
ちなみに視聴者によると、ウツギのダンジョンの難易度は、俺の十倍くらい高かったそうだ。そりゃ、きついよな。
それなのに俺より早くこの階層にたどり着くなんて…さすがはウツギだ。
そして、肝心な第三階層について。
あの時ちょうど全種類の敵が残っていたので、俺が見た以上の情報は無いらしい。
デカいオークが四体、ソルジャーとファイターが三体ずつの編成とのこと。
どの敵も肉弾戦が得意で、遠距離攻撃はほぼ効かない。ウツギは、サイキックで自分の身体を操り、なんとか肉弾戦で三体倒したらしい。
情報共有も終え、戦い方の方針もなんとなく決めた。
方針はシンプル。とにかく目の前の敵を殴る!それだけだ!
とりあえずこの方法で戦ってみて、これでクリアできないなら、また違う方法を試せば良い。
急にチームワーク抜群のコンビネーションプレイなんて俺達には無理だし、これくらい単純な戦い方が良いと結論付けたのだ。
そういう頭を使わない戦いなら大得意だ!
さて、大暴れしてやるぜ!
十分な休憩を取ったので、俺達は第三階層にもう一度チャレンジすることに。
「そこの階段を登ればすぐに第三階層へ行けるわよ。準備はいい?」
「もちろん!」
やりますか!
今回俺は事前に武器を持ってチャレンジすることにする。
いろいろな武器の中から俺が選んだのは、クソデカハンマー。
第一階層で色々試した結果、これが一番使いやすかった。何も考えず振り回すだけで効果的だからね。
俺は今とてもワクワクしている。
なにせ、ウツギとの本格的な共闘は初めてなのだ。かつては闘技場で敵として戦った強敵との共闘なんて、男の子ならどうしたって心が熱くなってしまうだろ?
…まあ実際には、そんなかっこいいシチュエーションではないけどな。確かにウツギは強いが、あのときのウツギは笑えるくらいヘナチョコだったしな。
そんなことを考えている間に、ウツギが扉を開けたので、俺も後ろからそれに続く。
俺達が第三階層に入ると同時に、天井に表示されている制限時間が進み始めた。
一秒も無駄にしたくないので、俺は敵に向かってダッシュ。ウツギはテレポートを用いて、一瞬で敵に近づく。
ウツギに向かって、十体のオーク達から攻撃が流れるように飛んでくる。それを全て華麗に避けるウツギ。
俺はほんの少し遅れて敵のもとにたどり着き、加勢する。
とりあえず、どでかいのを一発お見舞いしてやろう!
俺は目の前の敵にハンマーを力いっぱい振りかざす。
ヒット!オークファイターが少しよろけた!
攻撃直後の俺を、数匹のオークたちが攻撃してくる。
回避!
なかなかするどくて速い攻撃だが、十分躱せる!
よしよし!第二階層で何度も蜂の巣にされそうになった経験が活きている!明らかに今までより身のこなしが軽い!余裕余裕!
ターン制バトルのように、次はまた俺の攻撃!
とにかく目の前の敵をハンマーで全力でぶん殴る!
そうしたらまたオークたちから攻撃が飛んでくるので回避、そうしてまた殴る。これを繰り返すだけだ!
まあ、言葉にすると簡単だが、神経は結構使う。なにせ、相手の攻撃力が明らかに高いし、相手の隙も少ない。俺の攻撃も当たりはするが、クリーンヒットはしていない。
でもなんかこの階層、このダンジョンの中で一番楽しいぞ!第二階層での成長も目に見えて実感できるし、全力で攻撃し放題なのもいい!
鑑定でダメージを確認した結果、ビッグマグマオーク以外はクリーンヒットでなくとも、ハンマーで十発も殴れば倒せるダメージを与えられている。
防御が硬いビッグマグマオークには、その倍の二十発が必要だと分かった。
相手の攻撃も気をつけていれば避けられるし、こちらの攻撃も当たりはする。時間さえあれば、十分倒せる相手だ。
まあその時間が一番の問題なのだが…制限時間があるからか、のんびりと攻略はしてられないのだ。
俺達はしばらく事前に決めていた方針通り、各々が個人プレーで最大限の結果を引き出すことに集中して戦った。
次回予告:あなたって不登校なの?




