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貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
2章 再スタート!

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第二階層!その2。長い長い戦い

読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。



 俺は撤退しようと逃げ回る。だが、今回の敵は俺をそうやすやすと逃がしてはくれる気はないようだ。


 俺をロックオンしたトンボの集団が、執拗に俺を追いかけてくる。


 さらに、カブトムシも俺から十分距離をとった場所から、一定間隔でビームを撃ち続けてくる。


 やばいやばい!落ち着く暇すら無いぞ!


 とにかく、回避だ!走り回れ!そうだ!この障害物をうまく使って逃げよう!


 木や木の枝を遮蔽物としてうまく使い、なんとか敵から距離を取ろうと試みる。


 ちょっとづつ距離は開いていくものの、休憩をさせてくれる程の余裕はない!


 早急に対処法を考えなければ。


 コメントは…ダメだ!俺が爆風に被弾したことにより、コイツラは今脳みそがピンクに犯されてしまっている!相変わらず一切役に立たない!それどころか、俺を妨害しようとしてくる始末だ!


 非表示!


 走り回りながら、必死に脳を動かす。


 敵を観察し、試行錯誤し、なんとか攻略法を見つけるんだ!


 それなりの時間、ただただ俺は逃げ続けた。


 依然(いぜん)として攻略法は見えてこないが、一つ分かったことがある。


「これはあれだ!シューティングゲームだ!」


 敵の攻撃は二種類。カブトムシのビームは自機狙い、トンボの突撃は追尾型。


 カブトムシのビームはちょんよけすれば避けられる。


 トンボの突撃は障害物を上手く使えば対処できる。


 それに気づき、なんとなく攻撃パターンを理解した現状では、逃げるだけならギリギリなんとかなっている。


 だが、逃げるだけではダメだ。自爆して自然と撃破数が増えるトンボは良いとしても、カブトムシの数は逃げるだけでは増え続ける。ちょっとでも攻撃しなくては。


 俺も走りながら石を投げる、投げナイフを投げるなどの投擲攻撃などで対処しようとしてみたが、普通に回避されてしまった。あのカブトムシ、小さい上に、かなりのスピードがあるんだよね。


 まあ、仮に当たって倒せたとしても、カブトムシの数が多すぎてあまり効果的ではないだろうが。


 カブトムシ攻略に必要なのは遠距離範囲攻撃。だが、そんな攻撃方法、俺は持ち合わせていない。


 よって、俺が出来るカブトムシを沢山倒す方法は、なんとか近距離に持ち込んで、素早く攻撃するくらいしかないのだ。


 でも、逃げるだけで精一杯なのに、どうやって? 


 こうやって考えている間にも、敵の数はどんどん増えていく。


 そのせいでどんどん回避の難易度が上がり、トンボの爆風やカブトムシのビームをたまに被弾してしまう。


 減った体力を回復するため、走りながらポーションを飲む。


 このままではジリ貧だ。まだポーションがあるから良いが、ポーションが尽きた時、俺はあっという間に敗北するだろう。


「これは…究極奥義を使うしか無いな…」

 

 これだけは、使いたくなかった。


 今からやろうとしていることは、あまり美しい方法じゃない。天才でカリスマの俺には、似つかわしくない方法だ。

 

 俺の究極奥義…それは…


 突撃だ!!!


 脳死で突撃!もう玉砕覚悟だ!多少の被弾は仕方がない!


 服が透明になる?知らん!一旦そのことは考えない!


 そうと決まれば後は前に進むだけ。全力でカブトムシを追いかけるぞ!

 俺はとにかく我武者羅(がむしゃら)にカブトムシを追いかける。カブトムシは俺から常に一定の距離を取ろうとするが、俺のほうが少しだけ速い。どんどん追いついていく。


 カブトムシに向かって一直線に走り回っているおかげか、自然とトンボからは逃げられている。カブトムシのビームは何発か被弾してしまうが、それは割り切る!


 服がどんどん透明になっていくが、一旦無視!


 カブトムシにかなり近づいたので、生えている木の枝を利用してジャンプ!これでようやく、俺の射程圏内だ!


 俺は空中でカブトムシを複数体殴り飛ばす。


 無事ヒット!


 敵は思っていたより柔らかい。ありがたいことに、防御力はほぼないようだ。拳にかすっただけでも倒すことができた。


 俺はこのやり方を繰り返し、なんとか数十匹ほどカブトムシを倒せた。


 だが、カブトムシの数は増える一方。まだカブトムシが新たに出現するスピードのほうがちょっと速い。


 でも、現状俺にはこの倒し方しか思いつかない。だから、この動きをどんどん洗練させるしかないのだ。


 幸いにも、玉砕覚悟の突撃をして、新たに見えてきたこともある。


 この階層、武器なんて必要ない。身軽であればあるほど良いので、武器なんて持っていたら邪魔になってしまう。


 ただただ紙一重で敵の攻撃を回避して近づき、軽く攻撃する。クリアに必要なのはそれだけ。


 この階層は身のこなし方が全てなのだ。


「まあ、それが分かったところで、すぐに身のこなしなんてうまくならないんだけどな!っあぶね!うおっと。ふぅ。なんとか反射的にビームを避けたが…さっきの俺、偶然ダンスのステップを踏んでるみたいだったな!ダンスやってて良かった!」


 俺は意識してテンション高く軽口をたたく。もちろん、空元気だ。


 無理やりテンションを上げないと、心が折れそうになってしまうからな。


「もしかして、この階層は俺のダンススキルが活きるんじゃね?うお!あぶねー。間一髪だったわ」


 まあ、流石にそんなことはないか。ふざけるのもここまでにして、さっさと身のこなしを洗練させないとな。


 …いや?


 しょうもない考えかと一瞬思ったが、よく考えればダンスするように動くのは良いかもしれない!


 踊るように優雅に、時には大胆に。曲線的な動きと、直線的な動きの組み合わせ。


 ただそれだけではなく、地形を利用するのも大事になるだろう。


 あとは、ペース配分にも気をつけないと。なにせ、一万体も倒さなければいけないからな。いくらトンボが自爆してくれるとはいえ、倒す数が多すぎる。この戦いは長丁場になるだろう。


 やっと、俺のやるべき道筋がはっきりと見えた。これで、思考しながら身体を動かさずに済む。


 やることがわかればこっちのもんよ!俺はごちゃごちゃ考えながら動くのが下手くそだからな!


 よし!全神経を集中させて、頑張っていきますか!


―数時間後


 よしよし!やっと動きが洗練されてきた!ダンス作戦は成功だ!成長を実感できて楽しい!回避もうまくなり、カブトムシにも十分攻撃が当たるようになってきた!


 慣れてきたし、アクロバットな動きも取り入れてみようかな?


 いわゆる魅せプレイってやつだ!


 でも、流石に疲れてきたな…


――また数時間後


「…」


 死んだ目で、機械のようにただただ敵を処理していくヒノキ。


 この男、調子に乗ってアクロバティックな動きを取り入れた結果、完全に体力配分をミスったのだ。


 ただ、本人は気づいてはいないが、今のヒノキは戦闘において超効率的な動きを自然と取り入れている。


 疲れすぎたヒノキは、現在一切の思考をせず、少しでも疲労を抑えるために省エネで敵の対処をしている。


 その結果偶然にも、ヒノキの身体の筋肉から余計なこわばりが消え、体がどこも無理をしていない、ある種理想の状態となっているのだ。


 ―――そのまた更に数時間後


「あ゛あ゛あ゛あ゛めっちゃ疲れた!やっと終わった!」


 俺は最後の一体のカブトムシを握りつぶし、クタクタになりながらも、やっとのことで一万体を倒し終えた。 


 洞窟内の壁や天井の映像が消え、普通の洞窟に戻り、仮眠室と次の階層への扉、宝箱が出現した。


 あー。もう一歩も動きたくねぇ…しんどかった…

次回予告:何故お前がそこにいるんだ!

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