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貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
1章 毒女襲来!

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美麗巨湖!初めての狩り

読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。


 

 一時間ほど走り抜けると森を抜けた。


「なんとか森は抜けたな。さてさて、ここはどんな場所なのかな~」


 俺はあたりを見回す。


 そんな俺の目の前に広がっていたのは、素晴らしい光景だった。


「すげー……言葉を失うほど綺麗だ…」


 目の前には、どこまでも広がる湖。あまりに大きすぎて、俺の視界に映るものすべてが、静かな湖面に満たされていた。


 水が澄み、青々としている。湖に光が反射し、キラキラと輝いている。湖の中には、魚をはじめとするたくさんの生物が、自由に、のびのびと泳いでいるのが見て取れる。


 ああ…いいなぁ…心が洗われるようだ…


>確かにすごい綺麗

>ほえー…言葉を失ったわ

>水浴びしませんか?

>湖で水浴びするのってスローライフっぽいですよ!

>水浴びをおすすめします!さあ脱いで!さあ!

 

「こんなキレイな場所を見ても、お前らは浄化されないっと」


>当たり前だろ

>それことこれとは別なんだよなぁ

>すま◯こ

>こんな景色で浄化されるくらいの軽いこじらせ方じゃない。あまり私たち(メス)を見くびるなよ小僧


「夕方とか夜も、この湖の景色はきれいだろうなあ」


>たしかに

>いまは日が昇って明るいから水面が綺麗だけど、夜はどんなふうな景色なんだろう

>その惑星は天然の恒星が周りにあるタイプなのか。天然の光っていいなぁ

>人工恒星のほうがよくね?ワイの惑星は人工恒星だからそれしか知らんが


 人工恒星とは、人の手で作り出した太陽のようなものだ。


 初めてその言葉を聞いたときは、「そんなことまでできるのか」と驚いた記憶がある。太陽までつくっちゃう技術力、マジ凄い。


 ちなみに、この惑星の周りには前世で言う「太陽」と「月」のような惑星がある。


 惑星のサイズや、動植物、鉱石の構成などは全く違うが、前世の地球と共通している所もこの惑星には多い。

 

 例えば、朝昼夜の一日のサイクルなんかは前世の地球とほぼ同じだし、場所によっては四季があるというのも同じだ。


 俺が住んでいるここらへんにはしっかりと四季があり、今は春。季節の移ろいによってどんな風景になるかを見るのが楽しみだ。


「この湖の水、解析によるとそのまま飲めるみたいだから、ちょっと飲んでみますかね」


 俺は湖の水を両手ですくう。


 おっ、この水結構冷たいな。走って体も温まっているからありがたい。


「うまい!ただの水なのに馬鹿みたいにうまいぞ!」


>そんなまさか

>うまそうに飲まないで

>喉仏フェチの私大歓喜

>水なんて何飲んでも一緒でしょ

>水のちょっとの味の違いなんて、お前が分かるわけないだろ!


 確かに雰囲気で美味しく感じただけかもしれない。でも、実際美味しく感じたんだ。味の違いとか水の硬さとか、そういう細かいことは言いっこなしね。


「おっ、なんか動物が水飲みに来てる!」


 ふと二十メートルくらい先の方を見ると、頭に小さい木の生えた鹿のような動物が、湖に口を入れてのんびりと水を飲んでいた。


 あの鹿の頭に生えている木が、盆栽にしか見えない。よし、盆栽鹿と呼ぶことにしよう。


>あれは多分かなり珍しい生き物。生息数は少なかったはず

>あの鹿さん、頭の木が美しければ美しいほどモテるらしいぜ

>可愛い

>鹿さんごくごく


 どうやらあの盆栽鹿を解析すると、草食で臆病、逃げ足が早い動物で、肉が絶品らしい。


 肉が絶品ねえ…


 そういえば、最近肉食ってないな。


 …うん。狩ってみるか。初めての狩りには難易度的にもちょうどよさそうだ。


「よーし。いまからあの盆栽鹿を狩ります。グロ注意な」


>武器もないのにどうやって狩るんだ

>あ、こいつ筋肉で解決するつもりだwww

>弱肉強食怖いめぅ

>流石に無理じゃね?そこそこの大きさあるよ


 確かに狩り自体は初めての経験なのだが、おそらく成功するだろう。動物なんて大体首をへし折れば倒せるだろ。


 さらに、俺は闘技場で何度も何度も戦った経験があるので、今更戦いに躊躇することもない。


 抜き足差し足忍び足──そうやって、こっそりと盆栽鹿に近づいていった。


 …まあ、気配を完璧に消すなんて高度な芸当、俺にはできないので、盆栽鹿は俺の気配に当然のように気づいたのだが。


 盆栽鹿は嫌な予感を感じたのか、一目散に逃げていった。


「待て俺の肉!」


>肉扱いするなwww

>どっちも早い!

>がんばえー

>鹿さん逃げて!


 俺はきっとこういうときのために体を鍛えていたのだ。野生動物なんかに負けん!


 俺はみるみるうちに鹿に追いつき、飛びつくようにして捕まえる。


 盆栽鹿は見た目以上にすごい力で暴れるが、力比べなら負けない。こうなったらこっちのものだ。


「ふん!」


 俺は盆栽鹿の背中に乗るように回り込み、鮮やかに首をへし折る。


 盆栽鹿は首を折られた瞬間、一瞬で絶命した。


 ふぅ…任務完了っと。


>流石弱くても闘技場で戦ってただけのことはあるな

>鮮やかなお手並み

>やるじゃん

>ムラムラしました

>私も男に首をへし折られたい

>いや流石にそれは…


 さてと、じゃあ、食べるか。


>相変わらずのスルースキル

>だが実際の女相手にはスルースキルは発揮できない模様

>で、これからどうするの?

>火とか解体道具とか用意してなくない?


 …忘れてた!そういえば今は何の道具もない!なにか最低限の道具を作ってから探索すれば良かった。失敗失敗。


 もっとちゃんと準備してくるんだったなあ…完全に、準備不足だ。


 とはいえ、今さら言っても始まらない。せめて、ここに潤沢にある自然のものを使って、肉の処理とか最低限でもできればいいんだが…残念ながら、俺はまだサバイバル初心者だ。


 一応、サバイバルの基礎くらいは勉強したんだよ?つっても、火の付け方くらいなんだけどな。


 俺が覚えたのは、木の棒を回転させて火種を作る「きりもみ式」と呼ばれるやつだ。


 ただ、それをするには乾いた木が必要なのだが…


 どうやらここら周辺の素材は湿気を含んでいるようで、火をつけるのに適さない。さらにいえば、そもそも盆栽鹿の解体道具もない。


 うーん…詰んだ。お手上げだ。



 でも…それにしても腹減ったな…


 まあ、こうなったら、仕方ないかなあ…


 よし!ズルしよーと。腹が減ってるから仕方がないよな!


「皆さん少しだけ目をつぶっていてください。えー、ここにちょっとだけSCエネルギーがあります」


 SCエネルギーは電池のように持ち運ぶこともできる。配信するにも微量のSCエネルギーが必要なので、いつも携帯しているのだ。


>あっ

>こいつズルするつもりだwww

>やはり人はSCエネルギーなしに生きられないんだよなぁ

>まーたズルしてるよこいつ


 うるせぇうるせぇ!腹が減ってるんだから仕方ないだろ!俺は今すぐにでも肉が食べたいんだ!見て見ぬふりしろ!


 あ、そんなわけで、俺の脳内のチップ様。焚き火を頼みます。あ、ついでに解体もよろしく。そうだ!確かこの近くに岩塩とスパイスもあったはずだから、それでいい感じの味付けも頼んじゃおう!


 ということで、一切合切よろしく!


 すると、SCエネルギーとチップの力で、俺の目の前にみるみるうちに焚き火が組み上がり、肉も食べやすくきれいに解体されていく。


 ほんと、なんでもアリのSCエネルギー。便利すぎるだろこれ。

 

 これ無しでスローライフするって言ったやつ誰だよ。


 …まあ俺なんだけどさ。これで最後にするから!今日だけ、今日だけだから!

 

 ものの数秒で立派な焚き火ができ、盆栽鹿も食べやすいように全て解体された。肉はたくさんあるから、汚れないように葉っぱの上に置いておこう。


 よし!後は食べるだけだ!


 ぐぅぅー。


 どうやら俺のお腹も待ちきれないようだ。胃袋が早く肉をよこせと騒いでいる。


「いざ実食!いただきます!」


>ごくりんこ

>うまそう

>羨ましい

>おい私にもよこせ


 むしゃむしゃと、俺は骨付き肉にかぶりつく。


「うまい!!!」


 食感もちょうどいい硬さの肉で、肉の癖も少なく、油も少ないあっさり目な肉だ。ちょうどいい塩梅に塩とスパイスで味付けされていて、めちゃくちゃおいしい。


 塩と油とタンパク質が身体に染み渡っていくようだ!最高!星三つです!


>決めた!今日はタブレットに肉味を添加して食べる!それで肉を食べた気になるんだ…

>貧乏な私には肉なんて高級品買えないんだぞ!ずるい!

>うまそうに食べないで

>ずるいずるいずるいずるい


 貧乏人がなんか騒いどるわ。美味しい肉を味わいながら、優越感まで味わえるなんてラッキー!


ドシン!ドシン!


「ん?なんだ?」


 俺が夢中になって食べていると、なにやらでかい音が響いてきた。その音に合わせて、地面も振動している。


 これは…まるで足音のような…


 …って!足音だったらやばくないか!?かなりでかい音だぞ!


 嫌な予感を感じながらも、俺は勇気を出して足音が聞こえてくる後ろの方向に振り返った。


──そこには、でかすぎる生き物が、よだれを垂らしながら俺を見下ろしていた。


 例えるなら、三階建ての家くらいのサイズの迷彩柄をした恐竜?


 おそらく、肉の焼ける匂いにつられたのだろう。俺に向かって一直線に進んでくる。


「うん。あれは無理だな。どうやっても勝てない。と、いうことで…」


 俺は全速力で走り出す。


 急いで、逃げろー!


 くっそー!まだほとんど肉を食べていないのに!


>全速力で逃げるの草

>女にもうさぎにも、あのでかいやつからも逃げて…こいつ逃げてばっかだなwww

>流石にあれには勝てない

>アレの首をへし折るのは無理だwww

>ねえ?こういうときのためにSCエネルギーを残しとこうよ

>こんな緊急時でも肉は持てるだけ持って逃げるヒノキのみみっちさwww


 ほとんどの肉は持ちきれなかったので、やむを得ず置いて逃げた。


 すごく…ものすごく悔しいです。


 あの恐竜みたいなやつは、焼けた肉の匂いに夢中なのか、逃げる俺に見向きもしなかった。


 そのおかげで、思ったより簡単に逃げられたのは幸いだった。


 でもなあ…


 今頃あいつは俺の肉をむしゃむしゃと食らっているんだろう。そう考えると、(はらわた)が煮えたぎるほどムカつく!


 …よし!決めた!


 あの恐竜みたいなやつは、迷彩柄で隠れようとしているのに、デカすぎて隠れられていないから、「バカ恐竜」とでも名付けよう。


 え?名前に悪意があるって?もちろん、私怨が入っているに決まってるだろう。


 あのバカ恐竜には、いつか絶対リベンジする。食べ物の恨みは恐ろしいんだ。



「さてと、そろそろ今日の配信も終わりますかね。おつー」


>おつ

>おつかれー

>カツカレー

>今日も楽しかった

>今日もえちちな画像送りますね♡


 さて、俺が画像を見たかどうかは、想像に任せようと思う。

次回予告:アンドロイド様には俺の全てが通じない

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