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買物上手?アンドロイド登場!

読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。



「なんかA社から営業メールが来てました」


>いきなり始めるな

>配信ありがとう

>視聴者に挨拶くらいしろ

>A社ってあの?

>かなり珍しいね

>アンドロイドをつくってる会社か

>アンドロイド怖いアンドロイド怖いアンドロイド怖い


「私の所で暮らしているある一人のアンドロイドが君の生活に興味を持っている。だからアンドロイド買いませんか?って内容のメールだな」


>アンドロイドって相当高いんじゃなかったっけ?

>そもそも買えるものなの?

>噂ではまず庶民では決して買えない値段らしい

>お金があっても、アンドロイド自身が望まないとそもそも買う権利がない

>これ噂だけどアンドロイド自体がアンドロイドをつくってるらしいぜ

>アンドロイド様いつもありがとう


「最近ちょっと一人でさみしくなってきたから、即決で買うことにしました!そのおかげで全財産がなくなりました!」


>草

>もっと計画的にお金使え

>計画性のない男

>悲しいこと明るく言わないで

>さみしいなら私が夜の相手してあげますよ


「清楚でお淑やかなメイドが来るんだって。女性型だけど胸が平坦だから女性っぽくなく、ヒノキ様でも安心って書いてあったわ。確かに胸がないなら余裕だな!」


>A社にもチョロいことバレてるのかwww

>†宇宙一チョロい男†

>清楚でおしとやか…ねぇ…アンドロイドとはいえそんな女がこの宇宙に存在するとは思えん

>A社は都合の良い特徴しか伝えないことで有名

>A社のアンドロイドは… 

>あそこのアンドロイドは皆一癖あるっていう噂はよく聞くな

>果たして女性型アンドロイドなら手玉に取られ無いのだろうか…


「え?俺騙されてる感じ?」


>まあ嘘はついていないと思う。嘘はね

>おしとやか(当社比)

>清楚(当社比)

>アンドロイド怖いアンドロイド怖いアンドロイド怖い

>さっきからアンドロイド怖がってるやつ。絶対過去に悪い事したんだろうな

>アンドロイドは悪いやつを”ないない”してくれるので大好きです

 

 この宇宙でのアンドロイドというのは、ほぼ全ての面において人間よりも優れている存在だ。人間よりも身体能力と武力が凄まじく高い。


 そんなアンドロイドは、主に悪い人を懲らしめる警察のような仕事と、惑星の運営や政治などをしている存在として知られている。


 人間より優れているので、今どきどこの惑星でもトップはアンドロイドなのだ。


 人間じゃなくてアンドロイドがトップなんて問題ないの?と疑問に思う人もいるかもしれないが、全く問題はない。なんなら人間がトップの時の方が明らかに問題が多かったくらいだ。


 アンドロイドはどんなときも平等で、最善と思われる政治を行ってくれる。さらに、武力をもって治安維持までもしてくれている。人間にとってとてもありがたい存在なのだ。


 そんなもはや人間の上位互換のような存在のアンドロイドでも、苦手なことが1つある。


 それは、娯楽を生み出すことだ。その能力だけは人間に大きく劣る。


 だから、人間が娯楽を生み出し、アンドロイドが惑星の運営と治安維持をする。そうやってうまく手を取り合って暮らしているのだ。


「メールによると、もうすぐアンドロイドが来るはずなんだよな~いやぁ…こんな辺境の惑星にまで荷物を届けてくれるのありがたいわ」


>流石あの運送会社はどこでも届けてくれるな

>ワープ技術がないともう生きていける気がしない

>いつか人間もワープできるようになればいいのに

>人間を100%安全にワープするのは不可能だと結論が出ただろ

>法律でワープ禁止されてなければその惑星に行くのに…


 以前SCエネルギーがあればほとんど何だってできるといったが、できないことも少しだけある。


 それは、生きている生物を安全にワープさせることだ。


 SCエネルギーの力を持ってしても、0.1%未満の確率で生きている生物をワープさせると事故が起こることが分かっている。だから、人をワープさせたり、自分の意志でワープしたりするのは禁止されているのだ。


 もしその法律を破るとかなりの重罪となる。アンドロイドが地の果てまで追ってきて必ず捕まえにくるだろう。


 だが、その法律はアンドロイドには適用されない。何故なら、アンドロイドはスリープモードになることができ、その状態だと100%安全にワープすることができるからだ。


 だから、ここへ来るアンドロイドもワープで来るはずだ。


 いやぁ…どんな子が来るのかなあ…楽しみだなあ。


「清楚でお淑やかな女性ってまさに俺の理想なんだよね。一緒の惑星にたった二人だけで暮らすってもはや結婚生活と言っても過言じゃないよな?」


>過言です

>アンドロイドは原則として人間と結ばれることを望んでないよ

>こっちは全然アンドロイド相手でもいいのに!

>アンドロイドに片思いすると凄く辛いよ。一生片思い決定だから…

>それでも!いつか彼が私のことを好きになってくれると信じてる!

>アンドロイド沼いて草


 そんなふうに視聴者と雑談しながら待っていると、あっという間に到着時間になった。


 チャララララン♪ 荷物が届きます♪


 荷物の到着前のメロディーと電子音が鳴り響く。


 きたきた!待ちわびたぞ!


 ブオン。


 ワープ特有の音と共に煙が立ち込め、煙が晴れたところに現れたのは、一体の女性型アンドロイド。


「スリープモード解除。…お買い上げありがとうございます。あなたが購入者様ですね」


「は、はい!よろしくお願いします!」


>緊張してて草

>おおー私アンドロイド初めて見たわ

>メイド…一応メイド服かこれ?ちょっと派手だな

>なんかすごいもの持ってるんだけどwww


 そこにはメイド服?を着て、何故か大きな武器を背中に背負っている、美人なアンドロイドが立っていた。


 メイド服と言っても、上下が別れているタイプで、丈が上も下もやたら短いので露出が多い。お腹と太ももを露出しているからか、少しセクシーだ。


 見た目は黒髪ロング。うん、黒髪は前世で馴染んだ髪なので好きだ。背丈は160センチくらい。胸は言われていた通り平坦。これは俺にとってはとてもありがたいことなのだ。なぜなら、おっぱいは俺の天敵だから。あれには逆らえる気がしない。あれはもはや暴力だ。魅力の暴力。


 何故か背中に背負っているバカでかい武器がやたらと存在感を放っている。


 あれはなんだろうか?斧みたいな形状だが…ふむ、解析すると戦斧という武器らしい。何故今どきそんな古代の武器を持っているんだ?


 そのでかい戦斧のせいで、清楚さとかお淑やかさなどは感じないが…まあきっと見た目がそう見えるだけだろう。だって清楚でお淑やかとメールで書いてあったしな!


「私はヨヒラと申します」


「俺はヒノキ。よろしくな」


「買われたアンドロイドには、購入者様のお願いを1つだけ聞く義務があります。もちろん限度はありますが、基本的にどんな命令でも問題ありません」


>へぇ…そんな義務があるんだ

>アンドロイドを買う人なんてそうそういないから知らなかった

>男性アンドロイドにエッチな命令をしても良いんですか!


 俺もそんな義務があるとは知らなかったな。お願いねぇ…いきなり言われてもなぁ…そうだな、俺のスローライフのサポートでもしてもらおうかな。


「ですか、その前に…」


 何をお願いしようか考えていると、ヨヒラが俺の方にテクテク歩いて近づいてきた。そして、俺の体をペタペタと触ってくる。えっ?なになに!?今何が起こってるの!?


>男に許可なく触れるなんて凄い度胸だ

>私も触りたい

>普通一般の男に勝手に触るなんてことしたら激怒されるんだよなあ…

>触られてパニックになってて草なんだ


 そりゃ、女に弱い俺がこんな美人なアンドロイドに触れられて冷静でいられる訳無いだろ!いい加減にしろ!


 アンドロイドであるヨヒラの手は、女性的で柔らかった。しかもヨヒラからいい香りがふわっと漂ってくる。ジャスミンの花のような華やかで甘い香りだ。これは体臭なのだろうか?アンドロイドにも体臭があるんだな。


 ていうかさあ!このアンドロイドが作り物だとは思えないんだけど!ただの美人な女性でしか無い!


 ドキドキで頭が沸騰しそうだ。心臓が今にも破裂しそう。おそらく顔も真っ赤だろう。


「ふむ、心拍数が上昇していますね。頬も赤い。目もほのかに潤んでいますね…もしや御主人様。私に惚れましたか?」


 ドキューン!カーン!カーン!カーン!


 その言葉に俺は心臓を弓で撃ち抜かれたような錯覚を覚えた。更に頭の中で祝福の鐘が鳴っている。


 蠱惑的(こわくてき)に微笑みながら”私に惚れましたか?”なんて言われると、たとえそんな気がなかったとしても惚れてしまうだろ!ああ…好きだ!結婚して欲しい!


「俺と結婚してください!」


「もちろんお断りします。身の程をわきまえてください」


 しまった!脳内で思っていただけなのに!プロポーズの言葉の野郎が勝手に口から飛び出して行ってしまった!


>秒で惚れてて草

>相変わらずチョロすぎる

>結婚を申し込むスピードが早すぎるwww

>いつも男にフラれている私達の気持ちが分かったか?

>フラれてやんのwwwざまあwww


「私は少し認識を改めてもらおうと思っただけなのですが、どうやらご主人には刺激が強すぎたようですね」


「ん?認識を改めるとは?」


「ここに来る前、私は御主人様の配信を少しだけ拝見しておりました。その時、胸がない女性なら余裕といったようなことを言ったようですが…」


 俺を攻めるように言うヨヒラ。どうやらヨヒラは少し怒っているらしい。


「すみませんでした。大変失礼な発言でした」


「よろしい。女性の魅力というのは胸の大きさで決まるわけではありません。分かりましたね」


「ハイ」


>真っ先に説教されてて草

>フラれた上に説教までされてるwww

>相変わらず女に弱すぎる

>普通の男ならもっと強気にいくのに…

>いつまでも私達のカモでいて♡


「ちなみに、分かっていると思いますが、私達アンドロイドは人間との恋愛を望んでいません。なので、もし本当に私に惚れたのなら、一生惨めに片思いでもしておいてください」


>このアンドロイド。言葉が強いwww

>生殺しで草

>勝てない

>男と女が逆転してないか?

>格付け完了

>人間がアンドロイドに勝てるわけ無いだろ!


 なあ、このアンドロイドに清楚でお淑やかな要素あるの?話が違うんだけど!


 うん、今日改めて認識したわ。この世界で清楚でお淑やかな女性なんてそうそういない。


 心に刻んでおこう。

次回予告:アンドロイドみたいな善良な存在にカモにされる男なんているわけないよなあ!?

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