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貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
2章 再スタート!

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大会開催!ヨヒラの誕生日会その2

読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。



「では、この部屋を片付けますので、少々お待ちを」


 トリカが指を高くあげ、パチンと鳴らす。


 すると、戦闘でごちゃごちゃになった部屋が、あっと言う間に元通りになった。


 おおー、すげー。


 トリカの家には数え切れないほどの便利機能があるらしい。これもその中の一つなのだろう。


「さて、じゃあ気を取り直して、プレゼントタイムといこうか!」


 今回、俺は絵を描いてきた。


 ヨヒラとキュキュが笑顔で戯れている絵だ。


 この絵を描くために、俺は自然の木や花などの植物から、なんとか塗料を作り出した。


 木を煮出したり、花を乾燥させてみたり、花びらをすりつぶしたりと、何度も試行錯誤してできた塗料だ。

 

 塗料の出来が安定していないので、なかなか独特な色使いの絵となってしまった。


 うまく言い換えれば、なかなか味のある絵になったと思う。


 そしてこの絵には、たくさんの花びらをくっつけて装飾してある。


 額縁も下手くそながら、ナイフでなんとか頑張って作った。


 ちなみに俺の絵の実力はほどほど。上手くもなければ下手でもない。


 でも、俺が出せる全力は出したつもりだ。

 

 そして、セリは近くの森で採取したメープルシロップ。閣下がSCエネルギーを使い、採取から毒抜きまで行い、セリがラッピングしたものらしい。


 閣下、相変わらず凄いな。

 

 トリカは酒。今回は様々なカクテルの詰め合わせだ。パッケージや瓶の見た目から、お高いカクテルだと容易に想像できる。


 ウツギは手作りのレイピアを作ってきた。


 どうやらウツギは拠点でよく鍛冶を行っているらしい。


 鍛冶はサイキックを鍛えるのにちょうどいいとのことだ。


 そのレイピアは、見た目に派手さなどの飾り気はないが、シンプルゆえの美しさがある。

 

 美術品のつもりでつくったらしいが、実際にも使えるらしい。


「皆様。ありがとうございます」


 ヨヒラが丁寧にお礼をする。


 表情こそあまり動いていないが、いつもよりも少しだけ声が弾んでいる。きっと喜んでくれているのだろう。


 その後は、ウツギが作ってきた料理と、旬のブルーベリーをふんだんに使った誕生日ケーキを振る舞い、トリカがバースデーソングを歌う、いわゆる王道の誕生日会を過ごした。


 みんなのペットまでこの部屋に大集合していたからか、想像よりも大騒ぎな会となってしまった。


 なんとなく、ペットたちもヨヒラを祝っている雰囲気を感じ取っていたのか、それぞれのできるやり方でヨヒラを祝っていた。


 ちなみに、ウチのクスネは例外だ。ただただ好奇心の赴くままに動き、いろいろな人やペットたちに相手をしてもらっていた。


 …うちの相棒、ちょっとだけ他のペットよりおバカなのかもしれない。


 まあ、実際は他のペットたちが賢すぎるだけだ。ウチの相棒も十分賢いと俺は思っている。


 それに、状況をあまり理解していないからこその盛り上げ方もある。


 バースデーソング中の時、おめでたい雰囲気に当てられたクスネは、部屋を跳ね回るように全力で走り回り、存分に場を盛り上げてくれたのだ。


 空気を一切読まずに走り回るなんて、無邪気なクスネにしかできない芸当だろう。


 ヨヒラも、そんなクスネを見て微笑んでいたしな。


「さて、王道の誕生日会はここまで!ここからはヨヒラにも参加してもらうからな!全力で楽しんでくれよ!」


「ええ。事前に聞かされておりましたので、承知しております」

 

 ケーキを食べて一休みもしたので、俺達は各々ペットを連れて外に出る。


 最近はすっかり梅雨のような季節で、大雨が続いていた。今日も相変わらず大雨だ。


 ジメジメしていて苦手な人の多い梅雨だが、俺は好きだ


 なぜなら俺の一番好きな花、紫陽花(あじさい)の季節でもあるからだ。


 まあ、現状俺の探索範囲内では、紫陽花は咲いていないんだけどね。


 きっと、まだ見ぬどこかでひっそりと咲いているだろう。


 もっと探索範囲を増やして、来年には紫陽花を見つけたいな。


 さて、本来ならトリカの住むこの場所は風が強く吹く土地だ。今は大雨も降っているので、普通ならこんな場所で過ごすことはできない。


 だが、今俺達がいるこの場所は、風や雨が吹き荒れていない。地面までカラッカラに乾いている。


 これも全て、高度な技術のおかげだ。今どきは高度な技術を使えば、自然の脅威なんてあっさり対処できるのだ。


 トリカはそういった技術を使うことを惜しまない。


 トリカの持っている機械によってここら一体にバリアが張られ、雨や風をシャットアウトしているのだ。

 

 濡れた地面も、機械を使って一瞬で乾かしたらしい。


 俺はスローライフ中なので高度な技術を使うのは自ら控えているが、実際に便利に使っているところをこうも目の当たりにすると、今更ながらちょっとだけ羨ましくなってしまう。


「じゃあトリカ。そろそろ始めようぜ!進行は頼んだ!」


「そうですわね。では、早速始めましょうか。コホン。…今から、ペット自慢大会の開催を宣言しますわ!」


 ドーン!


 トリカの後ろで爆発音と煙が上がる。


 これが俺達と視聴者で考えた作戦。”ペット自慢大会”


 自然と生物が好きなヨヒラなら、この大会は楽しめると思ったのだ。


 それに今現在、俺達全員がペットを飼っている。


 それを自慢し合おうという大会である。


「ルールは単純。自分の飼っているペットをアピールするだけ!大会なので、順位もしっかりつけるわ!評価基準はどのペットが一番魅力的だったか。それだけよ!審査員はヒノキの視聴者たちにアンケートを取って順位をつけるわ!以上!」


 トリカはルール説明を終えると、ここまででなにか質問はある?と確認し、誰も手が上がらないことも確認した。


 今まではどちらかと言うと視聴者に説明していた。なにせ俺達は全員参加者。ルールは勿論理解している。


 だが、ここで急にトリカが俺達に体を向け、挑戦的な表情を浮かべた。


「でも、ヒノキが企画したこの大会。大会と名乗っているのにもかかわらず、優勝しても賞金の一つも出ないのよ。それじゃあ面白くないと思って、わたくしが独断で賞金と報酬を用意したわ!なんと!優勝者にはこれらが授与されますわ!」


 え?マジか!


 これはいいサプライズだ!もともとやる気満々だったが、ますますモチベーションが湧いてきた!


 トリカが空中にブオンとモニターを出し、大きく報酬一覧を表示させた。


・賞金

・クリスタルトロフィー

・スペースまんじゅう

・スペースカウのシャトーブリアン一キロ

・最下位に対して、一つだけお願いをする権利


 なるほど、なるほど…


 めっちゃ豪華だな。


 まず、賞金とクリスタルトロフィー。名前の通り、お金とトロフィーだ。賞金を詳細表示すると、具体的な額が表示された。


 …うん。もうこれだけでいいのでは?というくらいの凄い額だ。具体的には言わないが、まあ、俺の所有している宇宙船が買えてしまう額ではある。


 次に、スペースまんじゅう。これは、【贈り物でもらったら嬉しいスイーツランキング】の一位の商品だ。


 まんじゅうとしてはかなり強気な値段にもかかわらず、常に品薄で、そもそも買うことが困難らしい。


 最近セリはその評判を聞いて購入しようとしたが、予約しかできず、その予約も二年待ちだったと以前話していた。


 そのせいか、セリの目にやる気がみなぎった。どうしても食べたいらしい。


 次に、スペースカウのシャトーブリアン。


 これは超有名な品種の牛で、超有名なブランド牛だ。値段はべらぼうに高い。それを一キロって、太っ腹すぎる…


 もちろん食べたことはないが、きっと味は絶品なのだろう。ウツギなんて文字を見ただけなのに、よだれを垂らしている。なぜか文字の読めないはずのモグちゃんまでつられてよだれを垂らしているのは謎だが…


 で、だ。最後の報酬。これが厄介だ。


 最下位に対して、一つだけお願いをする権利。


 こんなのがあるなら、絶対に最下位だけは避けたいな。


 なんでもお願いを聞くなんて、ろくなことにならないだろう。なにせ、お願いするのがコイツラなのだ。


 この中で比較的マシなお願いをしそうなのは、ヨヒラくらい。


 だから、なんとかヨヒラか俺かで一位を取らなければ!


 …それが無理でも、なんとか最下位だけは回避しよう。


 クスネ。頼むぞ!全力で一位を取りに行こう!


「賞金を用意したのはわたくしだけど、わたくしはあなた達に一位を取らせるつもりなんてさらさらないわよ!本気で潰しに行くから、覚悟しておきなさい!」


 トリカが司会者にも関わらず、宣戦布告してきた。


 これでトリカが勝ってしまったら、トリカは実質なんの痛手もなく、誰かにお願いをする権利を得るだけとなってしまう。


 なんとかトリカの優勝だけは阻止したいな。

次回予告:全員魅力的なんだからさ、順位とかもうどうでも良くない?

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