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貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
2章 再スタート!

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誕生日会!ウツギの誕生日パート4

読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。



「ウツギ様は、この惑星にも自分の居場所が無いのではないかと悩んでいたようですよ。モグちゃんとの出会いのときの配信で言っておりました」


 ケーキを切り分けて戻ってきたヨヒラによって、あっさりとウツギの秘密がバラされた。


 ナイス!よくやった!ヨヒラ!


「ああ!言わないでほしかったのに!恥ずかしい…」


 顔を手で隠し恥ずかしがるウツギ。そうか。寂しがっていたのか…それがバレるのが恥ずかしいから、モグちゃんとの出会いの詳細を口止めしていたのだな。


 少しすると開き直ったウツギが堂々と口を開く。


「…そうよ!ちょっとだけ寂しかったのよ!一人で食事するのも寂しかったし、あんたたちが所構わずイチャイチャしているから、独り身のうちが際立つようで、無性に寂しかったの!!だから、うちに気を使ってイチャイチャするのを控えなさい!」


「「いや(よ)」」


 即答する俺の恋人ーず。


「まあ、そうよね…分かっていたけども…はぁ」


 ため息を吐くウツギ。


「まあ良いわ。今はモグちゃんもいるし、これだけ歓迎されているってことが伝わったからね。寂しくなったらちょくちょく遊びに行くことにするわ。…それより、ケーキよケーキ!楽しみだわ!」


 うん。それがいいね。せっかくテレポートができるのだ。用がなくとも遊びに来てくれ!


 俺たちは切り分けられたケーキを食べる。ウツギのケーキはかなり大きく切り分けられている。


 相変わらず絶品だ。すんごいうまい!珍しい卵のおかげか、スポンジ部分が特においしい。


 もうお腹いっぱいなのに、ぺろりと平らげてしまった。


 はあー食った食った。


 いつもは腹八分目で抑えているので、これだけお腹いっぱいまで食べたのは久しぶりだ。めちゃくちゃ満足したわ。


 さて、みんな食べ終わったな。


 結構なケーキの量があったが、全員ぺろりと平らげた。


 世界が変わっても、女が甘いもの好きというのは変わらないらしい。まあ、男も甘いものは好きなんだけどね。


「「「ごちそうさまでした!」」」


 そういえば、今日の料理の材料って、全てこの惑星で採れるものなんだよな?


 食事には見たこともないような食材がいっぱいあったし、ケーキには全く知らない果実やまだ出会っていない果実などがたくさん使われていた。しかも、全てがおいしかった。


 だからだろうな、俺もこの惑星にある食材を全て食べつくしたい、ウツギと同じくそう思ってしまった。


 こんなふうに思えたのも、ヨヒラが美味しい料理を作ってくれたおかげだ。ありがとう、ヨヒラ。ヨヒラのおかげで、俺とウツギに新しい夢ができたよ。


「さて、あとは余興の時間だ!俺はこの日のためにちょっとした芸を覚えてきたから、見てくれ!」


 今から俺がやるのはスタイリッシュ棒術とファイヤーショーの組み合わせ。


 名前でなんとなく分かる通り、燃える丸太を使い、スタイリッシュな棒術を披露するつもりだ。


 俺は外に出て、丸太を準備し、両端を燃やす。油を事前に染み込ませておいたので、なかなかデカい炎だ。


 準備ができたのでみんなを外に呼び、燃える丸太を使ったスタイリッシュ棒術を披露する。


 ミュージックスタート!


「ほっ!…はっ!…よっと!」


 デカい丸太をくるくると空中で回したり、丸太を空中に投げてキャッチしたり、アクロバティックな動きをしながら丸太をいのままに操る。


 最後には丸太を思い切りぶん殴り、真っ二つに割って終了だ!


 結構練習したんだぞ?どう?


「…うん。まあ…ありがとう。気持ちは嬉しいわ」


 何故か苦笑いのウツギ。


 あれ?反応が悪いな?思っていた反応と違う。もっと凄い凄いと称賛される予定だったのだが…


 俺が不思議に思っていると、トリカが俺の今披露した芸についてバッサリ切り捨ててくる。


「ウツギが言いにくそうだから代わりに言ってあげるわ。あなた、こういう火を使ったことやるなら夜にやりなさい。それにこれ、わざわざ丸太にする必要あったの?木がデカいせいで、あんまりスタイリッシュさはなかったわよ。次からは普通の棒でやりなさい。分かったわね?」


「あ、はい」


 ちょっと失敗してしまったようだ。棒なんてデカければデカいほど良いかなぁと思っていたが、そうではなかったらしい。


 …よく考えたらそりゃそうか。


 さて、俺のせいでなんとも微妙な空気になってしまった。


 どうしようかと悩んでいたら、俺の代わりにセリが沈黙を破ってくれた。


「気を取り直して、僕はちょっとした占いの書を持ってきたよ。余興なんてこれぐらいが良いと思ってね」


「あら?これはちょっと面白そうね」


 セリが持ってきたのはとても分厚い本。この本の使い方は、目をつぶり、適当にパラパラと本を開くだけ。そこに書いてあることが占いの結果だ。


「じゃあ、早速やりましょうか。うち、意外とこういうの好きなのよね」

 

 ウツギが目をつぶり、パラパラとページを適当にめくる。


「ここ!さて、何が書いてあるのか…」


【あなたはまだまだ成長する。闘争心を忘れないで】


「忘れてないわよ!!」


 おもわずツッコむウツギ。


 突然、ヨヒラが異を唱えるように口を挟む。


「おそらくですが、この闘争心というのは、恋愛においてのことではないのでしょうか?少しでも御主人様に気があるのなら、アタックしてみても良いのでは?(その方が面白くなりそうですし…)」


 最後に言った小声の言葉は聞き取れなかったが、どうせろくなことではないのだろう。


 だって、ニタニタしてるし…


 というか、もう俺は恋人が二人いてキャパオーバーなのだ。ウツギは魅力的だが、あんまり積極的にならないで欲しいというのが本音だ。


 自分で言うのも何だが、俺はまだまだ女に弱い。


 それでも、なるべくなら誠実な男でありたいのだ。なんだか複数人を見境なく愛するのって、軽い男みたいで嫌だしな。


「ふふ、そうね、うちもヒノキの反応のおかげで少しだけ女としての自信がついたことだし、あなたを誘惑してやるのも悪くないかもね!」


 今日一番のキレイな笑顔を見せるウツギ。まるで花が咲いたような笑顔だ


 その笑顔を見た俺は、かつて無いほどドキッとしてしまった。


 やべえな俺。見境なしか?


 恋人が出来たんだから、もっとしっかりしないと。


 そんな反応に気を良くしたウツギは、軍服の上着のジッパーをゆっくりとおろしていく。


 じーっ…


 ジッパーを下ろすときの小さい音が、何故か鮮明に聞こえてくる。


 ゴクリ。


 思わず喉がなる。


 見てはいけないと分かっているのに、目が離せない。


 すると突然、俺の目の前が真っ暗になった。どうやら、手で目を覆われたようだ。


「誕生日だからってあまり調子に乗らないことね。わたくしに勝てると思って?」


「そうだね。ヒノキは僕のものだからね。絶対に渡さないよ」

 

 すかさず牽制する二人。笑うヨヒラ。


 そんなことより、目で覆われている手の力がやたら強い!痛い痛い!ごめんって!俺が悪かった!だから許して!


 そうして無事?ウツギの誕生日会は終わった。



 この日から、ウツギはセクシーに軍服を着こなすようになった。なにか心境の変化があったのだろう。


 嬉しいような、目に毒すぎて怖いような…


 さて、実はこの誕生日から十日後は、ヨヒラの誕生日だ。


 製造された日から十八年目となるらしい。


 …ということは、今は十七歳ってことだ。前世で言うとまだ未成年。若い!


 ヨヒラってやたら貫禄があるし、正直そんなに若いとは思わなかった。


 アンドロイドって大人の姿で製造され、見た目も劣化しないから、人間以上に見た目で年齢がわからないんだよね。


 …ん?いまふと思ったが、俺ってそんな未成年の女性に、初対面で結婚を申し込んだよな?それって前世なら犯罪…


 うん。気にしないことにしよう。前世は前世だ。


 ちなみに、ヨヒラにもサプライズパーティーをしようとしたが、隠れて色々進めていたことが、ヨヒラにはあっさりバレた。


 それに、アンドロイドに誕生日会など不要とまで言われてしまった。アンドロイドには誕生日を祝うという文化があまり無いらしい。


 それでも、どうしてもヨヒラの誕生日会をやりたいと俺が言うと、ヨヒラは、


「ならば、私を存分に楽しませてください。…御主人様には無理でしょうけどね」


 と、上から目線で挑発される始末だ。


 さて、色々準備してはいるが、どうなることやら…

次回予告:敵が強すぎるタイプのクソゲー

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