表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
2章 再スタート!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/174

興味津々!イマドキの子は繊細?

読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。



「クスネが盆栽鹿の足置きマットを気に入ってしまったので、新しく盆栽鹿を狩りに行きますか」


 今日もクスネは足置きマットの上でくつろいでいる。とても気に入っているので、退()く気はあまりないようだ。


>でもあいつら隠れるの上手いよ

>見つけられるの?

>なんか、作戦がありそうな顔してるな…あなたの表情がわかり易すぎる


 うん。正解!


「勘の良い視聴者の言う通り、今回は秘策があります!その秘策とは…」


 少し間を開け、クスネをだっこして視聴者に見せつけながら秘策を発表する。


「題して、”クスネの嗅覚を頼ろう作戦”です!」


「わん!」


 クスネが俺に任せろとでも言うように吠える。


 クスネは人間よりも嗅覚がいい。しかも、もともとクスネは隠れるのが上手い種類の犬だ。さらにさらに、クスネが盆栽鹿の革が気に入っている。そんなクスネならば、俺よりも盆栽鹿を探す能力があるのではないか?と推察したのだ。


>わんこ頼りかいwww

>クスネくん可愛いけど頼れるかと言うと別問題と言うか…

>心配だなあ…


 大丈夫大丈夫!クスネはやればできる子だ!視聴者は信じていなくとも、俺は信じている。なにせ親友だしな!


「じゃあクスネ、俺はお前を肩に乗せるから、進みたい方向を向いておいてくれ」


「わん!」


 獲物を探す能力の低い俺がクスネの足になり、クスネは探すことに専念してもらう。このコンビネーションプレイで、あっという間に見つけてやるぜ!




―――紆余曲折あった後、俺達はなんとか盆栽鹿を見つけ、狩ることが出来た。


「ほ、ほら!クスネなら出来るって言っただろ?」


>もう辺りが暗くなってますけど…

>過去最高に長時間配信でしたね…

>あなたがバカ恐竜の群れに突っ込んでいくときはなかなかハラハラしたわ

>道なき道みたいなところを通らせるくすねきゅん鬼畜で可愛かった

>テクテク亀とスヤスヤうさぎにちょっかいをだすクスネ君いたずらっ子で可愛い

>なんかこの森のボスみたいなデカいふくろうに挨拶したり、リスの大群に突っ込んでいったり…波乱万象でした


 いやあね…クスネは確かに何かを探す能力は高かった。


 ただ、好奇心旺盛な性格な故、興味が色々なところに移り、寄り道ばかりしてしまったのだ。


 まあ、盆栽鹿を見つけるのに沢山の時間はかかったが、見たこともない生物や、俺が見逃していた便利な薬草や、森に隠れるようにあった神秘的で小さな湖、鍾乳洞のような涼しい洞窟、ちょっとした香辛料や、俺が解析したことのなかった新たな果物など、沢山発見はあった。


 これらは全てクスネが見つけたものだ。大雑把な俺では見つけられなかっただろう。大変だったが、結果オーライということで。


 クスネは沢山仕事してお疲れのようだ。肩の上でウトウトしている。まあ、あとは家に帰るだけだ。ゆっくり休んでくれ。おやすみクスネ。


 辺りが暗いので一旦配信は終了。俺はクスネを起こさないように気をつけながら拠点に帰る。


 次の日。


「よし!今日は盆栽鹿を解体して、新たな足置きマットをつくるぞ!」


 俺は盆栽鹿を解体するため、超収納リュックを背負い、近くの小川に行く。


 そして、脳内のチップから表示されるお手本を参考にしながら、なんとか盆栽鹿の解体に成功。


 緑鳥(りょくちょう)を何度も解体しているので、解体は少しづつうまくなっている実感がある。


 こういう成長がスローライフの醍醐味だよな。


「今日の夜は盆栽鹿の肉でパーティーしよう!この肉あまりにも美味しいから、今から楽しみだ!」


「わん!」


 おっ、クスネが俺を追ってここまで来たようだ。まだぐっすり寝ていたのでログハウスに残してきたのだが…俺を探しに来てくれたのかな?


 もちろん、クスネもこの盆栽鹿を狩れた功労者だ。存分に肉を食べてくれ!


>ズルいズルいズルい!

>私も盆栽鹿の肉をたべたい!よこせ!食わせろ!独り占めを許すな!

>なにかクエスト出すか…盆栽鹿の肉の価値と同等のものがうちにあるかな…

 

 残念だが、俺は盆栽鹿の肉は渡さないつもりだ。


 だって、この肉凄く美味しいしな!俺とクスネで全て独占します!残念だったな!ざまあ!


 俺が盆栽鹿を食べている姿は絶対に配信に残そう。視聴者に見せつけてやるのだ!視聴者の羨望(せんぼう)がスパイスとなり、より美味しく感じることだろう!


「よし!あとはこの皮を処理して納品すればいいだけだ!噴水フラワーゲットまであと少し!頑張るぞ!」


>でも前回皮を処理するの結構苦戦してたよね

(いぶ)して揉んでまた燻して…時間が掛かるよね

>また同じ方法でやるの?


「いや、俺は人呼んで毎日成長する男、ヒノキ。今回は秘策がある!」


>誰がそんなことを言ってるんだい?

>人呼んで(自称)

>あなたの秘策はいつも当てにならない

>まあ、期待はしてないが言ってみろよ


「おい!…まあいい。今回の秘策は、なんと!俺お手製の(なめ)し剤を用意してあるのだ!」


>鞣し剤ねえ…

>それがホントなら凄いけど…

>そんなもの用意できたの?


「ああ!用意したのは二つ、まず一つ目は枯れ木と灰を煮た水だ!これで煮ると細かい汚れが落ちやすくなり、さらに皮から肉を()がす作業が楽になる!そして二つ目は余っている緑鳥の脳みそだ!コレには皮を柔らかくする成分があるから、塗って放置すればあまり揉まなくてもいい。しかも、脳には油も豊富だから、皮の品質も安定するんだよ!どう!凄くね!」


>なんか…嫌だな

>ええ…脳みそなんて塗りたくるの…

>正直見たくない

>クエストを出した本人です!皮だけくれればこっちで加工します!決してそのやり方で処理しないでください!お願いします!


 ええ…せっかく用意したのに…やってみたかったなぁ…


「まあ、クエスト主が言うならそうするか。鞣し剤試したかったのに…この鞣し剤はまた次の機会に持ち越しだな」


>クエスト主さん必死で草

>まあ、そこで処理するより、自分で処理したほうが完成度は高くなるしな

>脳みそが塗りたくられた革なんて、私ならキモくて使えない


 ほんと、今どきの奴らって繊細だよな。別に塗った後はいっぱい洗うのにさ…


 まあいい。俺も楽できたし。


 ということでしっかり皮を納品してクエスト完了!俺は噴水フラワーを手に入れた!やったね!


「これで、水やり問題解決!でも、農業に関して新たに問題が出来たから、そっちを解決します!次は、肥料のニオイ対策だ!」


 それが終われば、新たに果樹園計画とかにも取りかかれるはずだ。畜産は一旦置いておこう。思ったより大変そうだしな。


>ああ、今は家にクスネきゅんいるもんね

>そっか、あなたなら避難すればニオイに耐えられても、クスネ君には耐えられないか

>あの悪趣味な香水作成キットで肥料作ってるもんな


 そうなのだ。今の俺の家にはクスネがいるのだ。その事によって今まで通りに肥料作りができなくなった。その対策をしなければいけない。


「うーん…ぱっと思いついたのは、現代でよく使われている芳香剤を置くことなんだが…ここではそれはないしなぁ…」


>確かにあれを使えば一発か

>芳香剤くらいならクエストで出すよ

>あれ安すぎるから貧乏な私でもクエストに出せそう


 現代の芳香剤はどんな強烈なニオイだろうが一つ置けば広範囲で吸収してくれるスグレモノ。コレを使えば一発でニオイ対策は完璧だ。優秀だし、とても安価。素晴らしい商品だ。


 だが、そんなとても安い芳香剤でも、ここではなかなかのオーバーテクノロジー。この惑星で芳香剤を再現するなんて、SCエネルギーを使わない限りほぼ不可能と言ってもいい。価格が低いから単純な作りというわけでは決して無い。安い理由は、ただの企業努力なのだ。


 うーむ、どうしようか。視聴者の言う通り、クエストに頼るか?


 でもなあ…クエストでもらうのも良いのだが、芳香剤はある程度ニオイを限界まで吸着したら効果がなくなる使い捨てタイプ。そして、肥料作りはこれから何度もやる作業。


 だから、必要になるたびに毎回クエストをクリアしなければいけないというのは少し手間だ。


 まあ、それでもいいっちゃあ良いのだが…


 俺は、なるべくなら様々な種類のクエストを受けたいと思っている。


 せっかく沢山のクエストを出してくれているのだ。それなのに、偏ったクエストばかり受けるのは、なんだかなあ…という気分になる。


 それに、そもそも芳香剤を置くのは対処療法。根本解決になっていない。


 うんうんと唸りながらどうするか考えていると、一つのコメントが目に入った。


>私は芳香剤会社の社長です。我が社の業務用芳香剤ならその問題、完璧に解決できます。詳細はクエストで送りますね


 どうやら芳香剤会社の社長さんがこの配信を見てくれていたようだ。


 それにしても、業務用芳香剤ってなんだろう?聞いたことがないな?


 それがこの状況を打破できるものだったら良いのだが…

次回予告:ダンスフェチってなんだよ…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ