生活再考!最高にスローライフを楽しむために!
読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。
「スローライフ会議~!!!」
>会議?
>司会者を気取るな
>いちいち声がでけえよ
>コーナーみたいにするのね
「これからどうすればもっと上手くこの惑星でスローライフしていけるかの議論を始めます。まず最初の議題は俺がSCエネルギー使っちゃう問題。これから議論していこう」
>…使わなければ良いのでは?
>いや、こんな便利なもん。流石に有れば使っちゃうよね
>まあ、気持ちはわかる
「ふむふむ…なるほど…あったら使っちゃうねえ…ならさ!発想を逆転させよう!無かったらいいんじゃね?なにかで溜まったSCエネルギーをドカンと使い切っちゃえばいいんだよ!筋トレでいうチートデイだ!」
>うーむ脳筋だ…
>おや?でも、案外いい考えかもしれないぞ?
>そもそも使えなくする作戦ね
>でもさ。何に使うの?
「それなんだよなぁ…俺の暮らし関係でドカンと使っちゃうと、本末転倒だよな」
>どこか遠くに行って使うとかは?
>遠くねえ…確かに惑星丸々買った割に、活動範囲が狭いよね
>ならこの惑星の真裏で大規模な開拓するとかどう?
>なるほど、宇宙船の行き帰りだけのエネルギーは残して、惑星の真裏でなにかするのか
「ほう、そのアイデアありだな…でも開拓ねぇ…うーん。あ、良いこと思いついた!惑星の裏に俺の理想の結婚式場を建てるのはどうだろうか?」
>はあ?…いいアイデア?どこが???
>結婚相手がいない件について
>まだ結婚に夢見てるのかよwww古くせえwww
>真面目に答えると、結婚式場を作るくらいだったらすぐ終わりそうじゃね?一回のチートデイで事足りそう
「確かにすぐ終わりそうだな、やっぱ大規模なことしないと使いきれないよなー。…さて、どうするか」
うーん…何も思いつかないな…手詰まりだ。
俺がうんうんと悩んでいると、突然トリカからメールが来た。
なになに…なるほどなるほど…これはまたタイミングの良いときに提案してきたな。
というか、俺が悩んでるのをみて、解決策となり得る提案をしてくれたっぽいな。ありがたい。
それにしても、またデカいこと考えてるなぁ…トリカらしい。
「えー、トリカが言うには、この惑星全てをバーチャル上に再現して観光地にする計画を実行中らしい。だから、惑星の裏を開拓するなら娯楽施設をたくさん立てて欲しいとのことだ」
>辺境の惑星を丸々再現!?
>まあ、トリカ様なら出来ないことはない…のか?
>流石にトリカ様でも無謀じゃね?
>どこの惑星も小規模でやってることだけど、辺境の惑星で同じこと再現するのくっそ大変そう…しかも惑星丸々って…
>バーチャル旅行大好きだから賛成!
バーチャル旅行というのは、普通は観光地などで使われている技術だ。
バーチャル上で現実の観光地をコピーし、そのコピーされた場所をアバターで観光できるシステムだ。
これの一番のメリットは、惑星間の移動をわざわざしなくても良くなるということだ。この技術を利用する側は、お手軽に本物そっくりの観光地に旅行ができる。
だが、デメリットも有る。それは、金がとにかくかかること。
だから、本来は有名大企業などが地域貢献やまちおこしとしてやっているようなことで、普通個人で出来ることではないのだ。
しかも惑星丸々再現というのは、あまりにも途方もない計画のように普通は聞こえるだろう。
まあでも、俺はトリカをとても信頼している。トリカはやると言ったらやる女だ。
もしその計画が実現したら、ここが辺境すぎるという点も全く問題にならない。
うん。素晴らしい計画だ。その計画、のった!手伝わせてくれ!
「じゃあとりあえず、”この惑星の真裏観光地計画”を実施するか!皆で作る観光地…いいじゃんいいじゃん!これでSCエネルギーも使い切れるだろうしね」
>でもさ、SCエネルギー使い切っちゃってスローライフなんて出来るの?
>なんだかんだ使えないと文化は発展しなさそう
>一人で文化を発展させるのは無理がある
「そうか…ヨヒラとかがあっさりスローライフをしてるから簡単そうに見えてるだけで、本来一人で頑張ってもたいしてできること無いよな…さて、どうするか…お、またメール来た。今度はセリからだ。なになに…なるほどなるほど。うん、これ良い考えかも。ゲーマーのセリらしい案だ。この案採用しよう」
>どんなメールきたの?
>なんかテレてる?やたら嬉しそうだね
>内容開示はよ
ほいほいちょっとまってね。このメールをそのまま見せるのはちょっと恥ずかしい。メールの最後に俺への愛の言葉がかいてあるからね。
意外とセリはストレートに気持ちを伝えて来るタイプだ。だからどれだけ貢いでしまっても、どれだけ駄目なところを見ても、嫌いにはなれないのだ。
それどころか…
うん、この先はいいや。恥ずかしいし。
気を取り直して、俺はメール内容を要約して視聴者に教える。
「セリが俺に提案してきたのは、ゲームのクエストシステムを現実でも導入したらどうかって話だな。視聴者がこの惑星内で欲しいものをクエストに出して、俺がクエストを受けて視聴者にものを渡す。報酬としてスローライフに役に立ちそうなものをもらう。こんな感じのシステムだな」
>ようするに、私達との物々交換?
>お金を介さずにものをやり取りするのね
>なんかその案面白そう!現実でクエストなんてワクワクする!
「問題はこの惑星で価値の高いものがあるのかってことなんだけど…」
別にこの惑星固有のものなんて、今のところりんごくらいしかないしなぁ…
面白い案なのだが…さて、どうしようか。
>…実は虚無バナナの塩漬け干し、ちょっと食べてみたかったんだよね…話の種にしたい
>ワイはバカ恐竜の剥製がほしい
>虫マニアなので色々な虫の標本などを送ってほしいです
>盆栽鹿の皮がほしい。あなたより見事な服作ってわからせてやりたい
>やっぱりりんご!その惑星のりんごが食べたい!
おや?案外視聴者は欲しいものがあるようだ。正直意外だった。
本来この惑星の食べ物、素材などは価値が低い。
なぜなら、上位互換のような性能の素材や食べ物が沢山流通しているからだ。
だが、ここは娯楽が価値を持つ宇宙。物の価値は様々な要素で変動する。
これだけ需要があるということは、俺の配信がこの惑星の物に価値を与えたということだ。
なんだか、少し泣きそうになってしまった。
今までやってきたことが報われたようで、とっても嬉しいな。
嬉しがっているのを見られるのが恥ずかしいので、誤魔化すように俺は新たな話題を提供する。
「コホン。えーと…あとの問題は金の使い道だよな…ほとんどセリに貢ぐとはいえ、俺って結構稼いでるからなぁ…何でも道具を買っちゃうとスローライフがチョロくなっちゃうし…それは嫌だな」
>金は貯金すればいいじゃん
>私なら貯金するけど…
>いや、コイツはあればあるだけ使っちゃうタイプだぞ
大正解!視聴者は俺のことよく分かってるな。俺は貯金が出来ないたぐいの人間だ!
「お?またメール来た。なになに…」
>この流れからして、今回はヨヒラさんかウツギかどっちかだと予想する
>ウツギに一点賭け!
>大穴でまたセリさんからだと予想!大穴こい!
「はい残念。お前ら総じてギャンブルの才能ナシ!メールが来たのは俺の母親からでした~。全員外れ!」
>そんなの当たるわけ無いだろ!
>あなたのマッマかい!
>あなたからマッマの話なんて一度も聞いたこと無いんだから、当たるわけ無いんだよなあ…
>どんな内容のメールだったの?
「内容はあれだ。金使うならうちの店で使えってメールだな。うちの母親は研究者で、研究資金集めるためにいたずらグッズ専門店っていうのを片手間にやってるから、その店で金使えってさ」
俺は母親の店を視聴者に紹介する。
ちなみに、驚くほど母の店は流行っていない。そもそも母も売れたらラッキーくらいにしか思っていない。
>いたずらグッズねえ…
>どれも結構高いな。その割に使い道が少なそうだし…
>ピーキーなものばっかじゃん
>これ、確かにめちゃくちゃ頑張ればスローライフに活かせそう?かな?
「うん、この案採用。母親には苦労をかけたしね……いや、俺のほうが苦労させられたような……我が子が男なことをいいことにやりたい放題されたしなあ……ま、愛情自体は感じてたからいいや!親孝行しよう!」
これからの余ったお金の使い道は、母親の店で使うということで決定!
「じゃあこれからの方針がある程度決まったので、改めて俺がスローライフでやりたいことを羅列していこうか」
・SCエネルギーを使い、この惑星を大人気惑星にする
・いたずらグッズやクエストを上手く利用し、スローライフを進化させる
・紫陽花系女子と結婚する
・バカ恐竜を倒せるくらい強くなる
・もっとこの惑星を深く理解する
・大農園と大牧場を作る
「うん、大きな目標はこんな感じかな。細かい目標は除外してるよ、コーヒーを飲みたいとか、お弁当を作りたいとか、米を食べたいとかね」
>今まで一切言ってなかったことまで目標に含めるな
>大農園と大牧場?
>紫陽花系女子???オリジナルの言葉作るな。というか結婚はそろそろ諦めろ
>せっかくなら強くなるのをウツギに手伝ってもらえ
>細かい目標食のことばっかだな
>しれっと大農園とか大牧場を作るって言ってるけど…なにそれ?
「いや…なんか農業と牧場するのに憧れあってね…これはただやってみたいだけだけだ!」
>そんなドヤ顔で言わなくても…
>まあ、やりたいならやればいいよ
>どの目標も失敗するのに賭けるぜ!
>最悪ヨヒラさんに頼ればなんとかなるだろ。自然に詳しいし
「じゃあ、これから俺のスローライフの第二章がはじまるということで、今日の配信は終了!これからもよろしくな!」
次回予告:二章の始まりの前に視点を変えた閑話休題を4話ほど




