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貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
1章 毒女襲来!

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衣服制作!現実逃避もスローライフには必要!

読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。



「正直現実逃避したいから配信終えたいけど…ま、まあ配信も始めちゃったし、なんかやりますか」


>どんまい

>私はトリカ様が恋人っていうの凄い羨ましいけどな~

>幼馴染と恋人っていいじゃん。王道恋愛っぽくてさ


 いや…ふたりのことは嫌いじゃないしなんなら大好きだけどさ…俺は控えめで綺麗、みんなに好かれるような紫陽花のような女性と結婚したかったのだ。


 ほら、その点あの二人って紫陽花とは大違い。どう考えても毒花じゃん?毒がある花も美しくて魅力的ではあるんだろうが…結婚するとなるとなあ…


>で、今日は何するの?

>なんか無心になれるようなことでもしたら?


 それいいね!採用。


 無心になれるようなことねぇ…何しようかな…


 うん、あれに挑戦してみようかな…以前からやろうとはしていたけど、少し俺には難易度が高そうでためらっていたのだ。でも、無心にはなれそうだし、とりあえずやってみようか。


「今日は服を作っていきたいと思います」


>今の服は高性能だからそれで良くない?

>服なんて作れるの?

>なんで服?


「いやあね…今日ヨヒラの家で目覚めた時、ヨヒラが来ている服がバカ恐竜の革を使っていることに気づいたんだよ。それで、俺も革で服作りたいなぁ…て、ふと呟いてさ。それを聞いたヨヒラが、余っている革を俺に分けてくれたんだよ。ほら、これ盆栽鹿の革。見事な革じゃない?」


 俺はポケットから高度な技術でとても小さく圧縮され袋詰めされた、一頭丸々分の盆栽鹿の革を出す。


>ヨヒラさんが着ていた服。あれ恐竜の革なのか

>でも、あれ多分外注してつくってもらってると思うよ

>うん。素材持ち込みの外注だね。高度な処理がしてあるからね

>ヨヒラさんでも外注なのに、あなたが服なんて作れるわけなくない?


「いや、そんな立派な服を最初から作るつもりはないんだよ。ちょっと試してみたいだけ。何の機能もないただの服を作るだけだから」


>いやぁ…それでも難しそう

>今着てる服で良くね?

>服作りなんて初めて見るわ


「まあ、ぶっちゃけ失敗前提で作るから、今日は多分失敗すると思う。今日やるのはただの現実逃避。あと、服が出来たとしてもしばらくは今の服のままだと思う。ちょっとやりたいことがあって、そのためには今の服じゃないと危険だから」


>失敗前提かい

>服なんていらなくない?全裸で過ごそうぜ!

>危ないこととは?


「ああ、いやね、配信外でこれから毎日バカ恐竜に挑もうと思ってるんだよ。あいつを倒す実力がないと南の方を探索できないからさあ。今の服なら防御力がそこそこ高いから、怪我することはあっても、死ぬことは無いだろうし…あと、服作りも失敗前提とはいえ、俺は全力で取り組むよ。いつか毛皮のコートを作れるようになりたいからね」


>ああ、あいつ倒すのか…

>そういうことは配信内でやって

>肉体だけで倒せるような相手なのか?

>武器使おうよ

 

 いやまあ、あまりに勝てないようならいずれ武器を使うことも考えているが、それはバカ恐竜をなんとか倒したあとだ。あいつは俺の中では一面のボス。南にはもっと強い生物が居るらしいし、一面のボスくらいは肉体のみで倒せるようになっておきたい。


 もし肉体のみで倒せたなら、そのバカ恐竜の素材でなにか俺の筋肉を活かせる武器をつくることも考えてはいる。少し癪だが…


 ちなみに配信外でするのは、おそらくみっともなく何度も負ける姿を見せることになるからだ。勝ったときには動画化するから許してくれ。


「じゃあまあとにかく、服を作っていきますか」


 脳内のチップから動物の革を原始的になめすやり方の情報を引き出す。


 なるほどなるほど…結構大変そうだな。でも、やれないことはない。


「まずは…この革をとにかく洗うらしいです、その後、革から肉をはぐ。らしいけど、この革は見事に解体されてる。肉が全く残ってないから楽だな。洗うだけでいい。じゃ、小川に行きますかね」


 自分で作った井戸で洗っても良かったのだが、小川の方が広くスペースが使えて洗いやすいだろう。


 ということで、俺は近くの小川に行き、まずはゴシゴシと力強く洗う。とにかく何度も洗う。


 サラサラと流れる小川の音を聞きながら、ゴシゴシと無心で洗う。


 こういう単純作業が今の俺には心地良い。現実を忘れてリラックスできる。


 うむ、これくらいでいいかな? 


「じゃあ次は…これを燻す。そして揉む。それを繰り返すらしい。そうすることで革が柔らかくなって使いやすくなるってさ」


 とにかくやってみよう。


 あいにくここには燻製小屋があるので、そこで燻す。ある程度燻したら、俺の筋肉で革を揉む。


 燻すのを待つ時間は視聴者と雑談タイムだ。


 今回は何故か視聴者にボディビルのようなポーズを取らさせられた。なんだが視聴者に上手く誘導された気がするが、まあいい。


 なんだかんだ、筋肉が好きな視聴者は多い。やはり筋肉は最強だ。力だけじゃなく、魅力にもなる。


 ある程度燻して乾燥したので、革がどんな具合になったのかを確かめる。


 一回くらいじゃまだまだ固いな…もう一度揉むか。うむ、これは時間がかかりそうだ。昔の人は革を鞣すのも大変だったんだろうなあ…


 取り敢えず、この作業を三ループくらいやってみる。



 …うん。まだまだ固いが、まあちょっと柔らかくなった。今回はこれでいいや。


 今度から鞣し剤を使おう。鞣し剤の代用となる材料はこの惑星にもある。多分そっちのほうが楽だ。次からはそうして楽しよう。こうやってちょっとした失敗から学んでいくのが大事。


「はい、一旦ではあるが、鞣した革の完成!」


>おおお

>意外とできるもんだな

>時間をかければ、人力だけでもできるんだな…


 ここから油を加えたり、染料をいれたり、仕上げ材を塗布したりなどまだまだ完成度を上げようと思えばやれることが沢山あるが、今はこの程度しか出来ない。そもそも材料が無いしね。


「じゃあ、これを、どうやって服にするかだが…」


 この革を切ったり縫ったりしてつなぎ合わせ、服にするのが普通のやり方だが…


「もちろん縫う方法はありません!縫い針とか糸とかないしね。しかも俺は多分縫うみたいな細かくてちまちました作業が苦手です。もし仮に裁縫道具があったとしても多分嫌になって投げ出してしまうタイプです」


>じゃあどうするんだ?

>裁縫結構楽しいのに…

>SCエネルギー使う?


「いやいや…今回はSCエネルギーは使わんよ。俺を侮ってもらっては困る。そんな事しなくても服は出来ます。ほら見てて」


 まずこの革の中心くらいを丸く切り取ります。丸は頭が入るくらいの大きさだ。


 次に、その穴に頭を入れます。適当なツルで胴あたりを縛ります。


 はい、服の完成です!


「いやー俺でも服は作れたな。俺凄い!天才!褒め称えろ!」


>服?

>原始的だな

>ボロ布まとってるだけにしか見えないwww

>寒そう

>いま着てる服の上から着ても何の意味もないんだよなぁ


 え、いま着ている高性能な服は脱がないのかって?やだよ。だって、この革、肌触りがそんなに良くないんだもん。


「えー見て分かる通り、まともに着れる服作りするのにはまだまだレベルが足りないようです」


>せめて布とか糸とかほしいな

>裁縫しないとまともな服は無理そうだね

>皮もまだまだ固そうだしね

>まずは肌着からだな。難易度高そうだけど


「でも!今日の目的は現実逃避です!充分現実逃避出来たので良し!」


>ああ、そうだったな

>確かに今日の配信はちょっと投げやりだったな。たまには良いけどね

>まあ、うん、頑張れ

>現実逃避出来たのならよかったよ


「お前ら…こういうときばかり優しくするなよ…」


>どうしろと

>(こいつめんどくせえ…)

>早く立ち直って


「まあ、寝たらだいたいリフレッシュできるから、今日は寝るか!また明日から現実と向き合っていきます。じゃあ、今日の配信は終了。おつ~」


>乙

>おつかれー

>カツカレー

>今日も楽しかったよ


 うむ、服を作っていて思ったが、衣食住の衣って難易度高くない?


 まあ、よく考えたら衣食住の住も難易度で言ったら同じくらい高いか。SCエネルギーでつくったから簡単にできたので、本来はもっと難易度が高いよね。


 さて、ある程度はリラックスできたし、今日はゆっくり寝て、明日から逃げずに現実と向き合っていきますかね。

次回予告:世の中の女の見事な恋愛テクニック

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