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貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
最終章

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博士人生!過去を語る!

読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。



「今までの話をまとめるとだ。ウツギはルリさんを止める、セリは希望の王子を捕まえる、俺たちはゲリラライブ。……それで、母親は何をしてたんだ?博士とかなり仲良さそうだけど」


「私は酒場で情報収集よ!やっぱり情報収集と言えば酒場っていうのがゲームの定番じゃない?この一週間はほとんど飲み歩いていたわね!」


 話を聞いて分かったのは、母は酒場で「面白い人紹介してくれない?」と次から次へと聞いて周り、最後に博士にたどり着いたらしい。


 そうだ。俺の母ってセリほどではないにせよゲーマーなんだ。こういうとこゲーム脳なんだよな。


 でも、そのやり方でこの星のトップにたどり着くとは……すげえな。


「いやあ、それにしても、この惑星の美少年たちは素晴らしいわね!なんというか、香りが……」


「はいはい。そこから先はいいや。ありがと」


「ちょっと!ここから先が面白いのに!マザコンなのに母の扱いが悪いわよ!見栄を貼らないでくれる?」


「マザコンじゃねえよ!」


 咄嗟にツッコんだが、母はニヤニヤと笑うばかり。俺が内心では「母、優秀だなあ…」と思っていたのが見透かされているようで、少し居心地が悪い。


 こういう風にからかってくるから、素直に尊敬しにくいんだよなあ…



「まあ、これでだいたい俺たちが何をしてたのかは理解した。だから、そろそろ博士の話を聞きたいな」


「そうね。どう話すかもなんとなく構築できたし、全て話しましょう。おそらく長い話になるだろう。ゆっくり禁書庫で私の過去を語らせてもらおうかな。話を聞きたい人は私についてきてくれ」


「あら?禁書庫って禁足地の中なんでしょ?入っていいわけ?」


「ええ。今更隠すものはもうないからね。ただ、あそこは私の宝箱のような場所だ。くれぐれも常識的な態度でいてくれると助かるよ。では、次元跳躍しようか。さあ、私の体のどこかに触れておいてくれ」


 ということで、俺たちは博士と一緒にワープした。



「ここが禁足地の中心――禁書庫だ。ここにはこの惑星の歴史の全てがある」


 たどり着いたのは、広々とした図書館の中ような場所だ。


 軽く周囲を見回すだけで、様々な情報が網羅された本、絵画や石膏などの芸術作品、映像系・音楽系の娯楽作品といったあらゆる文化が、この空間に詰め込まれていることが伝わってくる。


 ふと窓の外を見ると、外には白い花が咲き乱れていた。


 禁書庫と聞いて少し構えていたが、普通に素敵な場所だなあ…


 …おっと、博士の話を聞きに来たんだったな。ここでゆっくり見学したい気持ちは抑えないと。


 博士に促されるままに、俺たちはソファーに腰掛ける。


「ではみんなに(なら)って自分の過去、今までの人生を順番に話すことにするよ。昔を思い出しながらね。そうすれば、きっと伝わるだろう。まず、この惑星へ来ることになった経緯だが――」



「はあーあ。全人類死なねぇかなあ…」


 まだアンドロイドすら存在しない時代のこと。


 若かりし頃の私は、この言葉が口癖だった。


 凡庸な研究者だった私は、周りと比べ、あまりに結果を残せない自分に不貞腐れていた。自信はあるのに、結果が出ない。その事実に心がすさみ、やさぐれていたのだ。


 そんな風にぶつぶつと呟きながら、機械いじりを進めていく。


「この宇宙船を改造して、エンジンをうまいこと改造すればタイムマシンができるはず!理論とかは知らないわ。そんなのはどうでもいい。でも、絶対にできる!」


 現代ですら実現不可能なタイムマシンを、当時の私は直感だけで作ろうとしていた。


 これが私の悪い癖。いっちょ前に研究者を名乗ってる癖に、理論を大事にしない。過程を大事にせず、結果だけを求めた。


 過去たった一度、その方法で成功して結果が出てしまった私は、このやり方が正しいと思い込んでいたのだ。


「ここをこうして、こうして――完成!これなら光の早さを超えられる!時空の壁を超えられるわ!さて、動かしてみましょう。タイムマシンに乗り込んで、電源を入れて……あら?動かないわ。そんなはずは……もう!どうしてよ!」


 私は自分の作ったタイムマシンになりそこねた残骸を、バンと蹴った。


 ただの八つ当たりよ。このタイムマシンにはかなりのお金と時間をかけていた。だから、失敗するとこの先の生活に困ることになる。だから、そんな風に雑に扱ってしまった。



――それがいけなかった。

 

「え?なになに?なんでここが光りだすの?なんで電源が?ちょ、すと、ストップ!止まりなさい!」


 キュイイイインと、謎の音と謎の光が研究ラボに響く。


 それはもう慌てたわ。


 なんとか止めようと思っても、原因不明で止め方が分からない。どのボタンを押しても、事態は一向に良くならない。明らかに事故。


「…これ、ちょっとやばくない?」


 そうしているうちに、ジジジジという嫌な音と、黒い煙までもくもくと出てきている。


 このタイムマシンは、一度乗り込んでしまうと、すぐには出ることはできない設計となっていた。超スピードに耐えうるためこうした設計にしていたのだが……それが仇となった。


 そして、私が叩きつけるようにボタンを押した、次の瞬間――

 

 ドカーン!


 それはもう大きな爆発に私は巻き込まれた。



「うみゅ……ええっと……ここは……そうだ!私は事故ったんだ!」


 どうやら私は、爆発の衝撃でしばらくの間意識を失っていたようだ。


 幸いにも怪我はない。無駄に頑丈な設計のおかげだ。


 ただ、宇宙船は超スピードで発進しているし、いろんな機能がめちゃくちゃに起動するし、上下左右どこがどこだかも分からない。


「なんなのよ!もう!」



 そんな状態が、何時間も、何日も続いた。


 タイムマシンの中で揺られながら、とにかくなんとかなることを願った。これからは真面目に生きようと何度も改心した。


 そんな願いが通じたのか――いつしか、どこかの惑星に不時着した。



 助かったと思ったわ。宇宙は繋がっている。どんな惑星に不時着したって、連絡さえ取れれば母星に戻ることは可能なはず。


 でもね……


「…ちょ、ちょっと――ここ、どこなの?」


 私は()()の惑星に不時着していた。


 それがここ「ジ・アース」だったというわけだ。



「――さて、少し喉も乾いてきたことだし、一旦ここで区切ろうか。一度質問タイムをとろう」


 博士のその言葉に対し、俺たちは「待ってました」とばかりに質問を投げかける。


「昔の宇宙船ってどんなものだったのかしら?」

「アンドロイドが存在しないとは、いったいどれほど昔の話なのでしょうか?」

「もしかして、タイムマシンは理論上絶対に作れないと完璧に証明した論文ってあなたが書いた?」

「ここって飲食オッケー?小腹がすいたから、食べながら聞いてもいいかしら?」

「お茶じゃなくて、ココアとかない?」

「わんわん!」

「博士って天然ドジっ子系女子?それとも、やさぐれ系お姉さん?てか、どこ住み?ラインやってる?」

 

 怒涛のように投げかけられる質問を前に、博士はアワアワと困惑することしかできないようだった。


「博士。只今戻りました」


 そんな場に颯爽と現れたのが、始祖さん。地球のみんなを落ち着かせ、帰ってきたようだ。


 それから、始祖さんは博士の代わりにみんなの質問に流れるように答えていく。


「博士の話によると、昔の宇宙船は人が一人乗れるほどの大きさしかなかったそうです。ただし、博士はバカなことに自身の脳内のチップを過剰に改造していたので、根拠となるデータはありません。まあ、当時のチップは今のものより性能が悪いので、完璧な状態であろうとデータが残っていたかは不明ですがね」


 トリカの疑問に答え、


「アンドロイドの最初の一体である私は、宇宙暦約一万二千年の頃から今まで、ずっと博士と共に居ます。少なくともそれ以上前の話ですね」


 ヨヒラの疑問に答え、


「博士は論文を書くのが下手くそですので、違う人でしょうね。それに、もうタイムマシンはこりごりだと、昔はよくおっしゃっていました」


 母の疑問に答え、


「飲食はオッケーです。せっかくですし、なにか作りますよ」


 ウツギの疑問?に答え、


「どうぞ、ココアです」


 セリの要望に答えたうえで、みんなにも飲み物を渡し、


「ふふふ、可愛いですね、さあ、こっちへおいで」


 クスネと遊び、


「ヒノキ様の疑問が一番答えるのが難しいですね。私もその当時の博士を知りませんからね。ですが、私の見解によると、おそらく博士は天然ドジっ子だったと思われます。根拠としては『なんなのよ、もう』が口癖であったり……失礼。これ以上言うと怒られてしまいそうです」


 博士に睨まれながらも、俺の質問に答えた。


 そして、


「(これ、私が記録している博士のアルバムです。博士は今と変わらず、ずっとお綺麗なのですよね)」


 俺に色んな場面の博士の写真が収められている「写真集」のようなものまで布教する始末。


 ここまで流水が流れるが如くスムーズで、あっという間だった。


 うーん、しごでき女子。



「そうか。お茶くらい出すべきだったね。すっかり忘れていたよ。ありがとう、HIRARI。――ズズズッ。さて、喉も潤ったことだし、続きを話そうか」


次回予告:イチャイチャにはイチャイチャで返すのが礼儀

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