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貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
5章 幻の惑星、ジ・アース!

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恋人同棲!その3!ダンス練習!

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 今日のスケジュールをざっと説明しよう。


 朝食の後は、昼までダンス練習。昼食を食べながら休憩し、ここで配信は終了。昼からは、とにかくアンドロイド流武術を最後までやり遂げることに注力する。夕食を食べ、またダンス練習し、風呂に入り、寝る前にトリカと今日の反省をし、ベッドの上でトリカと激しく愛を深めた上で、各自就寝という流れだ。


 一見すると、「完璧に管理された生活」という印象を受けた。一日の予定が全て決まっているし、トイレのタイミングや、息抜きの時間すら決まっているからな。


「大枠は決まっているけれど、その中でどうするかは自分次第。時間の使い方はどう工夫したっていいんだからね。自分なりのやり方で、とにかくエンジョイしなさい」


 とのことだ。


 …ま、できる限り頑張ってみよう。



 朝食を食べ終えると、すぐに練習が始まった。配信は続いたままだ。


 配信でダンス練習を公開するのは、「努力の過程そのものも娯楽になるから」らしい。その様子を見せることで、MV本編をより楽しんでもらえる、というわけだ。


「今回MVにする曲は、【アイム・ウィナー!】にするわ。ほら?あの時歌ったでしょ?」


「ああ、誕生日ライブの開幕で歌ったやつか。いいね!」


【アイム・ウィナー!】を簡単に説明すると、悪女の歌だ。ベッドでの情事のことが歌詞になっていたりする、挑発的で危うい曲。


 女に対しては、男性を手にした余裕と、悪意のある言葉で挑発し、心をえぐる。

 男に対しては、たとえ悪い女だと認識されようが関係ないとばかりに、力強い美しさと、女の魅力で屈服させる。


 ライブで一度だけ歌った時は、大人の女性らしい色気をまといながら歌うトリカに、ぐっと引き込まれたんだよなあ…


「あ、【アイム・ウィナー!】のMVを作るために、その色っぽい姿に変化したの?」


「まあ、それもあるわね。あの歌、歌の出来は良いけれど、少しわたくしの表現力が足りないと感じたのよね。今ならもっと破壊力抜群の歌にできると思うのよ」


>いや、あれ以上破壊力を上げられても…

>あの時でも心をえぐられたのに

>もうやめて!ワイのライフはゼロよ!

>あの時でも阿鼻叫喚だったのに…


「さ、今日はとにかく振りを覚えるわよ。表現力は二の次でいいわ。このダンスは表現力が大事だからこそ、まずは基本の振り付けができないとお話にならないからね」


「りょうかーい」


 俺は【アイム・ウィナー!】のジャズのリズムに合わせ、ひたすら踊る。


 とにかく今は、チップに送られてきたダンスの完成形の映像に照らし合わせながら、身体に振り付けをなじませていく工程だ。


 …このダンス、序盤からかなり激しいな。実際に踊ってみると、かなり身体能力が必要な振り付けだ。


 それに、中盤からはトリカとのコンビネーションも必須になってくるっぽい。トリカと身体を交差するように踊ったり、トリカを持ち上げて優しく振り回したり、お互い激しく絡み合ったり……かなり難易度が高そうだ。


 というかこれ、配信に乗せて大丈夫なやつか?なんだか、ダンスの完成形がかなりアダルティなんだが…


 まあ、歌の特性上、多少は仕方ないか。


「あ、そうだヒノキ。あの生命力が溢れてキラキラした状態でダンスしなさい。わたくしも電気を纏って踊るから。そっちのほうが映えるわ」


「おっけー」


 俺は言われた通り、キラキラした状態にする。修行のたびにこうしていたから、もう慣れたものだ。


 やっぱりこの姿だと、身体の調子が良い。


>おっ、ヒノキえちえちモードだ!

>えちえちモードきたああああ!

>やっぱり、なんかえっちさが増すなあ…

>ヒノキのえちえちモードしゅごしゅぎるのおおおお!!!


「おい、お前ら!この姿をえちえちモードって言うな!」

「ヒノキ、集中しなさい」


「…はい」


>草

>やーい怒られてやんのwww

>ほら?もっと集中しろよ?

>ざぁこ、ざぁこ♡


 ピキピキッ…


 ふぅー……あんなやつら無視無視。集中しなきゃ。


 えっと、キックからのターンからの、トリカに跪いて足の甲にキス。トリカに突き放されるが、追いすがるように何度でもトリカの元へ。


 一瞬アイコンタクトを入れ、ターンを多用し――ようやくトリカの手を優しく触れる。


「…いてっ」


 思わぬ痛みに、反射的に俺は手を離してしまう。


「そっか、トリカは電気を纏ってるもんな。忘れてた」


「まあ、あなたならこの程度我慢できるでしょ?さ?もう一度やるわよ」


 そうして俺は、もう一度優しくトリカに触れる。痛みに関しては、覚悟さえしておけば大丈夫だ。


 ただ…


「ねえ?この状態のトリカに触れているだけで、なんかすんごくドキドキするんだけど!やばい!」


 理由は分からない。けれど、触れることでトリカの魅力が俺の体の奥深くまでダイレクトに伝わってきた!今までより確実にトリカの女性的な魅力が増している!頭の芯まで痺れるくらいの、圧倒的な色気を直に感じる!


「ふふっ、この姿、刺激的でしょ?まあ、わたくしもあなたを触っていると、なんだか安心感に包まれるから、これはそういうものみたいね」


 そういうものっていうのは、アンドロイド流武術で身につけたこの状態には、そういう不思議な特性があるってことか?


「ヒノキ。わたくしの魅力に腰砕けになるのは仕方のないことでしょうけど、それでもダンスは止めてはダメ。必死についてきなさい」


 難しいことを仰る。ま、やるけどね。


 俺はトリカの色気に侵されながら、なんとかして続きを踊っていった。


 密着して、大きく身体をのけぞらせて、髪を撫で、お互いに絡み合うように――


>ねえ?これ絶対入ってるよね?

>疑似えっ◯ちにしか見えないwww

>見てるだけでムラムラするんですけど!

>とりあえず服は脱いだ

>アダルティすぎる…


 もはやこれ、性欲との戦いでもある気がしてきた。トリカの甘く爽やかな香り、息遣い、一挙手一投足。それらが俺を昂らせる。


 …まあ、俺が限界を超えて欲に負けそうになっても、トリカに目線だけで袖にされて、すぐ正気に戻されるんだけどね。


『わたくしはあなたのことをよーく知ってるの。それも、本人であるあなた以上に…』


 なんでこう言った時自信満々だったのか、身にしみて分かった。ホントに俺のことなんて、トリカはお見通しなんだ。


 猛獣使いのように、いとも容易く俺を支配し、落ち着かせ、かき乱し、弄び、誘導する。


 ただのダンスの練習が、俺にとってはそんな時間となったのだった。



 ようやく昼食の時間となった。


 …ああ、終わりか。長かったような、短かったような。


 気持ちの面ではたくさんかき乱されつつも、しっかりダンスの振り付けは覚えられた。これも全て、トリカの指導のおかげだな。


「さて、昼食もバイキングよ。好きに楽しみなさい」


「おお!嬉しい!……けど、トリカってバイキング好きなの?あんまり食べ放題の料理を食べてるイメージはないけど…」


「わたくしは普段、完璧な栄養素の料理を定食形式で、過不足無い量を食べることが多いわね。あまり普段はバイキング形式の料理は好まないわ」


「え?じゃあなんで二食続けてバイキングなの?」


「それは、あなたのためよ。詳しい理由は教えてあげないわ。ちなみに、この一週間、全て食事はバイキング形式の予定だからね」


 俺のため、ねえ…


 食事一つとっても、何か理由があるとは思いもしなかった。


「ま、別に大した理由ではないけど、少し考えてみなさい。たまには頭も動かさないと、錆びつくわよ?」

 

 料理を取りに行きながら、トリカから出された宿題に頭を巡らす。


 バイキングの特徴といえば、自分で選び取ることだよな。何事も選び取るのが大事ってこと?いや、そんな単純じゃないよな。


 こんな風に俺が頭を悩ませていると、ふとあるコメントが俺の目を引いた。


>ヒノキってほんと欲張りだよなあ…


 欲張り……欲張りねえ……俺自身、自分でそんな風には感じたことはなかったが……そうか、俺は欲張りなのか…


 …あっ。


「もしかして、俺の自己理解をちょっとでも深めるため?」


 突然ピンときた。バイキングの料理の取り方には、その人の性格が出る。今俺が欲張りだと気づいたようなことが、バイキングでは起こりやすいんだ。


「正解。今みたいに、常に頭は動かしていなさい。ま、あなたが考え事が苦手なことくらい知っているけど、あなたはバカじゃない。これくらいはできるのよ。だから、せめてここで暮らす間くらいは頑張りなさい。きっとそれはあなたのためになるはずよ」


>そうだぞ。たまには考えてから行動しろ

>ヒノキはいっつも行き当たりばったりだからなあ…

>トリカ様の行動一つひとつにも、ちゃんと理由があるんだな。すげえわ

>トリカ様にそんなに色々考えてもらえて羨ましい


 そっか。俺はあまり物事を深く考えないタイプだ。いつも困った時はあまり考えず、直感とかで決断してたし。


 …言われた通り、俺もたまには脳みそを働かせてみるか。一週間くらいなら、なんとか頑張れるだろう。


「じゃあ、もう一つ問題を出すわ。食べ終えたら修行するから、この問題はそのときにでも考えてなさい」


 トリカは一拍置くと、俺にこんな問いかけをしてきた。


「あなたは、どうして強くなりたいの?」


次回予告:やれやれ……女にはもうこりごりだぜ(強がり)

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