超能力女!珍しく強気なヒノキ!
読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。
「さて、今日もスローライフを始めていきますか」
>今日も楽しみ
>ねえ?R18配信しないの?
>R18配信はよ!
「この配信は宇宙一健全です。R18なんて今後一切するつもりはありません」
>つまんな
>お前に期待してるのは性的要素だけなんだぞ
>せめて全裸でスローライフしろ
なにがせめてだよ…ほんとにコイツラ性的要素が絡むとIQ下がるなあ…こういうときは、とっとと話を変えるのに限る。
「でも、まさかトリカがここに来るとは思わなかったわ。ここ、超辺境なのにね」
>トリカ様よくこんなとこまで来たよなあ…
>行動力が凄い
>また新たに女が来るみたいなことはありそう?
「いや、流石にこれ以上は新たに人は来ないと思うよ!俺ってあの二人くらいしか仲の良い人っていないんだよね。あ、じゃあ!もし今から一日以内に誰かが来るようだったら、R18配信してやってもいいぞ!それくらいもうこれ以上来ないってことに自信があるわ!」
>ほう…言ったな?
>一日かあ…無理だろうなあ…
>とりあえずパンツは脱いだ
>…ねえ?なんか宇宙船みたいなの飛んでない?これはまさか?
「…は?ないない。絶対無いって。俺を嘘でビビらせるなよ…まあ、嘘だと思うけど、一応確認するか…………うん、なんか飛んでるね…」
え?なんで!?ありえない!
空を見上げると強そうな見た目の宇宙船が飛んでいた。ミリタリー風宇宙船とでもいえばいいのか?戦車のような無骨なデザインの宇宙船だ。
そんな趣味の人、俺の知り合いにはいない。おそらく知らない人だ。そんな知らない人がどうしてこんな辺境にまでわざわざ来るんだよ!タイミングを考えろ!
>R18配信来たああああああ!!!
>ぬーげ!ぬーげ!ぬーげ!
>神様ありがとうございます!私はこの日のために産まれてきたのだと思います!
やばいやばいやばい!コイツらこういうときだけはやたら団結するんだ!めんどくさいことになった!
…よし、誤魔化そう!
俺は下手くそな口笛をぴゅーぴゅー吹く。
「まあ、R18配信してやるなんて冗談冗談!お前らそんな本気になるなよ。な?落ち着いて落ち着いて。冗談でまんがな!ガハハ!」
そもそも俺はしてやってもいいと言っただけで、するとは断言してないから!ギリセーフ!
>そんな言い訳で私達を誤魔化せると思ってるの?
>もうこちとらパンツ脱いでるんだよ
>はいクソ男、詐欺師男、私達の期待を返せ
「そ、そんなことより!あの宇宙船のことだよ!誰が来たか気にならない?俺は全く心当たりないんだけど…」
>誰か知らんが私達の救性主ではある
>もはや気にならない。今はR18配信のことしか頭にない
「そ、そうか~皆気になるか~そりゃ気になるよね。うん」
>そんなこと誰も言ってないだろ
>架空のコメント欄みないで
>お、その宇宙船。近くに着陸するみたいだよ
ホントだ。ごまかすのに必死になっていたからあの宇宙船の行方について一瞬頭から抜けていた。もう宇宙船は近くに着陸している。いったいどんな人が来たのだろうか?
宇宙船の扉が開く。中から出てきたのは…
「はあ…遠かった…ついに来たわ!さて、あなた。この顔を忘れたわけじゃないでしょうね!」
一応知り合いの女だった。
コイツとは一度しかあったことはないのだが、俺の頭の中では強烈に印象に残っている。
「えっと?誰だっけ?」
「ウツギよ!あんた、うちと闘技場で戦っただろ!」
まあホントは覚えている。とぼけただけだ。俺はコイツ相手なら強気に出ることが出来る。なぜなら、俺が唯一闘技場で勝った相手だからだ。
見た目は…まあ、軍人のコスプレをした女というと分かりやすいかな。カーキ色の軍服をぴっちりと着こなし、ピンク髪の長髪を携え、キリッとした赤い目の女だ。
>おい!ウツギ!てめえのせいで私の賭けた金が吹っ飛んだんだぞ!どうしてくれるんだ!
>よお恥さらし
>金返せ処女がよお!
>完璧にナメられてて草
コメント欄でもウツギを結構知っている人は多いようだ。扱いは悪いが…
ウツギは俺に負けた瞬間から、カリスマ性のある戦士から急転落。いじられキャラとなった。
成績も俺より圧倒的に良かったし、実際めちゃくちゃ強い。容姿も美しく、戦い方も個性があったので人気は高かった。それなのにこんな扱いなのは可哀想…
………とは全然思わない!負けるほうが悪いのだ!
ぷぷぷっ!ざまあ!
「あんたのその表情…ムカつくわ!もう一度うちと勝負しなさい!」
「いやでーす!金もかかってないのにわざわざ戦いなんてしませーん」
ウツギは地団駄を踏む。それに、再度戦ったら俺は勝てないだろう。実力で言うと圧倒的格上。あの時はたまたま勝てただけで、普通に戦ったら勝てる相手ではないのだ。
「で、俺に負けた”唯一”の女さん?なんでこの惑星まで来たの?」
「そのムカつく呼び方やめなさい!ここに来た理由はあんたに勝ち逃げされたからに決まってるでしょ!あんたに負けた瞬間からうちの扱いが一変してファンにナメられまくってるの!そんな扱いを変えるために、あんたに吠え面をかかせてやりにきたのよ!」
どうやらウツギはあの一件が相当悔しかったらしい。まさかそんな理由でこんな辺境にまで来るとは…
「だから!うちともう一度戦いなさい!」
「嫌でーす」
「戦いなさいよ!」
半泣きになりながら叫ぶウツギ。
俺が再戦に応じさえしなければ一生勝ち逃げできるのだ。再戦なんてするわけがない。しかも俺の同意なしに戦いなんて始めようものなら立派な犯罪だ。だから、ウツギは俺の許可が無いと戦うことが出来ないのだ。
「まあ正直、卑怯なあんたが再戦に応じないのも予想はしていたわ…その場合、うちはこの惑星であんたと同じスローライフをしてやろうと思うのよ!」
「いや、なんでだよ」
再戦に応じない=この惑星でスローライフをする???
ウツギの思考回路が意味わからん。論理が飛躍していないか?
「うちの優秀さを全世界に見せつけるためよ!あなたより全てが上だということをうちのファンたちに何が何でも再認識させるの!うちのサイキック能力ならスローライフなんて簡単だもの!」
なるほどなぁ…言い分はわからなくはないが…遠回りな考えだなあ…追い詰められて迷走してるのかな?
>この人今どきサイキック能力なんてつかうんだw
>そりゃ、負けても仕方なくね?サイキック能力なんてリスクある割にクソ弱いじゃん
>いや、知らない人に説明すると、ウツギってサイキック使う割にかなり強いんだよ。本来はヒノキなんかに負ける実力じゃない
そう、この女は珍しいことにサイキックを使うのだ。
この宇宙でのサイキック能力とは、全て理論で解明されている力である。だが、現状使い手はほぼいない。
何故なら、命を削って力を使っているということが解明されたからだ。逆に言えば命を削りさえすれば誰でも使える力でもある。そんな危ない力なんて、使おうと普通は思わない。
では、そんなリスクを負ってウツギがサイキック能力を使っているかといえば、そうではない。
ウツギは命を削らない代わりに、カロリーをもの凄く消費して力を使っているらしい。
なぜそんなことができるかというと、ウツギはサイキック能力との相性が極端に良い体質の特別な種族だからだ。
この広大な宇宙には多種多様な人種や種族がいるので、そういう特異体質の人が存在するというのはなんら不思議なことではない。
まあ、例えサイキック能力を誰でもリスクなく簡単に使えたとしても、その技術を習得しようとする人は相当なもの好きくらいしかいないだろう。
なぜなら、それよりもっと手軽で強い宇宙CQCという最強の武術があるからだ。強さだけを求めるなら宇宙CQCを習得するのが最短と結論が出ている。この宇宙CQCは超万能で、これさえ習得していればどんな相手だろうと対応できる優れた武術なのだ。
だから、サイキック能力に特化させるなんてことは、あまりに非効率。
そんななかでもウツギは頑なにサイキック能力にこだわり、鍛えまくり、闘技場で何十年も戦い続けた。そして今では闘技場でも上位にいる。
これはかなり凄いことで、本来は尊敬されるべき女なのだが…
まあ、俺というクソ雑魚に一度負けちゃったからね。仕方ないね。
「くそ!くそ!一回くらい負けただけでなんでこうなるのよ!うちの方が絶対に強いのに!」
「まあ、どんまい!」
「あなたに言われたくないわ!ホント、一生の不覚よ…」
>この人強いらしいのにどうして負けたの?
>ああ、それはね、この女が処女だからだよwww
>筋肉に見惚れちゃって棒立ちになった結果何もせず敗北
>この女、今どきシャイなんだよ…筋肉フェチのむっつりスケベのシャイ女
そう、あの時俺が勝てたのは、ウツギが俺と同じように異性に耐性がまったくなかったからだ。
ウツギ自身も男と戦うことなんて一度も無かったので、自分が異性に弱いなんて思っても見なかったらしい。
「あなたに負けてから、何人もの男がうちをカモにしてくるのよ!もう散々よ…」
「もちろん毅然として断ったよね?まさかお金を貢いだりしてないよね?」
「うちが断れるわけ無いでしょ!もう財布は空っぽよ!」
だよね!異性から迫られて断れるわけ無いよね!大共感!
>ああ、ヒノキと同じタイプなのか…その理由もあってここまで逃げてきたんだろうなあ…
>あんな負け方するようなやつなんて、男からしたら絶好のカモだもんね
>もう可哀想だから一回くらい抱いてあげろよ
>R18配信するんだろ。相手にちょうどいいじゃん
だから!俺はR18配信なんてしないぞ!それは有耶無耶になっただろ!その話題を掘り返すな!
ホント、この宇宙の女共は隙を見せるとすぐ付け入って来るよなあ…厄介な奴らだ。
次回予告:追い詰められた女は怖い




