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貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
4章 夏休み!

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閑話休題 毒花女達!

読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。


 

トリカ視点



「はあっ…はあっ……」


 もう、何時間トレーニングしただろうか?


 過剰なトレーニングにより、わたくしの身体はもうヘロヘロだ。


 それでも、今はトレーニングをやめる気にならない。せめて、この胸の内に秘めていた悔しさを消化しきるまでは。


「このままじゃ……絶対、終わらせないわ…!」


 一人になると、この胸の内の悔しさを隠すことはもう無理だった。


 招待された母たちを見送り、宇宙船に戻ったわたくしは、身体を休めることも忘れ、真っ先にトレーニングに励んだ。


 そうしていないと、この胸の内の激情で、どうにかなってしまいそうなのだ!


「あのクソババア……今度は絶対に、わたくしの歌で跪かせてやるからな…!」


 …悔しい。悔しくて仕方がない!


 昨日改めて母の歌を生で聞いて、一瞬でも「負けた」と思ってしまったわたくしが許せない。まだまだスケールの小さいわたくしが、どうしても許せない。


 歌手としての総合力なら、依然として母には勝っている。歌唱力だけでいっても、実力は肉薄していた。


 でも、そんなものでは満足できない。わたくしは、全てにおいて母を超えたいのだ。


「わたくしは、太陽を……超えるのよ…!」


 わたくしは“歌唱力トレーニングルーム”で、決意を声に出す。


 以前ヒノキのお母様はこう言った。


『ヒノキが木だとしたら、トリカちゃんは恒星光(日光)なのよ』


 ねえ、ヒノキ?あなたはその例えに納得していましたわよね?わたくしが、あなたにとっての恒星光(日光)だと。


 ヒノキにとって、日光はとても大事なもので、なくてはならないものなのでしょう。それは分かっています。


 けれど、わたくしはそんなもので終わる気はないですわよ。


 わたくしにとって恒星光なんて、スケールが小さいもの。


 わたくしが目指すもの。それは、この宇宙すべてを照らす光。全宇宙を照らしてしまうほど、明るい恒星。


 たった一つの惑星を照らすだけの太陽なんかじゃ、わたくしは満足しないの。


「太陽なんて、通過点にしてやる!歌ですべてを焦がすほど、明るく光輝いてやるわ!」


 そうして、この日わたくしは、気を失うまでトレーニングを続けたのだった。



――次の日。わたくしは自室のベッドの上で目覚めた。気を失っている間に、機械によって自動的にここに運ばれたのだろう。


 ベッドに腰掛け、気分の落ち着く甘い紅茶でも飲みつつ、ほっと一息つく。


「…昨日は頭に血が上って、少々感情に任せて無茶なトレーニングをしすぎましたわね」


 昨日のことを思い出し、大きくため息を吐く。


 そんなふうにがむしゃらに努力したって、いきなり成長できるわけではないとは分かっている。論理的で科学的、精密で綿密なトレーニングこそ、成長への一番の近道だ。


 でも、歌手という生き物は感情を大切にするもの。機械のようにトレーニングしたって、歌はうまくなっても、魂を揺らす音楽は歌えない。機械では歌姫にはなれないのだから。


 だから、たまにはそういう日があったって良いのだ。あんな非効率で無茶苦茶なトレーニングでも、わたくしには必要な時間だった。


 すべての経験を糧にして、わたくしは輝く。成長に限界はないのだ。悔しいという感情を受け入れ、糧にし、悔しさすらも楽しむ。そうやって無限に成長し続ける。それでこそわたくしだ。



 紅茶の温かさと甘みで心も身体も落ち着いてきた頃――思い起こすのは、今月あった様々な出来事。


 今月の始めは、わたくしは確かに怒っていた。ヒノキが勝手にわたくしの母をカマクラホテルに招待したからだ。


「でも、本当は…」


 正直、「怒り」なんてほんの少ししかなかった。怒りというより、「事前に何も言ってくれなかったことにスネている」といった感情の方が正しい。


 でも、ヒノキはわたくしがかなり怒っていると勘違いし、慌てている様子。


 そんなヒノキは、どうにかわたくしの怒りを鎮めようと、配信外、特にベッドの上で、まるでお姫様を扱うときのような甲斐甲斐(かいがい)しい態度で接してくれました。


 ふふ、もうとっくに許しているのに、気にしすぎるヒノキはとてもかわいかったわ。まるで、留守番中になにかやらかしてしまった子犬のよう。とても、母性本能がキュンキュンしました。 


 どうもわたくしは、ヒノキの困った顔が大好きらしい。そして、どうもヒノキは罪悪感を突かれて責められるのに弱いらしい。


「ふふふ、ヒノキ?わたくしは攻める手を止めないわ。悪いわたくしを許してね?」



 朝から最愛の男のことを考えたからか、昨日とは打って変わって気分がいい。


 ですが、仕事の時間にはまだ早い。いつもよりゆっくりと朝の時間を楽しみましょうかね。

 

 なんだか今は、無性に朝から肉を食べたい気分ですわね……よし、今日の朝食はTボーンステーキにしましょう。


 メニューを決めるとほぼ同時に、自動調理器で作られた朝食が、シュンと目の前に現れた。


 …さて、朝食を食べながら、もう少し今月あったことを思い出しましょうか。

 

 今月は仕事以外では、何があったかしら?


 ヒノキと宝さがしをしたり、配信外でヒノキの作った秘密基地で過ごしたり、配信外でヒノキと二人っきりでまた海デートしたり……でしょうか?


 最近のヒノキは配信が終わると、誰かと過ごすことが多くなりましたからね。その時間でデートを楽しんでいるというわけです。


 ふふ、ヒノキとのデートは、何度やってもいいものですわね。まさに至福のひとときでした。


「わたくしをここまで夢中にさせるなんて……罪な男」


 ヒノキと一緒にいると、満たされる。


 なのに、満たされた途端、もっともっと欲しくなるのだから、女というのは本当にやっかいだ。


 そうやって、どんどんわたくしは欲張りになっている。そんな自分が、わたくしは嫌いじゃない。


「だからヒノキ、もう戻れませんわよ?」


 あなたの想像するような、ぬるま湯のような恋愛では終わらせてあげない。


 攻めて攻めて攻めまくって、熱く刺激的な愛で、あなたを燃やしつくしてあげますわ!


 どれだけわたくしが苛烈に攻めようが、きっとあなたなら大丈夫。


 だって、ヒノキのお母様も、こう言っていたでしょう?


『あなたが木だとすると、セリちゃんは土で、トリカちゃんは恒星光(日光)なのよ』と。


 それならば――


 たとえどれだけ燃えるような強い光でも、あなたなら成長の糧にしてくれる。そう信じることにしたのです。


 だって、わたくしが好きになったヒノキという男は、大木のような力強い存在なのだから。


 そしてムカつくことに、あなたはかなり根強くセリという土に根付いている。あなたの土台が安定しているのは、セリの支えがあるからなのでしょう。


 …けれど、だからこそ――わたくしはあの娘を利用してやるつもりですの。


 土台が安定しているということは、わたくしが心おきなく攻め立てても、あなたはびくともしないということでもある。だから、遠慮なんてしませんわ。


 使えるものは全て利用し、攻めまくる。それが、わたくしのやり方ですから。


「安定なんて、させてあげませんわ。感情を揺らしまくって、あなたをめちゃくちゃにしてやりますわよ……ふふふ」


 朝食のステーキを骨までしゃぶり尽くしながら、わたくしは獰猛に笑うのだった。


 

 ステーキで満たされたお腹をさすりながら、しばしの食休みタイム。仕事に取りかかるには、まだ微妙に早い。


 …暇つぶしがてら、もう少しだけ今月のことを思い起こしましょうか。

 

 あと今月あったことでいえば…


 些末な事ですが、海でウツギと喧嘩したり、あのクソババアと歌で喧嘩したこと、くらいですかね。


 思えば、今月は喧嘩をたくさんしました。


 喧嘩の原因?全て、相手の非ですわね。


 誰がなんと言おうと、わたくしは()()悪くありません。


 でも、いい女は懐が深いものでしょう?わたくしはいい女なので、特別に許してさしあげました。寛大なわたくしに感謝なさい?



――そろそろ仕事の時間ですわね。


 今月は約二週間後にヒノキとのシェアハウスがある。その時までに、終わらせられる仕事は、なるべく終わらせておきたい。

 

 今月も、攻めて攻めて、攻めまくりますわよ!




ウツギ視点 メッセージ上でのやり取り


ウツギ ねえねえ聞いてよ。ホタル!ヒノキったら酷くない!?


ホタル めんどくせぇ… もう、何度も聞いたよ…


ウツギ うちが満足するまで何度でも聞いて!


ホタル ( ´Д`)=3はぁ… あんたとヒノキさんが仲がいいのは分かったから、いちいちそんなことで連絡しないでくれる?


ウツギ そんな事言わずにさあ!聞いてよ!まあ、勝手に話すんだけどね!でね、今日の夕方のことなんだけど――


ホタル (#^ω^)ピキピキ



 このように、友達同士仲良く?メッセージのやり取りをしていたのだった。




次回予告:掲示板回

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