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貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
4章 夏休み!

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家族帰還!4章最終話!

読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。



 その後、「俺が本当にちょろいのを卒業したか」を緊急で検証してみたのだが、俺がドキドキしないのはルリさんだけで、ヨヒラにはもちろん、ハッセンさんにも当たり前のようにドキドキした。


「え?ルリさん……実は『男』みたいな、とんでもない事実はあったりする?」


「ええ~、ひどーい!そんなのないよ!私は正真正銘女の子だよ♡ほら?私の目を見て?そのままどんどん近づいていって……ねえ?もう、ちょっと動けば、キス、しちゃうね?こんな可愛い子にこんなことされたら、流石にドキドキするでしょ?」


「……やっぱり、全然ドキドキしない!なんというか、俺が母親に何されてもドキドキしないのと同じくらい、何も感じないわ!……はっ!?まさか、ルリさんが実は俺の生みの親説、ある!?」


「……ないわよ」


 ルリさんはどう見ても素が出てしまっていて、呆れてものも言えない様子だ。


 …やっぱりね。想像通りだ。予想通り、素の表情の方がぐっと来る。


 これで、俺の考えた仮説が正しいと証明できた。


 ちなみに、さっきのすっとぼけた発言は、俺の仮説の検証のためにわざと言ってみた。流石の俺でもこの人のことを生みの親だと勘違いすることはない。俺の母はたった一人、あの人だけだ。


「うん。分かった。俺がルリさんにドキドキしないのは、ルリさんの“素”があまりにも見えてこないからだわ。大体の人は、どれだけ取り繕うとしても、多少素の部分が漏れてくるはずなんだが……ルリさんは、まさに完璧に自分を取り繕っているんだと思う」


 そして、実はもう一つ理由がある。こっちは俺が直感的に感じただけで、確信はない。でも、この理由が本当なら、多分こっちの理由の方が大きい。


「あと、多分だけど、ルリさんには『心に決めた男』がいるんだと思う。それも、かなり本気で。だから、最初から俺なんて眼中になかったんじゃないかな?」


 なんか、そんな感じがするんだよね。


「……何から何まで正解よ。よく分かったわね。お母様にも、娘にだって本性はバレてなかったのに、まさか私の演技が男の子に看破されるなんて……はあ~あ。やってられないわ」


 さっきの態度から急変、ルリさんのころっと変わった態度に、ヨヒラやハッセンさんは唖然と……してないな?


 あれ?本性は誰にもバレていないんじゃないの?


 俺が不思議に思っていると、ハッセンさんとヨヒラはこのように口を開く。


「私はお前の育ての親だぞ?お前にはいろいろな謎があることは確かだが、何かの目的のためにそんな態度をしているってことくらいはお見通しだ。まあ、お前が言ってほしそうじゃなかったから、わざわざ指摘しなかっただけだな」


「お母様はとても愛情深い人ですから、誰か心に決めた人がいてもおかしくはないとは推察していました。そして、その態度については、ただその姿、ありかたが気に入っているからそうしているのだと思っていましたが……違うのですか?」


 ルリさんは気まずそうに目を逸らす。


 そして、大きなため息を吐くと、「隠せていたと思っていたのは、私だけだったのね…」と、苦笑いした。


「ヨヒラ。私はある目的のために、この格好と態度を続けてきた……でも、今になって分かったわ。娘の言う通り、いつしか私はこの姿を気に入っていたみたい。そんなことを、娘に言われて初めて気づくなんてね…」


 ルリさんは肩を落とす。そんな様子を見て、ヨヒラやハッセンさんは穏やかに微笑んでいる。


 それを見て、俺も自然と笑みが浮かんだ。


 うん。具体的なことはよくわからんが、ヨヒラたち家族の絆が少し深まっている気がする。家族ってやっぱりいいな。


「本当は今日、私の目的のためにヒノキくんを強引に拉致しようと思っていたのだけど……やっぱり辞めることにしたわ。なんだか、気が抜けちゃった」


 ええ……何考えてんだよこの人。そんな事したら、多分だけど大変な目に遭うと思うぞ?主にセリやトリカから。


「流石にお母様でもそれは看破できませんね。セリ様に言われて、アンチアンドロイド制圧兵器を持ってきておいたのは、正解だったようです」


「心配するな!娘がバカなことをしたときのために、私が付いてきたんだ!もしヒノキになにかしたら、問答無用で半殺しにするつもりだったからな!」


「…今、心底バカなことをしなくて良かったと思っているわ」



――その後、俺たちは腹を割って話し合いをすることにした。


 どうもルリさんは、「なぜ男性との過度な接触禁止令を出されているか」すら、誰にも伝えられていないらしく、家族にすら伝えることも禁止されているらしい。さらに、ルリさんの目的も、伝えてしまうと不都合が起こる可能性があるとのことだ。


 ただし、ヨヒラにはいずれ話せる日が来るかもしれない、とルリさんは語った。何かルリさんなりの条件があるようだ。


 そして、ルリさんの目的については、どうやら俺が関係しているらしい。その関係で、どうしても俺と密会したかったとのこと。


 メインの目的は、俺を誘拐し、俺のチップに無理やりアクセス。その後、俺のチップにある機能を追加するアップデートを施すこと。これには時間がかかるので、誘拐が必要だったらしい。


 それがどうしても無理そうならときは、サブプランもあったらしい。違法な方法で宛先、内容ともに俺にしか絶対に分からない秘匿性の高いメッセージを俺に送る。それを俺が開き、自らメールの内容どおりにチップをアップデートしてもらう方法だ。


 と、このように、説明してもらった上でも色々不明瞭な点は多い。話せないことが多すぎるのだ。けれど、ヨヒラやハッセンさんが俺に協力してほしそうだったので、俺はできる限りルリさんに協力することを約束した。



 協力することになったので、ルリさんのやりたいようにやってもらうことに。


 そんなルリさんは、俺の頭に触れて、何かを呟いた。


【警告:チップに外部からの不正アクセスを検出しました。不明な信号を遮断し、対処を推奨します。自動対処を実行しますか?】


 おお、こんな警告なんて初めて見た。セキュリティ対策がオフでも、しっかり警告はしてくれるんだね。


 …あ、もしかして、母が『セキュリティ対策をオフにしろ』って言ってたのは、この時のため?セキュリティ対策がオンだと、問答無用で自動対処とやらがされてたんじゃないかな?


 てことは、母もルリさんの目的になにかしら関係している?

 

 …ま、なんでもいいや。きっと、なるようになるさ。


 ということで、俺は自動対処をせず、チップのアップデートを受け入れた。



――アップデート完了。俺のチップに、新たな機能が解放された。


 だが、最終確認として、あるクイズを解かないと、追加された機能は解放されない仕組みとなっている。この程度のクイズなら軽く解けるだろうが……かなり厳重だなあ…

 

 でも、そんなこんなしているうちに、いつの間にかもうみんなが帰る時間となってしまった。


 俺はみんなの母たちのお見送りを優先することに。



――帰りは、どうしたってせつない気持ちになる。


 ヨヒラの家族は目的を達成すると、今この場で瞬間移動して帰った。


「あ。そうだヒノキ君。ヨヒラのこと、もっと愛してあげてね♡このコ、愛されれば愛されるほど、強くなるはずだから。じゃあね~」


 ルリさんがそう言い残して消えてしまったのが印象的だ。


 次に俺は帰還ルームへと向かい、みんなの母をしっかりお見送りすることに。


 帰ってしまう母たちを、俺は順番にハグしていった。なんだか、無性に寂しくてな。


 俺の母は「役得役得」と満足げで、おばあちゃんは「あらあら」といつも通り。


 カブトさんは「きゅう…」と気絶してしまい、蓮華さんに関しては「いやだあ゛あ゛あ゛あ゛」とギャン泣きしていた。


 そんな風に別れを惜しんでいるうちに、とうとう帰る時間がきた。時間通り、続々と帰還処理に入る皆さん。


 母たちも、娘たちも、みんな寂しそうだ。


 ただ、俺の母だけが去り際に、「仮説が正しければ、どうせまたすぐに会うことになるから。頼むわよ?」と、なにか意味深で意味不明なことを言っていたのが印象的だった。


 

――そうして、母たちは帰ったのだった。


「…なあ、なんか今すんごく寂しいからさあ。ヨヒラに武術を習う時、ヨヒラの家に泊まり込みしてもいい?」


「ええ。良いですよ。そっちの方が教えやすいですしね」


「あ!シェアハウスズルい!ヒノキ!僕の家にも泊まり込みに来てよ!ヒノキは今、成長したい欲が強いみたいだし、そのときは僕もゲームで学んだ技術とか、素材の毒抜きの方法とか教えるからさあ!」


「じゃあ、その次でいいから、わたくしの家にも泊まりに来なさい。わたくしも家畜のしつけ方とか、成功者の心構えを教えてあげるわ。いいわね?」


「じゃあじゃあ!うちの家にも来て!あなた、鍛冶をしたいって言ってたじゃない!鍛冶技術をいっぱい教えてあげるわ!もちろん、強くなるための修行相手としても任せてよね!」


 シェアハウス、か――


 …うん、それ、めちゃくちゃいいな!


 今はなんだか無性に寂しいし、それに、俺もみんなに色々教わって、大きく成長したいしな。


「よし!じゃあ来月はシェアハウス月間にするか!楽しみだな!」


 これでようやく俺の夏休みは終わり。来月から、俺は毎日頑張って、色々なことを吸収して、全力で成長するつもりだ。


「でも、とりあえずまずは拠点に帰ろうか。帰ってゆっくりしよう」


 そうして、俺たちも拠点に帰ったのだった。



――元の拠点へ帰ってからのこと。


 俺はベッドで一人、少し考え事をしていた。


 考え事の内容は、チップの機能開放条件のクイズについて。


 答えはすぐに分かったので、そこは問題ないのだ。ただなあ…


「なんで、この宇宙では存在しないはずの“地球”に関しての問題を、ルリさんが出せたんだろう?」


 ま、そんなことどうでもいいか。考えても分かりそうにないしな。


 ということで、答えは【いろはにほへと】っと。



――正解した俺の頭の中に、なだれ込むようにある知識が入ってきた。


 そこで俺は、なぜか俺しか確認できなかった、この惑星フルールの中心の「空洞」についての、ある秘密を知るのだった。


次回予告:閑話休題を4話はさみ、4章の始まり 5章:幻の惑星ジ・アース?そんなことより修行編

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