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貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
1章 毒女襲来!

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西方探索!トリカとトリカ母の歪な関係

読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。


「えー今俺は西の方に1時間ほど走り抜け、森を抜けた場所にいます。ここ周辺にトリカが住んでいるとのことです。この辺まだ来たこと無かったから、軽く探索しますかね」


>いきなり始めるな

>いつも配信ありがとう

>初手見たことない場所だったからちょっと困惑したわ


 トリカが来て数日後、家が完成したというので、俺はトリカの家に向かっているところだ。


 あいつはお金持ちだ。きっとお金を惜しまず家を作っているのだろう。どんな家に住んでいるのか楽しみだ。


「ここらへん、いいなあ…見渡す限りの草原。爽やかな風が吹いてるわ」


>広大だなぁ…

>こんななにもない場所って今どき珍しいよね

>小さい動物いっぱい

>平和そうな場所だな


「小さい豚とか馬とか牛とか羊とかヤギとか鶏とか…家畜にむいてそうな動物が多いな」


>豚さんかわいい

>小さい馬ってこんなに可愛いんだ

>牛さん呑気にお昼寝中

>みんな総じてちっこいのかわいいんだけど!


 確かにどの動物も小さくて可愛い。気性が荒くなさそうなのも良いな。ここらへんにはあまり肉食動物がいないのだろう。


「キレイな鳴き声の小さい鳥も多いな。色とりどりのいろんな鳥が嬉しそうに飛んでるわ。目を瞑って耳を澄ますと鳥のキレイな声が聞こえてくる。うーん、体の力が抜けてリラックスできるなあ…」


 ここでピクニックでもしたらとても癒やされそうだ。


 まあ、”ある理由”でここでのんびりするのは難しそうだが…


>癒やされるわ…

>鳥の鳴き声といえば…朝チュン!

>ここでS◯Xしたら気持ちよさそう


「ほんとお前らって…まあいいや」


>サーセンwww

>おい、なんか文句あんのか

>女なんだから仕方ないだろ


 視聴者のしょうもないコメントを見事にスルーし、俺は言いそびれたしまった”ある理由”について話し出す。


「ここ、一見凄い暮らしやすそうにみえるだろ…でもさあ、さっきから思ってたんだけど…ちょっと風が強すぎないか!」


>あ、やっぱり?

>ビュオーって風切音聞こえるもんなぁ…

>爽やかな風とかいうから私が勘違いしてるだけかとおもったじゃん!あれ?ここって見た目ほど風強くないのかなって?


「すまんすまん、風自体は胸の中がスッとするようないい風なんだけどねぇ…ただ強すぎるというだけで…それにしても、ここにいる生物は強風なんて物ともしないやつらばっかなんだなあ。平和そうな面してるのに」


>風?そんなの関係あります?みたいな表情してる気がする

>動物って意外とたくましいよね

>トリカ様も風なんてものともしないんだろうな


 確かに、トリカはここ周辺に住んでいるというので、ここを居心地の良い場所だと判断したのだろう。平和だが、結構過酷な環境だと思うのだが…


「さて、そろそろトリカの家が見えてもおかしくない距離まで来たが…お、あれかな?明らかに人工物みたいなのあるな」


>わくわく

>ん?あれって…放牧場?

>トリカさん意外と牧歌的なのかな

 

 まず俺の目に入ったのは柵。どうやら簡易的な柵で家畜を囲っているようだ。


 あいつ放牧なんてするタイプだったか?そんなイメージはないが…


 柵で囲った中には、様々な種類の家畜が草を食べたりなど、各々がのんびり過ごしやすそうにしている。


 ん?こいつらの目、何故か皆自慢げだ。なんでだ?


 もしかして…


「なあ、まさかとは思うが、この家畜たち、自ら飼われに来た、なんてことはないよな?」


>…トリカならあり得る

>私もトリカさんに飼われたいから気持ちはわかる

>私もトリカ様になら食べられても良い

>トリカ様にはひれ伏したくなる魅力があるよな

>あなたも実質家畜みたいなもんですしね


 うん。絶対そうだ。だってあの柵、簡易的すぎて逃げようと思えば逃げれるもん。それなのにわざわざ中にいるということはそういうことだろう。


 あいつ、根っからの女王気質だからなあ…従いたくなる気持ちもわからなくはないが…


 でもお前らさあ…一応野生動物だろ!情けないぞ!


 それにしても…


「おい!俺は飼われてなんていないぞ!コイツラみたいな間抜けと同じような扱いするな!俺を飼うなんて不可能。なぜなら、俺は手のつけられない獰猛な獣だからな!」


>よお家畜

>わんこがキャンキャン吠えてますわ

>あなたトリカ様の前じゃ牙の抜けた首輪付きの子犬だよ

>飼われていることに気がついていない?


 コイツラ俺を家畜扱いしやがって!俺はそんな事決して認めないぞ!絶対にだ!


「っと、そんな話をしているうちに、なんか見えてきたぞ。あれは何だ?」


>えっ、凄い!植物のアーチじゃん!それもたくさん!

>長いトンネルみたいになってるね。これをくぐれってことかな?

>アーチもお花がふんだんにあしらわれていて綺麗だ


 うん。このアーチをくぐればトリカの家がありそうだ。ということで、俺は長い植物のアーチをくぐる。


 一分ほど歩くと、出口が見えてきた。


「はえー…」


 世界が…変わった?


 出口から見えた圧倒的な景色に、俺は思わず唖然としてしまう。


 え?俺…地面にいるはずだよね?まあ、そりゃここは地面だよな。だって平坦な地面を歩いただけだし…


 何故そんな勘違いをしたのかというと、今俺は真っ白な雲の上に立っているからだ。


 植物のアーチを抜けると、本来草原だったはずの地面が、空に浮かぶ雲に置き換わっていた。


 そして、その大きな雲の中心には、大きな城がそびえ立っている。


 まさに天空の城。


 今いる場所、実際は地面なのだが、まったくそうは感じられない。空中にいると錯覚しそうだ。


 城には沢山の木々と、紫の花がデザインとしてふんだんに使われている。


 トリカは紫色がとにかく好きなのだ。紫は高貴な色だから大好きらしい。


 さらには、外装には色とりどりの宝石があしらわれている。キラキラと上品に輝いていて美しい。


 城の周りには花びらとシャボン玉が無数に舞っている。


 空に舞っている花びらはおそらく人工物だろう。ただ、香りは本物の花のようにとてもいい香りが漂っている。何故人工物か分かったのかと言うと、それぞれが小さな光源を持っているからだ。花びらが空に舞いながらキラキラと輝いている。


 シャボン玉が鏡のような役割を果たし、花や宝石の光を反射して、よりいっそう綺麗さを加速させている。


 相変わらず派手だなぁ…あいつらしいや。


 これだけ派手でも押し付けがましくないと言うか、やり過ぎ感を感じないと言うか…そこらへんの塩梅が上手い。これがセンスってやつか。


 そんな外観に見とれていると、トリカが遠くにある城の玄関からふわふわと降りてきた。


>トリカ様の城から出てくる姿…後光がさしていて天使かと思った

>生物としての格が違う

>こんな見事な建物をたった数日でつくったんだぜ

>これ空中っぽいけど地上なんだぜ…信じられないよな…


「あら、いらっしゃい?どう?なかなか良い家でしょう?」


「うん。流石だな」


 トリカはいたずらっ子のような表情で感想を聞いてきた後、俺の返答を聞くと満足げな表情を浮かべた。


「でもちょっとお金かけ過ぎじゃない?」


「ええ。もちろんお金はふんだんに使っていますわ。わたくしの場合、ここが仕事場にもなるのですから妥協はしませんわ」


「そっか、トリカの場合ここがステージにもなるのか」


 なるほどね。トリカはここで歌う姿を全世界に発信するつもりなのだろう。家ではなくライブ会場をつくっていると思えばそりゃ気合も入るか。


「ふふふっ。わたしはこの場所で母を超える歌姫になるのですわ!」


「それ、いっつも言ってるよね。俺はもう超えてると思うけどなぁ…」


「いいえ!わたくしはまだまだですわ!現状ではただ総合力で勝っているだけ。もっと実力を磨いて完膚なきまで母を叩きのめしてやりますのよ!」


>私はトリカさんの方が好きですよ!

>トリカ様のお母様も好き

>カブト歌唱力すごいよね

>カブトの歌詞には情けないけど嫌でも共感してしまう…


 トリカの母は本名をカブトといい、トリカと同じように歌手をやっている。


 ただ、トリカの母はトリカとは違い、作詞作曲と歌うこと以外はポンコツだ。トリカのようにコロコロと表情を変えながら歌うことなんて出来ないし、ステージや演出にもにこだわったり出来ない。経営なんてもっと出来ないだろう。


 カブトにできるのは、ただ感情を込めて歌うことだけ。それしか出来ない。


 ただ、そんなデメリットを塗りつぶすほどの圧倒的な歌唱力がカブトにはある。正直歌唱力だけで比べると、カブトのほうが少しだけ上だ。


 だから、トリカほどではないにしろかなりの人気があるのだ。


 さらに言えば、女性が共感しやすい歌詞も人気の秘訣だろう。


 トリカの母は、”とにかくモテたい””男が欲しい””恋人がいる女への恨み”などの歌を、それはまあ感情を込めて歌っている。見ていて痛々しい程だ。


 モテたい歌のときは血涙を流しながら歌い、妬み嫉みを歌っているときは歯ぎしりをしながら歌ったりなど…


 トリカの母はそうとうこじらせているのだろう。


 だから男の俺はあまりトリカの母の歌は聞かない。聞くとしたらもっぱらトリカの歌ばかりだ。


 トリカの歌は”可愛くて神秘的で無邪気、時には残酷”というテーマで歌っている。聞いていて楽しくなるし、残酷なことを歌っているときでも聞いていてある種の爽快感がある。


 男の俺でも聞いていて楽しいので俺はトリカの歌が大好きなのだ。


「あら、ありがとう」


 トリカが鳩が豆鉄砲を食らったような表情を浮かべる。


「…口に出てた?」


「ふふっ、しっかり私の歌が大好きだと口に出してましたわよ。まあ当然ですわね!」


 トリカが少し照れながらも偉そうにふんぞりかえっている。意外にも俺の素直な感想でよろこんでくれているようだ。


 そういえば、トリカの歌が好きだってあんまり声に出して言ったことないかも。


 別にいろいろな人に言われ慣れているから、俺がわざわざ言わなくていいかなと思っていた。


 でも、俺の気持ちを伝えてこれだけ喜んでくれるのなら、これからはもっと褒め言葉を声に出して伝えよう。変に恥ずかしがる必要なんて無かった。ちょっとだけ反省しよう。


次回予告:まさかのR18配信!?


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