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バルサ

作者: キリスト

「初めから邪な者などいません」主賓イブが言った。


「邪な心を持つと、それを操る者が存在しているだけ」罪を赦すアカネが言った。


「星座は人間に特別な能力を与え、未来を知る方法を授けた」易者ケイは言った。


祭壇を前に真実の告白が続く。


縛られた生け贄は、自分の運命を呪った。


「私たちが欲しいのは真実あるのみ!」3人の声が揃い、罰が下った。3人が倒れる。


「え?」縛られた生け贄は我が目を疑った。


自分をネットで吊し上げた首謀者3名が即死したからだ。


「群衆の声に惑わされ、道を踏み外し、自己の能力を過言して自惚れ、他者を攻撃することで悦に浸かり、自分を絶対視する愚民は、我が力によって葬り去った」祭壇から声がした。


「ネット界のクラゲ、バルサ様!」縛られた生け贄は言った。


「デジタルと言えど、打ち込んだ文字は魂を宿し、具現化する」バルサは続けて言った。「聖なる者は十字架にかけられ、真理の大河で溺死する。心に毒を盛る者は、自滅の道を歩み、死後の永遠を得る」


わ、私は永遠ではなかった。心で安堵する縛られた生け贄。


「私は生け贄を用意した。救い主なる者がいるか確かめたが現れなかった。そこでネットの世界にも生け贄を用意した」


バルサの言葉に状況を飲み込めた縛られた生け贄。


「あ、あの、バルサ様。解いて頂けないでしょうか」


「縛るものは肉。解き放て」無茶を言うバルサ。


「肉は穢れ。ゆえに穢れた魂を封じ、穢れた心に邪念が浮かぶ」言ってることが滅茶苦茶だ。


結局、皆穢れているじゃないか。どうして私だけこんな目に...。


「人類の罪は1人によって洗われ、その犠牲は繰り返す。救世主よ、まもなく世は滅ぶ」バルサの予言。


「バルサ様まだ21世紀です。私は救世主などではありません」


世界から非難された神の理解者は、眠るように息を引き取った。


『お前なんだ。救世主は』夜空から声が降った日に。

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