野菜料理
「親父、言われた通り子供が野菜を食べてくれそうなものができたぞ」
「おおそうか、ん? 何故ふかしたジャガイモが大量にあるんだ?」
昼食の時間になり席に着くと大きな皿にふかしたジャガイモが大量にあった。
「ああ、それはこれをつけて食べてもらいたいからだよ」
俺が指を差すとそこには作ったマヨネーズが置いてある。
「これは?」
「これが親父の求めていた答えだよ、子供が野菜を食べてくれるかもしれない、新しくできた調味料、名はマヨネーズ、禁断の調味料とも言われている」
「禁断って、それ大丈夫なの?」
「大丈夫だよ、禁断と言っても好き過ぎて何にでもマヨネーズをかけて食べたくなってしまうだけだから、ちゃんと気をつければ命に別状はない調味料だから」
「それって大丈夫って言えるのかしら」
母さんはどこか心配そうな顔をしている。
出すならちゃんと量には気をつけるように伝えないといけないかもな。
「本当はもう一つドレッシングって言う野菜にあった調味料を作ったんだけど、子供よりも大人が食べた方が旨いって思ったからさ、こっちのマヨネーズの方がまだ子供が野菜を食べてくれそうな調味料なんだよ」
「なるほど、それで大量のふかしたジャガイモは?」
「ふかしたジャガイモがマヨネーズと一番合うくらい旨かったんだよ、正直これとマヨネーズがあればお腹いっぱいになれると思うぞ」
「ほお、ふかしたジャガイモと言えば塩をつけたものがあるが大して旨くなかったな、このマヨネーズならいけると?」
「ああ、美味しくいただけると思うぞ」
「そうか、なら食べてみるか」
にわかに信じられないのか親父は疑いの目を向けてふかしたジャガイモにマヨネーズをつけて一口食べる。
「おお!!」
目を見開いて親父はふかしたジャガイモをあっと言う間に一個食べ終えるのだった。
「どうだ?」
「旨い、お前の言った通り本当にこれだけでお腹いっぱいになりそうだ、初めてだ、ふかしたジャガイモがこんなに旨いって思えたのは」
そう言って親父は二個目のふかしたジャガイモにマヨネーズをつけて食べる。
「あら、本当に美味しいわね、ホクホクしたジャガイモによく合うわ」
母さんも美味しそうに食べている。
それも良いんだが、重要なのは。
「アニス、どうだ?」
そう、一番重要なのはアニスくらいの幼い子供が野菜を食べられるかだ。
もしこのマヨネーズがダメだったら、他の方法を考えなければならない。
「はむ」
アニスはふかしたジャガイモにマヨネーズをつけて一口食べる。
俺達に緊張が走る。
何だろう、陛下と王妃様を相手にしている方がまだマシって思えるこの謎の緊張感は。
「はむ、はむ」
一口食べたアニスは二口、三口とふかしたジャガイモを食べていく。
「とっても美味しいのです」
笑顔でそう言うアニスを見て俺達は拳を握ってガッツポーズをした。
マヨネーズを作ったのは間違いではなかった。
ありがとうマヨネーズ。
禁断の調味料だから勘違いしてごめんよマヨネーズ。
あとドレッシング。
お前もちゃんと使ってやるから安心しろ。
「それとだな親父、実はもう一つ作った料理があるんだ」
「ん? まだ作ったのがあるのか」
「ああ、ちょうどジャガイモとマヨネーズを使った野菜料理でさ、これがまた旨いんだよ、子供達も好きになると思うぞ」
「ほお、そんな野菜料理があるのか」
「はい、こちらになります」
そう言ってジョルジュは作った料理を出す。
「ポテトサラダと言う野菜料理です、ジャガイモにタマネギやキュウリ、ニンジンにハムを使いマヨネーズに塩と胡椒を少々加えて完成です、スプーンでお好きなだけ盛って食べてください」
「なるほど、おお、これまた旨いな」
親父はポテトサラダを絶賛する。
「本当ね、ふかしたジャガイモにマヨネーズも美味しかったけど、さらに美味しくできる料理があったのね」
「この野菜料理大好きなのです」
母さんもアニスも美味しそうにポテトサラダを食べている。
アニスが美味しそうに食べているって事は他の子供も食べてくれる可能性が高くなったな。
後日、このポテトサラダとマヨネーズのおかげで野菜を食べてくれる子供が多くなったそうだ。
何はともあれ、子供の野菜嫌いを減らす事ができたようで何よりだ。
ちなみにドレッシングは大人の野菜嫌いを減らす調味料となった。
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本日二話目の投稿です。
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