アニスが思う野菜について
「野菜についてですが、食べられるのと食べられないのがあるのです」
アニスは野菜についてそう答える。
「そうか、ならアニス、ここに野菜があるからどれが食べられてどれがダメなのか教えてくれないか」
「わかったのです」
アニスは野菜について思っている事を言う。
「キャベツとレタスは食べられるのです、でも味はあまりしないのです」
「確かに瑞々しさはあるが味はあまりしないな」
「申し訳ありません、色々考えたのですが、良い味付けが見つかりませんでした」
ジョルジュが謝罪するが、これは仕方ないだろ。
スープにするならともかく、そのままだと下手に味付けできないしな。
「キャベツとレタスと一緒に盛られているキュウリとトマトも食べられるのです」
「確かにアニスはキュウリとトマトも食べてるな」
「でも、トマトはあのビュっとするのがちょっと苦手なのです」
『ビュ?』
アニスの言葉に俺達は首を傾げる。
ビュって何だ?
「アニス、そのビュって言うのは何の事だ?」
「トマトにある粒々がたくさんある液体の事なのです、小さいトマトを食べると噛んだ時に出るあのビュっとしたものが苦手なのです、大きいトマトは切られていますけど、あの粒々のある液体の部分がちょっと苦手なのです」
『あー』
アニスの説明で俺達はアニスが何を言っているのか理解した。
「言われてみれば、娘のエマもアニス様と同じようにトマトのあの飛び出る液体がやだって言ってたな」
「そうね、確かに小さいトマトを食べた時に出るあの液体や切った時の粒々と液体の見た目が嫌だって子が多かった気がするわね」
「あ、私も子供の時、トマトを噛んだ時に出る液体ちょっと苦手だったかも」
「そう言えば私も子供の頃、切ったトマトの中身を見た時あの粒々と液体を見て何とも言えない感覚になった気がするな」
リック、ユーリ、ミスチー、ネロナがそれぞれ言う。
「なるほど、味よりも食感や見た目のようなものか、確かに味が良くても食感や見た目がダメなら食べようって気になれないのも仕方ないか」
「でも、トマトケチャップは大好きなのです、オムライスもケチャップライスも美味しいので大好きなのです」
「トマトケチャップか」
「オムライスやケチャップライスならタマネギも食べられるのです、タマネギは小さく切られているからタマネギの味をあまり感じなくて食べられるのです」
「確かにトマトケチャップの方が味が濃いからタマネギの味なんかしないな」
「あとニンジンもそのままの味があまり好きじゃないのです、でもクリームシチューに入っているニンジンなら美味しいので食べられるのです」
「なるほど」
その後もアニスから野菜で思っている事を色々聞くのだった。
「ありがとうアニス、参考になったよ」
「はいなのです」
アニスには部屋に戻ってもらい、俺達は再び話し合いをするのだった。
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