表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/147

親父に言われて

「野菜をあまり食べない子供が多いらしいんだ」


 朝、俺は親父の部屋に呼び出されてそんな事を聞かされる。


「どうした親父? いきなり」


「いや、この前陛下と話をした時にな、野菜をあまり食べない子供が多くいると言う話があってな」


「うん、それで?」


「どうにか野菜を食べてほしいと言う親が多くいるんだが、叱っても頑なに野菜を食べたくないって子が多くいてな、どうにかできないのかと言われたんだ」


「おい、まさかとは思うが親父」


「ああ、多分お前が思っている通りの事だと思うぞ、ケイネス」


 やっぱり、要するに野菜を食べない子供達のために野菜を食べられるようなものを生み出してほしいって事だ。

 しかも陛下の話を出されたら断るわけにもいかない。

 やれやれだな。


「陛下の話を出されたらやらないわけにはいかないけど、具体的に何の野菜が嫌いなのかってのはわかってるのか?」


「まあ、野菜全般だな」


「聞くだけ野暮だったな」


 そして。


「と言うわけで皆に集まってもらった」


「なるほど、野菜を食べない子供が多いと確かにそれは問題ですね、陛下と旦那様からの頼みなら断る事もできませんし」


 ルートの言葉に俺は頷くが解決できるのかはわからないな。


「野菜を食べない子が多いのは確かですね、貴族も平民も特にアニス様くらいの幼い子供が野菜をあまり食べないそうです」


 フレイアが書類を見ながら言う。

 貴族も平民も関係なく幼い子供に多いか。


「少数ですが、大人でも野菜を食べない者もいます」


 大人の中にもいたよ。


「でも、野菜が嫌いな子って多いわよね」


「スープにしても野菜は嫌だって子もいるしね」


 ユーリとミスチーが言うが確かにその通りだな。

 スープにしても野菜入っているから食べないって子もいるし。


「逆に野菜より肉が良いって子の方が多いんじゃねえか?」 


「確かに、野菜より肉の方が力がつくって気がするし」


 確かにリックやネロナの言うように野菜より肉の方が旨いし力もつきそうなイメージだしな。


「肉も良いけど、野菜も食べないと健康に良くないわよね」


「肉と野菜をバランスよく食べる事で健康にも繋がりますし、特に育ち盛りの子には必要な事です」


 ラキムとジョルジュの言う通り一理あるな。


「でも、嫌いな物を無理やり食べさせるとかえって逆効果になるかもしれません」


「最悪二度と食べたくないって言って死ぬまで口にしないってなるかもしれないな、食べるくらいなら死んだ方がマシだってなるかも」


 カリーナとシオンの言っている事も一理あるんだよな。

 シオンは少し大げさな気もするけど。


「そもそも、アニスお嬢様くらいの幼い子供が野菜を食べない理由って単純に味が美味しくないからだと思います」


「味もそうですが、見た目も美味しそうに見えないのが原因ではないかと思います」

 

 ルティとレティの言葉で俺達は納得してしまう。

 最終的にそこなんだよな。


「確かに、野菜ってなんか見た目からして旨そうって気がしないんだよな、肉だと焼いたら食べたくなるくらい良い匂いがするけど野菜だとそんなに食べたいって気がしないしよ」


「そうよね、サラダとかも盛り付けると見た目は悪くないけど、美味しそうかと言われたらそんなでもないって思うわね」


 リックとユーリの言葉に他の皆も頷く。

 うん、俺もそう思う。


「ここで話してても解決しそうにないし、とりあえず厨房に行って野菜を見て考えないか?」


 俺がそう言うと全員が頷き、俺達は厨房へと向かうのだった。

 





 

読んでいただきありがとうございます。


面白かったらブクマと評価をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ