これで作れるお菓子
今日もエドウィンはシェフィーネ王女の勉強を教えに行っていて、シルは用事でいないため、俺は一人暇な時間を過ごしていた。
「兄上様」
すると妹のアニスと廊下で会う。
「勉強はもう終わったのか?」
「はい、今日も立派な令嬢になるためにたくさん勉強したのです」
「そうか、偉いぞ」
そう言って俺はアニスの頭を撫でるとアニスはとても嬉しそうだった。
するとアニスのお腹が鳴る音が聞こえる。
「あ、は、恥ずかしいのです」
アニスは顔を真っ赤にして両手で顔を隠す。
八歳と言えどもアニスも女の子だもんな、さすがに恥ずかしいか。
「小腹が空いたみたいだな、何かお菓子とかあるか聞きに行くか」
「はいなのです」
そして俺達は厨房の方に行くとそこにはシオンとカリーナがいた。
「・・・・・・邪魔したか?」
「いや、変な気遣いしなくて良いから、何か用?」
「アニスが小腹が空いたみたいなんだ、何かすぐに食べられるものがないかと思ってな」
「冷蔵庫に何かないか探してみるよ」
シオンは冷蔵庫を開けて何かを探す。
「若、今冷蔵庫にあるのですぐに食べられるものと言ったら、これしかなかったな」
そう言ってシオンが出したのはチーズだった。
「シオン、いくら何でもチーズじゃ」
「確かに、旦那様や酒好きの使用人が酒のつまみで食う程度だしな、けどこれしかないし、しかも結構たくさんある」
冷蔵庫の中を見ると確かにチーズがたくさんあった。
まあ、親父と酒が好きな使用人達が酒のつまみでちょっと食べる時以外に使わないもんな。
「お菓子なら少しあったかもしれませんので、探してみます」
「ルティとレティが今買い出しに行っててリックとユーリが一緒に行ってたから多分荷物持ちだと思うし、それなりに買って来ると思うから帰るのに時間が掛かると思う」
「そこまで待つくらいならチーズをそのまま食べた方が良いな」
「カリーナがお菓子を探してくれてるし、あったら良いけど、このチーズがお菓子に使われていたら良かったのに」
「いやいや、いくら何でもチーズを使ったお菓子なんてないだろ」
「まあ確かにそうなんだけど、意外と失われたもの図鑑に載ってたりしてな」
「まさか」
と言いつつも気になったので失われたもの図鑑を見てみた。
「と言ってもさすがにチーズを使ったお菓子なんてないだろ」
「若、あったよ、チーズを使ったお菓子」
「あるんかい」
いや、マジであるんかい。
失われたもの図鑑舐めてたわ。
過去に生み出した人達の事舐めてたわ。
マジごめん。
「それで、チーズを使ったお菓子って」
「ああ、これだよ」
そう言ってシオンがそのページを見せる。
そこにはチーズケーキと書かれていた。
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