王城へ
パンケーキを作ってから数日後、陛下に呼ばれた俺達は王城へと向かっていた。
「そろそろ着く頃だな」
「ああ、シェフィーネも久しぶりに父上母上と会うな」
「うん」
馬車には俺とシルとシェフィーネ王女の三人が乗っている。
シェフィーネ王女が実家の城に行くので今日はエドウィンは我が家で休んでもらっている。
今頃アニスの遊び相手でもしてくれてるだろう。
王城に着き、陛下達のいる応接間に案内されると中には陛下達が待っていた。
「来たか、紅茶でも飲みながらゆっくり話そうじゃないか」
陛下に促され俺達はそれぞれ空いている椅子に座って入れてくれた紅茶を飲むのだった。
「さてと、久しぶりだなシェフィーネ」
「うん、ただ今帰りました、お父様、お母様」
「ええ、お帰りなさいシェフィーネ、元気そうで良かったわ」
陛下も王妃様もシェフィーネ王女が元気に帰って来た事に安堵しているみたいだな。
「さてと、シェフィーネ、お前の描いた絵で作られたものが今国中に出回っている、評判も高いそうだ」
「うん」
「よくやった、さすが俺達の娘だ」
「ええ、凄いわよ、シェフィーネ」
「うん、ありがとう」
陛下と王妃様に褒められてシェフィーネ王女もどことなく照れている様子だ。
「でも、褒めるならエド様も褒めてあげてほしい」
「エド様?」
紅茶を飲もうとした陛下の手が止まる。
「うん、エド様がきっかけで私の描いたラクガキが意味のあるものって証明されたから、なのに何でエド様の手柄にはならないの?」
「エド様とは、お前に勉強を教えているエドウィンとか言う奴の事か?」
「うん」
「そうかそうか、そう言えばシェフィーネは他人をそういう風に呼んだりしていたな」
陛下は冷静に答えているが、陛下の紅茶を持った手はさっきから震えているよ。
エドウィン、お前この場にいなくて良かったな。
「まあ、そのエドウィンについてだがな」
落ち着いたのか陛下の手の震えは治まり紅茶を置いて話す。
「確かにお前の言う通り、ガルドム王国元第一王子エドウィンがきっかけだったかもしれないが、それはお前の絵をよく見れば誰でも気づけた事だ、それがたまたまエドウィンという男だっただけの話だ、ただそれだけでお前と同じくらいの手柄になどさせたら納得いかない者が多くいる、ましてや他国の人間なら尚更だ」
「でも、皆私のラクガキをよく見なかった、エド様だけが見て気づいてくれた」
「それはそうだが、しかしだな」
「エド様も同じ事言ってた、エド様のおかげでもあるのに、むう」
表情はあまり変わっていないがシェフィーネ王女が頬を膨らませてムッとした顔をしているため納得いかずに怒っている事がわかる。
陛下もそれに気づいて困った顔を浮かべていた。
「シェフィーネ、あまりお父様を困らせるものじゃありませんよ」
「・・・・・・はい、ごめんなさい」
王妃様の言葉でシェフィーネ王女は素直に謝罪するがエドウィンが褒められないのは納得いかないようだ。
「ふふ、これは面白い事になるかもしれないわね」
そう王妃様は笑顔で意味深な事を言うが、俺もシルもその言葉の意味を聞かない方が良い気がして何も言わずに黙っているのだった。
「父上、母上、そろそろ本題に入ってはいかがですか?」
ここでシグフィス殿下が話を切り出す。
「ああ、そうだな」
そして陛下は本題を話すのだった。
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