王妃になる事がどういう事か理解しているか
顔面がボコボコにされてかろうじて生きていると思われるファルスもいなくなり残ったのは殿下とアリンス嬢の二人だった。
ついでだから俺は残った二人にも思った事を言おうと思う。
「ところでアリンス嬢、あなたにも言いたい事を言ってもよろしいでしょうか?」
「ええ~、怖いです~」
そう言ってアリンス嬢は殿下に寄り添っていた。
うん、どう見てもわざとらしいんだよな、こんなのが殿下は良いと言うのか。
この国の陛下と王妃は跡継ぎの教育を考えるべきじゃないだろうか。
まあ、それについてはお二方の今後に任せるとして俺はアリンス嬢に言うのだった。
「アリンス嬢、聞きますけど、あなた王妃になる事がどういう事か理解しているのですか?」
「え?」
俺がそう聞くとアリンス嬢は首を傾げた。
うん、これ絶対理解してないな。
「俺は話を聞いたくらいで実際はどれほどなのかわかっていませんが、少なくとも今のあなたのままだと絶対に無理だと言われますよ?」
「ええ~、何でですか~?」
「まず、あなたのその喋り方ですね、先程も言いましたが、あなたのその喋り方はハッキリ言って王妃になってはならない喋り方ですよ」
「言ってる事がわからないです~」
うわぁ、ここまで言ってわからないって、さすがに。
周りを見ると周りの人達もアリンス嬢を何か珍しい生き物でも見ているかのような目で見ているよ。
うん、何となくその気持ちはわかる。
「わかりませんか、じゃあ、カリーナ来てくれ」
「あ、はい」
俺に言われて一人のメイドがやって来る。
彼女の名はカリーナ、俺のメイドでこの学園生活でもサポートをしてもらっている。
「カリーナ、彼女の喋り方見ていたよな?」
「はい、見ていました」
「じゃあ、彼女の喋り方を彼女の前でしてくれないか?」
「え? 彼女の喋り方を私がですか?」
カリーナはアリンス嬢を見てその後俺を見る、うん、わかるよ、凄く嫌そうだなって思ってるんだろ。
「その気持ちは理解できるよ、でも彼女にわからせるためにはもうこれしかないと思ったんだ、他の令嬢に頼むわけにもいかないし、悪いとは思ってるけど、お前しかいないんだよ」
「確かにそうですけど、わかりました、やります、はあ」
カリーナは溜息を吐いてやるのだった。
「じゃあ、いきますよ、んっんぅ!! ケイネス様~、こんな感じで良いですか~?」
アリンス嬢の喋り方をしたカリーナを見た瞬間、何かこうゾクッと全身に何か寒気を感じた。
「ああ、よくできてるぞ」
「良かったです~、間違ってたらどうしようかと不安だったんですよ~」
「何て言うか、本当にすまない、後で何か褒美をやるよ」
「本当ですか~? 私とっても嬉しいです~」
「え? 何あれ?」
アリンス嬢が引いたような顔をしている。
いや、アンタの真似をしてるんだろ。
ていうか、この感じまさか。
「アリンス嬢、まさか王妃になれば毎日贅沢三昧な暮らしができるとか思ってませんよね?」
「え?」
あー、この反応やっぱりそうか。
彼女は王妃になれば今より贅沢な暮らしができると勘違いしてるな。
「あの、良いですか? 王妃になっても贅沢な暮らしになるわけじゃないですよ、むしろ今より大変な生活になりますよ」
俺はアリンス嬢に言うのだった。
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