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ラクガキ

お待たせしました。

 私がシェフィーネ王女に勉強を教えるようになって、一週間が経った。

 一週間とはこんなにも早く過ぎるものだったのだろうか。

 離宮にいる時は一日が長く感じたが、こっちに来てからはあっと言う間な気がした。

 シェフィーネ王女との勉強も最初は部屋で男女二人きりなのもどうかと思ったが、一週間も経てば慣れてしまうものなのか、今では私も自然とシェフィーネ王女に対して普通に接している。

 いや、むしろ一週間で平気になってしまうのも考えもののような気がするが、考えても仕方ないので私は気にしない事にした。

 しかし、私が思うに。


(シェフィーネ王女は普通に勉強ができる子だ)


 それが私が一週間勉強を教えた彼女への評価だ。

 教えればちゃんと理解してるし復習で前に習った問題を時々出すと難なく答えているし、どう考えても勉強ができるとしか思えない。


「あ」


「ん?」


 シェフィーネ王女が声を出した次の瞬間、私は目の前の光景に驚いた。

 先程まで勉強をしていた彼女は書いていた紙を置いて新しく白紙の紙を取り何かを書き始める。


「シェフィーネ王女、何をしているんだ?」


 私が声を掛けるが彼女からの反応はなく何かを書き続けている。


(まさか、これが例の状態なのか?)


 ケイネスやシルフィスタ殿から最初に聞いていた、突然何かのラクガキを描き始める状態。

 彼女はこれが授業中でもテスト中でも起きてしまうため、彼女は特別クラスに入る事になってしまった。

 授業中だけでなく夜寝る前に起きたり、朝学園に行く前にも起きて授業に遅刻をしたり、再テスト中でも起きてしまうという何とも厄介な状態だと。


(それにしても、一生懸命描いてるな)


 この状態になっている時の彼女には何をしても反応しないとの事らしいが。


「シェフィーネ王女」


 試しに彼女を呼ぶが本当に聞こえていないのか描いている事に集中している。

 紙を見ると本当に何かの絵を一生懸命描いているようだ。 

 私は顔の前で手を動かしたり手を叩いたりしてみたが全く反応せずに絵を描く事に集中している。


(凄い集中力だな、本当に周りの音が何も聞こえていないみたいだ)


 私はシェフィーネ王女が何かを一生懸命描いているので彼女のこの状態が終わるまで私は待つ事にするのだった。

 それから時間が経ちシェフィーネ王女の手が止まった。


(終わったのか?)


 シェフィーネ王女はペンを置くと私の方に顔を向ける。


「見た?」


「ああ、ペンを持って紙に一生懸命何かを書いていたぞ」


「やっぱり、ごめんなさい」


 シェフィーネ王女は私に謝罪をする。


「あなたのその状態の事はあらかじめシルフィスタ殿とケイネスから聞いていたから謝る必要はないさ」


「でも、私のこれのせいで今まで勉強を見てくれた人に迷惑を掛けたから、こうなると終わるまで止められないの」


 そう言って顔を俯かせるシェフィーネ王女。

 無表情だが迷惑を掛けている事に申し訳ないと言う気持ちは伝わって来た。

 彼女が集中してから時間にして大体一時間くらいだった。

 確かにこの状態になって何も反応しない彼女を一時間も待つ事になったら教える側も時間の無駄にしかならないだろうな。

 教師が教えるのは彼女だけではないからこれで時間を取られるわけにもいかないし、生徒だって自分の勉強もあるのにこの状態のせいで無駄にするのは痛手でしかないしな。


(なるほど、確かにこれは私が適任だな)


 そう、やる事が何もなくいくらでも時間を無駄にできる暇な私だからこそ彼女のこの状態にも付き合ってあげる事ができる。

 だから私が適任なんだ。


「ところでシェフィーネ王女、その紙に描いた絵を見せてもらって良いか?」


「? ん、良いよ」


 シェフィーネ王女の許可も出たので私は彼女が紙に描いた絵を見る。


(何だ、これは絵なのか?)

 

 私はシェフィーネ王女の描いたを絵を見るが聞いていた通り、本当にラクガキとしか思えないものだった。

 

(なるほど、これは確かにラクガキだな、シェフィーネ王女は何故こんなラクガキを、ん?)


 私はある部分が気になった。

 すると扉が開きケイネスとシルフィスタ殿が入って来る。


「シェフィーネ、調子はどうだ?」


「シル姉様、私、またやってしまった」


「また? ああそうか、あの状態になってしまったんだな?」


「うん」


「そうか」


 シルフィスタ殿がシェフィーネ王女を慰めるように頭を優しく撫でているにで、私はケイネスに話すのだった。


「ケイネス、少しこのラクガキで気になる事があるんだが」


「気になる事?」


「ああ、聞いてくれ」


 シェフィーネ王女の描いたラクガキで私は気になる事を話す事にした。

 何故かはわからないが、どうも私にはシェフィーネ王女の描いたこのラクガキがただのラクガキとは思えなかったのだ。


 



読んでいただきありがとうございます。


作品のあらすじと全く違う内容を投稿していると思ったので第一章、第二章と分ける事にしました。 

あらすじの方も第二章のあらすじを追加しました。

ざまあ部分が第一章でその後ののんびりとした話が第二章になります。


面白かったらブクマと評価をよろしくお願いします。


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― 新着の感想 ―
更新待ってました! ラクガキの謎が、いよいよ明らかに? 確かにこの状態だと皆と勉強は難しいですね(汗) でも元々頭が良いみたいだし、ラクガキ問題が解決すれば、問題なく皆と勉強出来るようになりますね!
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