過去話 それから
バンダ侯爵の家から悪事の証拠を見つけてから数日が経過した。
その数日の内に色々な事が動いていた。
まずバンダ侯爵の屋敷から手に入れた多くの悪事の証拠を親父に見せたら親父はすぐに陛下の元へと向かいバンダ侯爵の悪事の証拠を全て陛下に提出したそうだ。
これによりバンダ侯爵の屋敷にすぐに騎士団が向かい屋敷にいた全ての人間が捕らえられて連れて行かれるのだった。
そしてすぐに取り調べが行われ悪事の証拠の書類で何と驚く事にバンダ侯爵が今まで行った悪事が出るわ出るわで言い逃れができる隙さえなくバンダ侯爵は有罪となりそのまま鉱山送りにされた。
当然バンダ侯爵によって騙された領民達は自分達の子供を誘拐してしかも売り飛ばされそうになった事もあるため死刑を望む声が多かったが、死刑は一瞬の苦しみで終わる、ならばとことん生き地獄を見せて苦しませるべきだと言う事で一応の納得はしてもらえた。
さらに数々の悪事の証拠の中にはバンダ侯爵と手を組んで甘い汁を啜っていた共犯者の貴族がいたのでその貴族も一緒に捕らえられる事になった。
その一緒に捕らえた貴族がこれまた驚いた事にゲドの取り巻きをしていたあの二人の家の当主だった。
取り巻きの親達も一緒に鉱山送りになったそうだ。
まあ、鉱山送りにした貴族は全員反王家派でもあったから特に問題はないしむしろ国にとって良い結果になったと言っても良いだろう。
それとバンダ侯爵、いや元侯爵が盗賊達を金で雇って攫わせた子供達は全員親元へと無事に帰し、さらに騙して余分に取っていた金も全額返金した。
当然バンダ元侯爵が雇った盗賊達と屋敷にいた人相の悪い男達も一緒に鉱山送りにした。
今頃皆で仲良くしている事だろう。
あ、当然俺に剣を向けたあの門番達もな。
そして反王家派とは言え、三人の貴族の領主がいなくなった事でそれぞれが治めていた領地はどうなったかと言うとどうやらそれぞれの家の夫人が代わりに統治する事になったそうだ。
と言うのも鉱山送りにした元領主三人は名ばかりのお飾り領主で領主としての仕事は実質それぞれの妻がしていたようであり、そのまま女領主として統治するだろう。
バンダ元侯爵の所の領民達は反発するかと思ったが攫われた子供達が親達に夫人は何も悪くないし自分達を守ってくれたと必死に訴えた事でしばらく様子見と言う感じで納得したそうだ。
バンダ元侯爵の夫人や執事長、そして他のまともな使用人達は精一杯領民達のために動いているそうだから頑張って信頼を取り戻してほしい。
そんなわけで事件は解決したのだが変わった事があった。
それは。
「ケイネス、サンドイッチを作ったんだが」
そう言ってシルフィスタ王女はサンドイッチの入ったカゴを出す。
「シルフィスタ王女が作ったのですか?」
「ああ、料理人達にも手伝ってもらったけど」
俺はサンドイッチを一つ手に取って口にする。
「うん、旨い」
「本当か?」
「ええ、旨いですよ」
「そうか、旨いか、えへへ」
シルフィスタ王女は笑顔になる。
あの日以来シルフィスタ王女が俺に対して何て言うか凄く甘くなった気がする。
いや、普通に剣で模擬戦をしたりとか今までうちに来てやってた事は変わりなくやってるけど、最初の何て言うかトゲトゲしたような感じがすっかりなくなっていたんだ。
そんな甘々な感じになったシルフィスタ王女は何て言うか、凄くかわいい。
そんなかわいいシルフィスタ王女と一緒の時間はとても良いものだと思った。
そして親父達が後ろから隠れて俺達の様子を見ているのは何とも言えなかった。
見世物じゃないぞ全く。
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