表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
190/197

過去話 殲滅と救出

「な、何だ!?」


 建物の扉を壊した音で中にいた盗賊達は俺を見る。


「何だ、このガキ」

 

 盗賊の中でやけにガタイのいい男が言う。

 おそらくこいつがこの盗賊達のボスだな。


「お前達がさっき襲った馬車にいた女の子を返してもらうぞ」


「なめやがって、あのガキを渡すわけにはいかねえんだよ、おい!!」


 ボスの一声で盗賊達が武器を取り出す。


「ガキがヒーロー気取りなんてするからこうなるんだよ、よく見りゃ顔つきは良いから捕まえて変態共に売ってやるよ」


「そうか、俺は今機嫌が悪いんだ、骨の何本かは覚悟するんだな」


「生意気な、やれ!!」


『うおおー!!』


 盗賊共が一斉に襲い掛かって来る。

 覚悟はできてるみたいだな。


「ケイネス様は相当お怒りのようだったな、まあ当然だな」


「若の奴、思い切り暴れたみてえだな」


「あら、これは酷いわね、倒れてる盗賊達全員骨が何本かやられてるわね」


「死んではいないようだし、ほっといても問題ないだろ、頭の中は冷静だったみたいだし」


「でも感情はもう爆発寸前だったみたいだね、まあ盗賊ならどんな酷い目にあっても全く何とも思わないね」


 どうやらルート達も来たようだな。

 後は俺の目の前で腰を抜かしているこのボスをどうにかするだけだ。


「お、お前、何なんだよ、ただのガキじゃねえだろ」


「そう思うならそう思えばいい、それよりお前達が攫った女の子は奥の部屋にいるって事で良いのか?」


「あ、ああ、そうだ、馬車の中にいたガキならあの奥の部屋にいる」


「そうか、もし何かしてたら、覚悟はできてるよな?」


「な、何もしてねえ!! 本当だ!!」


「そうか、皆、俺は奥の部屋に行く、ここは任せた」


「かしこまりました」


 そうルートが答えたので俺は急いで奥の方の部屋へと向かう。

 するとそこには手足を縛られて口を塞がれているシルフィスタ王女がいた。


「シルフィスタ王女!!」


 俺はすぐに駆け寄り、シルフィスタ王女の拘束を解く。


「大丈夫ですか?」


「ケイネス、ケイネスー!!」


 シルフィスタ王女は涙を流して俺に抱き着いて来る。


「ケイネス、こ、怖かった、どうなるのかわからなくて怖かった」


「大丈夫です、もう大丈夫ですよ」


 俺はシルフィスタ王女の頭を優しく撫でる。

 ずっと怖かったはずだ。

 見たところどこもケガしていないようだ。

 無事で良かった。

 シルフィスタ王女が落ち着くまで俺はそのままシルフィスタ王女を抱きしめて優しく頭を撫で続けるのだった。


「ケイネス様、シルフィスタ王女はご無事のようですね」


「ああ」


「お」


「あらあら」


 ルートの問いに答えているとリックとユーリが俺を見てニヤついている。

 一体何をニヤついているんだ?


「若ちゃん、王子様みたい」


 そうミスチーが言う。

 そう言えば俺は今シルフィスタ王女をお姫様抱っこしてるんだった。

 他人から見れば姫を助けた王子に見えなくもないか。

 そう考えるとなんか恥ずかしいな。

 シルフィスタ王女も恥ずかしいのか顔を真っ赤にして俺に強く抱き着いてるよ。

 ヤバイ、なんかドキドキして来た。

 って、そんな事してる場合じゃないな。


「ミスチー、シルフィスタ王女をうちに連れて行ってくれ、俺はまだやらなきゃならない事がある」


「うん、わかった」


「ケイネス、私の護衛をしていた人達は」


「大丈夫です、全員生きています」


「そうか、良かった」


 自分だって怖い目にあったのに他人の心配をするシルフィスタ王女。

 今思うのもどうかと思うがそんな彼女が素敵だなと思っている。


「シルフィスタ王女、ひとまずミスチーと共にうちに行って待っていてください、すぐに帰りますので」


「うん、わかった」


「ミスチー」


「はーい、じゃあ、帰りまーす」


 そう言ってミスチーとシルフィスタ王女はその場から消える。

 瞬間移動の魔法でうちにすぐに戻って行ったのだ。

 さて、シルフィスタ王女も無事救出したし、後は。

 

「おい、誰の指示でシルフィスタ王女を攫った」


 俺は盗賊達のボスに問う。


「な、何を言ってやがる」


「とぼけるな、お前達がシルフィスタ王女を攫った場所はリカード領と王都の間にある森の通り道だ、だがそんな場所に盗賊が現れるなんて話は今までなかったし、襲われたと言う話もない、それにこの建物も埃が多いし何年も使われた形跡がない、つい最近住み始めたって感じだ、だったら考えられるとしたらお前達は元は違う場所を縄張りにしていて、誰かに彼女を攫うように頼まれてここに来たんだろ?」


「さあ、何の事だか、ガキの想像力は凄いなぁ」


 あくまで白を切るつもりか、なら。


「シオン、ユーリ、頼めるか?」


「ああ、任せろ」


「もう、バカねぇ、素直に吐けば良いのに、ルートとリックは若と一緒に外で待っていてちょうだい」


「そうだな」


「おう、若行こうぜ」


 ルート、リックと一緒に俺は外に出る。

 外に出て少ししてから。


「ぎゃあああああああああああああああああああーっ!!!」


 ボスの悲鳴が聞こえてくる。


「おうおう、やってるな」


「あれは受けたくないものだ」


「戻ったよー、って皆どうしたの?」


 ここでルフィスタ王女を送ったミスチーが戻って来る。


「ああ、ちょっとシオンとユーリに頼んで盗賊達のボスから聞き出したい事があってさ」


「あー、それはその盗賊達のボスがかわいそうだね」


 俺の言う事でミスチーは全てを察してくれた。

 

「終わったわよ」


 そうユーリが言うので俺達は再び建物の中に入る。

 するとそこにはシオンと気を失っているボスの姿があった。


「どうだ?」


「情けない奴だった、少しやったら簡単に依頼主を吐いたよ」


「所詮金だけの関係だったって事よ」


「そうか、それで依頼主の名は?」


「それが聞いてよ」


 ユーリから盗賊達を雇った依頼主の名を聞いて俺達はすぐにそいつの所に向かう事にした。

 

 

読んでいただきありがとうございます。


面白かったらブクマと評価をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ