ラキムの旦那
ダイエットに最適な運動魔道具、ランニングマシンを作るため俺はラキムと一緒にラキムの家へと向かう。
「着いたよ、若」
そしてラキムの家に到着する。
ラキムの旦那さんが鍛冶師をしているので家の隣には大きな工房がある。
俺はラキムの後をついて行き工房の中へと入る。
「ちょいと失礼するよ、うちの旦那いるかい?」
中に入るとたくさんの鍛冶師達が仕事をしている。
「お、ラキムの姐さん」
「おい、親方どこだ?」
「奥の方じゃねえか? 誰か呼んで来いよ」
「親方ー!! ラキムの姐さんが来ましたよー!!」
鍛冶師の一人がラキムの旦那を呼ぶと中から一人の男が出て来る。
「何だ、随分早く帰って来たなラキム」
「何、うちの若がちょいと頼みたい事があって来たんだよ」
「若? ってケイネス坊ちゃんじゃねえか」
俺に気づいたラキムの旦那さんは驚き他の鍛冶師達も俺の存在に今気づいたのか驚く。
「やあ、親方」
俺は親方に挨拶をする。
ちなみにラキムの旦那さんはガストンと言う名前だが鍛冶師だからか皆親方と呼んでいる。
「ケイネス坊ちゃんが来るとは、何かあったのか?」
「ああ、ちょっと頼みと言うか、作ってほしいものがあるんだ、できればここにいる皆にも聞いてほしい」
「わかった、お前ら一旦手を止めろ」
親方が言うと鍛冶師達が手を止めて俺の話を聞いてくれるので俺は親方達に説明する。
「そういや最近旨いもんが増えて食べる量が多くなったかもな」
「甘いお菓子もたくさん増えたからな」
「お嬢様方にとっちゃ大問題だな」
俺の説明に鍛冶師達が納得してうんうんと頷く。
「なるほど、それで作ってほしい運動魔道具があると」
「ああ、それがこれなんだ」
俺は親方達にシェフィーネ王女の描いた絵を見せるが全員が何だこれはとでも言いたそうな顔をしている。
「ちなみに完成形がこれなんだよ」
俺は失われたもの図鑑に載っている完成形を見せる。
「なるほど、これがその完成形か、けどよぉ」
親方が失われたもの図鑑とシェフィーネ王女の描いた絵を交互に見る。
「何なんだ、このヘタクソなラクガキはよぉ」
「確かにヘタクソですね」
「こんなヘタなラクガキ見た事ねぇですよ」
「俺んとこの子の方がまだマシな絵を描けてますね」
「何をどうすればこんなヘタクソなラクガキになるんだか」
親方が言うと他の鍛冶師達も口々に言う。
酷い言われようだな。
「アンタ達、それ描いたのこの国の第三王女様だよ」
そうラキムが言うと親方や鍛冶師達はラキムの方を見て一瞬固まる。
そして再びシェフィーネ王女の描いた絵を見る。
「よく見れば中々味のある絵だな」
「何て言うか、他とは違う何かを感じますね」
「独特な雰囲気と言うか何と言うか」
「俺この間家族と一緒に絵の美術館に行ったんすけど、大体こんな感じの絵だったっすね」
「そういや芸術は常人には理解されないものだって言いますよね」
親方が言うと鍛冶師達が口々にシェフィーネ王女の描いた絵を褒める。
うーん、見事な手のひら返し。
「アンタ達好き勝手言ったけど、ここに若の婚約者の第二王女様がいなくて命拾いしたね」
「ケイネス坊ちゃん、絵については聞かなかった事にしてくれ!!」
「王女様の描いた絵をバカにしたなんて王女様の耳に入っちまったら俺達もう終わりなんです!!」
「下手したら今の職を失っちまうかも!!」
「ここには家族を養っていくために働いている者もいるんです!!」
「だからどうか!!」
『お願いします!!』
親方や鍛冶師達が俺に懇願するように頭を下げて言う。
「大丈夫だから、言うつもりはないしそれにその絵を描いた第三王女本人は特にそう言うの気にしない広い心の持ち主だから」
『おおー!!』
俺が言うと親方や鍛冶師達は大喜びするのだった。
「ったく、アンタ達調子良いんだから」
「まあまあ、それでこの運動魔道具を作ってほしいんだけど、できるか?」
俺は親方にランニングマシンが作れるかどうか改めて聞くのだった。
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