夢
「これは何だ?」
彼女の目の前に何かが現れる。
「ふむ」
彼女は目の前の何かを手に取る。
「美味しそうだな」
彼女は手に持ったそれを食べようとする。
「む? 何だ? 食べたいのに食べられない」
何かの力によって彼女は手に持っている何かを食べられない。
そして手に持っている何かはその場で消えてなくなる。
すると周りが大きな光に包まれる。
「・・・・・・はっ」
目を開けると彼女はベッドの上で目が覚めた。
窓からは朝日が射しかかっていた。
「・・・・・・」
彼女は自分の手を見るがその手には何もないただ自分の両手があるだけだった。
「・・・・・・どんな味がしたんだろうか」
彼女、シルフィスタは夢に出て来たそれを食べられなくて残念がるのだった。
「と言うわけでケイネス、私はその夢に出て来たものが食べたいんだ」
「何言ってんだお前」
シルの話を聞いて俺はそう言う。
てかシルの事ついお前って言っちゃったよ。
シルの事を名前で呼ぶ時以外はお前って言うのが多いからお前って言うけど、あんまりシルの事をお前って言う気にはなれないから気をつけていたんだけどシルが夢の話をしてその夢に出て来た食べ物が食べたいって言うから本当に何言ってんだお前って自然と出てしまったよ。
ちなみにシルは俺にお前って言われるのも結構好きらしい。
「その夢に出て来た美味しい何かを食べたいって言うけど、具体的にそれって何なのかわかるの?」
「ああ、美味しそうな気がしたから多分お菓子だと思うんだ、見た感じもお菓子のような見た目をしていたからな」
「お菓子のような見た目?」
「ああ、中にはクリームがたくさんあってなチョコレートソースもかかってたな」
「なるほど、確かにお菓子の可能性が高いな」
クリームとチョコレートソースなら大抵はお菓子だからな。
「そうだ、後はフルーツが使われてたな、イチゴとかバナナとか色々あったぞ」
「フルーツが使われているのか」
フルーツが使われているのならケーキだろうか。
いや、それならケーキと言えば良いだけだ。
と言う事はケーキ以外になるな。
「それから手に持って食べる感じだったな」
「手に持って食べるか」
じゃあケーキじゃないな。
ケーキはフォークで食べるしな。
「失われたもの図鑑に載ってたりしないか?」
「いくら何でも夢で見たお菓子が載っているのか?」
「見ればわかるさ」
「まあ、そうだな」
こうして失われたもの図鑑を見る事にした。
いくら何でも夢に出て来たお菓子が載っているなんてそんな事が。
「あ、これだぞケイネス、私が夢で見たお菓子は」
うん、だと思いましたよ。
何となくだけどわかってましたよ。
ああ、これ絶対載っているなって思ってましたよ。
そしてそこにはクレープと言う名前のお菓子が載ってましたよ。
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