エビフライ以外の油で揚げた料理
「親父、入るぞ」
親父に呼ばれた俺は親父の部屋の扉をノックして部屋に入る。
「来たかケイネス、まあ座ってくれ」
親父に言われて俺は椅子に座ると親父も俺の前に座る。
「どうした親父? 俺を部屋に呼んで」
「ああ、単刀直入に言うが、エビフライ以外にも油で揚げた料理は何かないか?」
そう親父が言う。
「いきなりどうしたんだ?」
「この前エビを使った新しい料理、エビフライを作っただろ?」
「ああ」
「そのエビフライはあまりにも旨くてな、酒ともよく合うんだ」
「そう言えば親父、旨そうにエビフライをたくさん食べてたけど、そんなに酒と合うのか?」
「ああ、驚くくらい酒と合った、こんなに酒と合う料理があるなんてな」
親父は腕を組んで言う。
そう言えばいつも以上に酒を旨そうに飲んでたな。
それと子供に人気だったからアニスも美味しそうにエビフライを食べてたな。
「そこでだ、もしかしたら他にも油で揚げた料理があって、それも酒と合うんじゃないのかって思ってな」
「なるほど、それで他にも油で揚げた料理がないか探してそれを作って食べたいと?」
「そう言う事だ」
「なるほど」
親父が言いたい事は何となくわかった。
「と言うわけでエビフライ以外にも油で揚げた料理がないかって話なんだ」
俺は厨房で親父との話をする。
「なるほど、旦那様がですか」
「言われてみれば確かにお酒を飲みながらエビフライを美味しそうに食べてましたね」
厨房にはジョルジュ、カリーナ、リックの三人がいる。
「まあ、確かに旦那様の言いたい事もわかるな、エビフライ滅茶苦茶酒と合うからな」
「そんなに合うのですか?」
「おう、信じられないくらい合ったぞ」
カリーナの問いにリックが答える。
そう言えばリックも旨そうに酒とエビフライを食ってたな。
「それにしても、昔旦那様が珍しいと言う理由だけで買ったこの黒い鍋が役に立つ日が来るとは」
黒い鍋を見てジョルジュが言う。
「この黒い鍋であのエビフライができたのか」
「ああ、普通の鍋よりも固い鍋だ」
「おお、本当だ確かに固いな」
リックが鍋を叩いて言う。
「固そうな音ですね、これに油をたくさん入れて作るのですね」
「ああ、私も驚いたよ、まさか油をたくさん使って料理する方法があったなんて」
「先生の故郷の東国では油で揚げる調理法があったそうですね」
「ああ、東国にはこんな調理方法があったとは驚いた」
「で、これからエビフライ以外にも油で揚げる料理を作ろうって事だな?」
「そう言う事だ」
リックの問いに俺は頷く。
そしてシェフィーネ王女の描いた絵からエビフライと似た感じの油で揚げる絵がないかを探すのだった。
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