照り焼きソース
「照り焼きソースを作るには醤油と砂糖と後はこの二つがあればできるのじゃ」
カホさんが手に取ったのは醤油と同じビンに入った調味料だと思われる。
「これはみりんと料理酒と言う調味料じゃ」
「みりんとりょうりしゅ?」
また聞いた事ない調味料だな。
「みりんとは砂糖のような甘みのある調味料じゃがみりんは酒などを使って作られている調味料で料理酒はその名の通り料理を作るための専用の酒の調味料じゃ、一応言っておくが料理酒は料理に使う酒じゃから普通の酒のようにそのまま飲んだらダメじゃぞ」
「どっちも酒が使われているって、それって未成年にはマズいんじゃないの?」
「確かに若やシルフィスタ王女、それにアニス様やルティ、レティには危ないかもね」
シオン、ラキムが言う。
確かに未成年の俺達じゃダメだろうな。
酒とかは二十歳になってからだしな。
昔は十五歳になったら成人して酒を飲む事も許されていたんだが、それがマズかったそうだ。
文献でしか読んだ事がないがその昔とある国の王子が酒を飲んでとんでもない事をしでかしてしまったらしい。
詳しくは書かれてないが何でも学園のパーティーで酒が入りなんか調子に乗って他国のお偉いさんにとんでもない失礼な事をしてしまったそうだ。
その他にも酒を飲んで冷静な判断ができなくなったのか、酔った勢いでとんでもない騒動を起こしたりとかなんか王族貴族にあってはならない騒動を起こしてしまった事で事態を重く見たために各国のお偉いさん達が集まると言う事態にまでなり話し合った結果、一人で責任が取れる二十歳になってから酒を飲むようにと言う法律が決まったそうだ。
それ以来各国では二十歳以下の者には絶対に酒を飲ませたりはしないようになった。
学園のパーティとかでも大人はワインなどの酒を出されるが学生は高級なフルーツを使ったジュースが出されるようになった。
ガルドムのあのパーティーでも高級なジュースが渡されたなぁ。
とまあそんなわけで未成年の俺やシル達は酒を飲むわけにはいかないんだ。
「ふむ、それなら問題ないのじゃ、このみりんも料理酒も確かに酒の成分はあるがフライパンなどで熱すれば酒の成分が消えるからケイ坊達未成年が食べても大丈夫じゃ、こっちだと肉を焼いたりする時にワインなどの酒を使うじゃろ? あれみたいなものじゃ」
『あー』
カホさんの言葉で俺達は納得した。
言われてみればそうだ。
肉を焼く時に肉の臭みを消したりより旨味を引き出すためにって理由で赤や白のワインが使われてるな。
物心ついた時から当たり前のように食べてたから全く疑問に思わなかったな。
「話を戻すが照り焼きソースの作り方は簡単じゃ、この四つの調味料をフライパンで熱しながら混ぜてとろみがつけば完成じゃ」
カホさんの言う通りに四つの調味料、醤油、砂糖、みりん、料理酒をそれぞれカホさんの言った分量でフライパンに入れて熱して混ぜるととろみがつき完成した。
そして俺達は完成した照り焼きソースをなめてみた。
「甘さと辛さがあるな」
照り焼きソースは普通にステーキにかけているソースと違い甘くも辛くもあるソースだった。
「照り焼きソースは甘みと辛みがあるのが特徴でな、さっき言ったブリと言う魚を焼いてかけるだけでなく、ステーキとかの肉にかけても美味しいのじゃ」
「確かに、私はこのソースの味結構好きだな」
シルは照り焼きソースの味を気に入ったようだ。
うん、俺も気に入ったよ。
調べてみたら失われたもの図鑑に照り焼きソースも載っていた。
そこにはこう書かれていた。
照り焼きソース、甘辛いソース、国によって意味や使われ方が違うらしいがこの世界ではそんな細かい事は気にする必要はない、料理が旨くなれば何でも良いのだ、テリヤキ、また食べたられたらいいな。
そう書かれていた。
またこの世界とか書かれているな。
一体なんだって言うんだ。
まあ、今は別に深く考えなくても良いか。
「ふむ、今ある東国の品だと作れるのはこんなものじゃのう」
カホさんが残りの東国の品を見て言うのだった。
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