東国の魚
味噌汁を飲んで心が落ち着いた俺達。
しかし、まだ東国の品はある。
他にどんなものがあるのだろうか。
「おお、サケの切り身もあったのか」
カホさんが手に取ったのは赤い色をしたものだ。
見た目からして何かの魚の切り身だと思われるがこんなに赤いのは見た事がないな。
「これはサケと言う魚じゃよ、シャケとも言うが呼び方はどちらでも大丈夫じゃ、東国でよく獲れる魚でのう、朝食とかによく出るのじゃ」
「なるほど」
「このサケは既に捌かれて切り身の状態じゃが、そのままの状態だと卵があってのう、その卵をほぐしてバラバラの状態にしてから塩や醤油で漬ける事によってイクラと言う食べ物ができるのじゃよ」
「イクラ?」
「そうじゃ、赤くて粒々で見た目は中々綺麗でのう、ご飯に乗せて食べるとまた美味しいのじゃ」
「でも、見た限り今回の素材にはそのいくらと言う物はなさそうだな」
「そうじゃな、まあサケがあるのじゃから贅沢は言わん方が良いのじゃ、それでサケの焼き方じゃが、サケの表と裏にまんべんなく塩をつけてから鮭の余分な水分を抜くのじゃ」
「水分を抜くならこの紙を使えば良いか」
ジョルジュが取り出したのは玉子焼きで使った紙である。
この紙は水分を拭き取ったりする事ができるのでそれでサケを包んで水分を抜く。
本当に便利な紙だよなぁ。
「水分を抜いたら後は焼くだけじゃな」
「ふむ、東国の魚でも魚は魚、なら焼き方は同じで大丈夫だな」
ジョルジュはフライパンに油を入れそこにサケを入れて蓋をする。
しばらくして蓋を開けサケをひっくり返して再び蓋をする。
そしてサケが焼き上がって完成するのだった。
『おお』
俺達は自然と声が出ていた。
焼く前から赤い色で綺麗な見た目をしていたから焼き上がっても綺麗な見た目をしていた。
食べてみるとサケの身は塩がよく効いてて皮はパリッとしていて旨かった。
「ご飯が進むなこれ」
俺が言うと皆も頷いた。
塩加減が良いから自然とご飯が食べたくなってくる。
「そうなのじゃ、サケはご飯とよくあうのじゃ、サケの身を少しご飯に入れておにぎりにして食べたりもするのじゃ、これがまた美味しいのじゃ」
カホさんが言うと確かに旨そうだなと思った。
「サケの他にもブリと言う魚がおってのう、焼いた後に照り焼きソースをかけて食べるとまた美味しいのじゃ」
「テリヤキソース?」
聞いた事ないな。
名前にソースとつくからにはソースの一種だろうか。
「ふむ、ちょうど材料も揃っておるし作ってみたらどうじゃ?」
カホさんが言うのでその照り焼きソースと言うソースを作る事にするのだった。
読んでいただきありがとうございます。
面白かったらブクマと評価をよろしくお願いします。