手に入れたあの調味料とその他諸々
「若、醤油がとうとう手に入ったぞ」
「何? 本当か?」
俺が言うとリックは頷いて大きなビンを置く。
「おお、これが醤油か」
「他にも色々と東国の品が手に入ったみたいでさ、おふくろが全部持ってけって言うから持って来たぞ」
そう言ってリックは色々な東国の品と思われる物を出す。
「結構あるな」
「おう、結構仕入れたみたいだからな」
「これは皆にも、それとカホさんにも来てもらった方が良いな」
こうして使用人の皆とカホさんに来てもらった。
「おお、おおー!!」
東国の品を見てカホさんは目を輝かせていた。
「カホさん、無邪気な子供みたいだな」
目を輝かせているカホさんを見てシルは楽しそうに言う。
「久しぶりに見た故郷の品だからね、嬉しさとか興奮が出てるんだろう」
「確かにそうかもしれないな、カホさんがここに来てから何十年も経ってるし、何十年ぶりに見る故郷の品だからな」
カホさんは見た目は十歳の女の子に見えるがジョルジュの奥さんだ。
元は東国と言う海を越えた東の国の出身で色々あってこの国に来てジョルジュと結婚したんだ。
そして寿命を迎えようとした時に孫が作った薬を飲んだら現在の十歳の女の子の姿になった。
そんな彼女が故郷である東国の国の品を目にしたんだ。
興奮しないわけがないって事さ。
ん? 何でこんな説明をしたのかって?
何でだろうな、何となく説明した方が良いと思ったんだ。
「ほお、醤油だけじゃなくて色々あるのう、何とこんなのもあるのか、これだけあれば和食もたくさん作れるのう」
カホさんが目を輝かせている。
「と言うわけで、カホさんを呼んだのはこれらの物を使って何ができるか教えてほしいと言う事なんだ」
「そう言う事か、それならお安い御用じゃ」
カホさんが了承してくれたので始めようと思う。
東国の調味料などの他に失われたもの図鑑とシェフィーネ王女の描いた絵をまとめた書類が置かれている。
エドウィンがドラゴンを倒すと言う目的ができたためエドウィンを鍛えているが、だからと言ってシェフィーネ王女の描いた絵を解読しないと言うわけではない。
エドウィンが鍛えながらシェフィーネ王女に勉強を教えるように俺達もエドウィンを鍛えながらシェフィーネ王女の描いた絵を解読するのだ。
シェフィーネ王女の描いた絵は一見ただのラクガキのように見えるがそれらは何かの作り方と言う事がわかった。
その何かとはかつては存在していたが今は失われていると言われている失われたもの図鑑に載っているものの作り方で、俺は陛下からシェフィーネ王女の描いた絵を解読する事を頼まれたのでこうやってシェフィーネ王女の描いた絵を皆で協力して解読しそれを生み出しているのだ。
え? 何でこんな説明をするのかって?
何となく説明した方が良いなと思ったんだ。
そんなに日にちは経っていないはずなのに何だか久しぶりな気がしたから何となく説明をした方が良いと思ったんだ。
本当に何でだろうな?
とにかく俺達はこの手に入った東国の品物達を使って新たな和食を作るのだった。
読んでいただきありがとうございます。
シェフィーネの描いた絵の解読が再び始まります。
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