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使用人の紹介

 俺とエドウィンが話しているとルート達の周りには大量のゴブリンの死体が転がっている。


「いやー、使用人全員で行くとゴブリンの群れなんて早く殲滅できるな」


「さっきも言ったが使用人達がこんなに強いとは」


「ああ、この際だから皆の事改めて紹介するよ」


 俺はルート達の事を改めてエドウィンに教えるのだった。


「ルートとフレイアは平民の家の子なんだよ」


「あの二人平民なのか!?」


 エドウィンが驚く。


「あんなにしっかりした礼儀と態度で接してたからてっきりどこかの貴族の家の者かと思っていたが」


「まあ、そう思うだろうな、平民の家だが勉強ができてさ、俺が生まれたばかりの時に親父が領地に視察に行って出会ったそうなんだ、まだ幼かったのに親父が試しに本を読ませて少し説明したら理解して説明してみろと言われたらわかりやすく説明してたから将来俺の家庭教師に良いかもと思って使用人として雇ったそうなんだ、ルートの両親は貴族に誘われるなんて名誉な事だし将来安定した職に就く事もできると言う理由でルートに薦めたがルートが条件を出したんだ」


「条件?」


「ああ、実はフレイアとはお隣さん同士で幼馴染でさ、ルートが彼女も頭が良くて物覚えが良いと言って彼女も一緒に使用人として雇うのなら使用人になると言ったんだ、そしたら親父は二つ返事で許可したんだよ」


「そんな簡単に平民二人を使用人として雇うなんて、ましてやその時幼い子供だったんだろ?」


「まあ、男爵でおまけに辺境だから別に平民が使用人でも良いだろって考えだろうな、それから二人はリカード家の使用人として働く事になり、今ではあんなんだよ」


 俺が指差すとそこには剣でゴブリンを切り伏せているルートと槍で突き刺しているフレイアがいた。


「いやー、うちの使用人強いよな、ほら、ルティとレティの見事なコンビネーションとか」


「双子だからこそできる芸当って事か」


「ルティとレティは孤児なんだよ」


「孤児?」


「ああ、親の顔すら覚えていないんだ、物心ついた時から孤児院で生活していてさ、ユーリが孤児院の子達に護身術などを教えていたら素質があったらしくて親父に頼んで使用人に雇われる事になったんだよ」


「そうだったのか」


「ちなみに二人は今回剣で戦っているけど二人の本来の武器は別なんだよ」


「剣じゃないのか? ところでユーリが教えていると言ったが」


「ああ、ユーリは元は他国の軍隊長だったんだよ」


「え!?」


 俺の言葉にエドウィンは驚く。


「他国の軍隊長だったんだけど故国が滅んでしまったんだ」

 

「滅んだって、戦争か?」


「ああ、当時のユーリは戦争に反対したんだよ、絶対に勝てない戦争だってわかってたから、けどその国の王や貴族達が聞く耳を持たずにそのまま戦争に突入さ、軍隊長だけど平民だったんだよ、だから平民の言葉など聞く価値もないって考えの無能な王や貴族達だったって事さ」


「どれだけ下がまともでも上に立つ者が無能なら何も意味はないって事か」


「そう、それで結局国は戦争に負けて滅んでしまったってわけ、それでユーリは国を出て行きこのバハムスに着いたってわけ、それから孤児院の手伝いをしたり孤児達に護身術や戦える術を教えていたら孤児院を見に来ていた親父に誘われてリカード家の使用人になったのさ、ユーリは元軍隊長だから俺やシルやルート達に戦い方や武器の扱い方を教えてくれたのさ、だから皆武器を自分の手足のように扱えるんだ、リカード家の軍人はユーリによって鍛えられたと言っても過言じゃないかもな」


「なるほど」


「他にはリックは拳で人を襲っている肉食動物を倒していたからその強さを買われて親父が使用人に雇ったんだよ」


「拳で肉食動物を!?」


 エドウィンは驚いてリックを見る。


「ああ、と言ってもリックは執事服を着ていても執事の仕事より森でモンスターの討伐をするのが主な仕事なんだ、一応執事としての仕事もできなくはないけど、リックは敬語で話すのが苦手だし、正直リックが敬語で話したり執事の仕事をしているところなんて想像できないんだよな」


「なるほど、確かに想像できないな」


「だろ? だからリックの使用人としての仕事は森のモンスター達の討伐なんだよ、ネロナと一緒さ」


「ネロナも?」


「ああ、ネロナもリックと同じで森のモンスター達を討伐しているのさ、あんな感じに」


 俺が指差すとネロナは武器でゴブリンを倒していく。


「はっ、ゴブリンが次々と湧き上がる、全員脳天を撃ち抜いてやろう!!」


「ケイネス、彼女の持っているあれは何だ?」


 エドウィンはネロナの両手に持っている武器を見て言う。


「ああ、あれは銃と言う武器だよ」


「じゅう?」


「簡単に説明すると小さな鉄の塊を打ち出す事ができる武器だ、小石くらいの小さな鉄の塊だが、ネロナの人差し指の部分にある引き金、あれを引くと火力で鉄の塊を物凄い速さで打ち出す事ができるんだ、そうして打ち出された鉄の塊は当たれば鎧を貫き生身の身体を貫きさらに背中側の鎧さえも貫く事ができる威力なんだ」


「そ、そんな武器があるのか」


「ああ、ネロナは唯一その武器を完璧に扱う事ができる人物なんだ」


「なるほど」


「ちなみにネロナはスラム街の出身だ」


「何だって!?」


「まあ驚くわな、スラム街の人間を使用人に雇うなんてお前の国だったらありえないかもな、ネロナはスラム街の出身で生き抜くために貴族達から盗みを働いていたんだよ」


「盗み」 


「盗みと言っても金品とかじゃなくてただ買い物で買っていたパンとかフルーツとかの食料だな、おまけに身体能力も高かったから簡単に盗めたんだけど、ある日いつものようにしようとしたら捕まったみたいでさ、その時盗もうと狙った相手が母さんだったんだけど一緒に付き添っていたラキムに捕まったってわけ、それで話を聞いたら母さんが気に入ったみたいでそのままネロナを使用人として連れて行ったんだよ」


「まさか男爵だけでなく夫人も同じような事をしていたとは」


「それで色々やらせてみたら視力が良くてさ、しかも扱える者がいなかった銃を完璧に扱える才能を持った貴重な人材だったんだよ」


「なるほど」


「シオンとカリーナもネロナと似たような感じだったよ」


「似たような感じ?」

 

「ああ」


 俺はさらに使用人達の紹介をするのだった。




 

読んでいただきありがとうございます。


使用人全員紹介しようと思いましたが長くなりそうなので次話に続きます。


面白かったらブクマと評価をよろしくお願いします。

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