エドウィンにわからせる
「とまあ、シェフィーネはこんな感じに反応してたぞ」
シルの話を聞き終えた俺達。
「・・・・・・完全に両想いだな」
俺が言うと全員が頷く。
「つまり、シェフィーネ王女がエドウィン様の事を好きなんだから、エドウィン様がシェフィーネ王女の事を好きだと自覚させれば解決だよな?」
「そうよね、シェフィーネ王女が好きで、エドウィン様も何故か自覚はしてないけどシェフィーネ王女の事が好きだと思うし、自覚させれば全て上手くいくわね」
リックとユーリの言う通り、それで全て解決だ。
「それで、そのエドウィン様に自覚させるのってどうするの? そもそも本当にエドウィン様はシェフィーネ王女の事が好きだって言う自覚がないの? 若と先生しか見てないからどんなだったのかわからないし」
シオンが言う。
確かに俺とカホさんしか見てないからな。
いくら言っても半信半疑だろうな。
「わかった、じゃあこうしよう」
俺は考えを言うのだった。
そしてその日の夜。
「エドウィン、お前シェフィーネ王女の事好きだろ?」
担当直入にエドウィンに言うのだった。
「何だいきなり、それに何で他にもいるんだ?」
現在ここには俺とエドウィン、そして男性の使用人達がいる。
エドウィンを自覚させるには作戦も何もただ話すだけだ。
しっかりと話してエドウィンにシェフィーネ王女に恋をしている事をわからせるしかない。
そしてこの場に男しかいないのは女性がいると話しにくい事もあるからだと判断したからだ。
「で、どうなんだ? お前シェフィーネ王女の事好きだろ?」
「いや、私がシェフィーネ王女の事を好きなわけがないだろ、確かにシェフィーネ王女は魅力的な女性だが好きとかそう言うのはないさ」
そうエドウィンは言う。
「・・・・・・ちょっと全員集合」
俺達は全員で囲んで小声で話し合う。
「どう思う?」
「本当に自覚してませんね」
「おいおい、嘘だろ」
「エドウィン様って感情を表に出すタイプだから嘘はついてないと思う」
「まさか本当に自覚されていないとは」
「これは困ったものね」
俺の問いにルート、リック、シオン、ジョルジュ、ユーリが言う。
うん、本当に困ったものだ。
「とにかくエドウィンには話してちゃんと自覚させよう」
俺が言うと全員頷き俺達は再びエドウィンの元に向かう。
「ハッキリ言うけどエドウィン、お前シェフィーネ王女の事が好きだって顔に出てるぞ?」
「顔に? そんなバカな」
そんなバカなって、おいおいマジかよ。
「いいや、絶対お前はシェフィーネ王女の事が好きだ、お前が自覚してないってだけで、お前はシェフィーネ王女の事を間違いなく好きだ、恋をしている」
「冗談だろ?」
「冗談でこんな事言うか、俺だけじゃなくて他の皆もわかってるぞ」
「他の皆もって、そんなに私はシェフィーネ王女が好きだって顔に出ているのか?」
エドウィンが言うとルート達は無言で首を縦に振るのだった。
「エドウィン、お前、シェフィーネ王女にドキッとした瞬間が何度かあるだろ?」
「な、そ、そんな事は」
「ないわけないだろ、今だってありますって顔に出てるからな、お前顔に出るタイプなんだから隠しても無駄だぞ、わかったら言ってみろ、言うまで今日は寝かせないぞ、何だったらこのまま俺達全員で風呂に入って男同士裸の付き合いで話し合う覚悟もあるぞ」
マジで風呂に入って話し合う覚悟があるぞ、そのためにこの場に男しかいないんだから。
「わかった、わかったから、話すよ、確かにお前の言う通りシェフィーネ王女に対してドキッとする瞬間は何度かあった」
こうして俺達はエドウィンの話を聞くのだった。
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本日二話目の投稿です。
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