反撃能力とか敵基地攻撃だとか、まるでスマホ時代に固定電話の常識で論じてやがるようにしか見えない
政府が反撃能力は必要最小限がどうしたとイミフな説明をしたらしい。
正直、何言ってるかわからへん。
で、それをナンダカンダとヤフコメでやってるのも、ちょっと何やってるんだろうとしか思わへん。
なにせ、あの議論だか思想だか想いって、言っちゃ悪いが、スマホの時代に固定電話の常識で話をしてる様なもんだから。
反撃能力だとか、敵基地攻撃能力なんて話は、そもそも日本でしか通用しない世界の非常識。
いわば。固定電話の時代に車載電話や携帯電話の夢を語り、未来の電話や携帯型パソコンの話をしてるだけなんだよ。
反撃能力がドーした、敵基地攻撃がウンヌン。
いや、ちょっと立ち止まって考えてみ?
戦国から江戸初期にかけては、いや、日本だと幕末まで、最大射程はせいぜい1Kmや2Km程度の大砲しか存在しなかった。もし、そこに現代の榴弾砲を持ち込めば、簡単に敵陣を木っ端微塵に出来てしまう。
日清戦争の清による旅順要塞が旧態依然の様式だったので、日本はあっという間に落とせてしまった。
日露戦争の旅順要塞であっても、飛行機が日常化した第一次世界大戦辺りならば、203高地の攻防なんかせずとも、旅順艦隊の動静や現状は空から偵察出来た。
太平洋戦争の硫黄島攻略なんて、中距離弾道ミサイルがあればやる必要はなく、B29の損失だって避ける事が出来た。
時代を10〜20年進めたらそんなもの。
で、日本の現状の話をすると、やってる議論、下地にしている知識が10〜20年古い。いや、下手をしたら60年くらい更新せずにやってるのか?
やほ~ブログの初期、2007年くらいに、敵基地攻撃に関する記事を上げた事がある。
当時、日本が入手可能性が高い「攻撃的兵器」の射程はせいぜい300Kmくらいだった。
しかし、それでも十分に今の国会やヤフコメの論議に対応出来たのだが。
ウクライナ侵攻でも、ウクライナ軍が運用している対レーダーミサイルとか、既に日本も持つ誘導爆弾アタリの装備があれば、物理的には今の議論にある、「敵のミサイル」は破壊可能。
15年前の装備があれば出来るんだよ。しかし、なぜかトマホークがどうのと騒いでいたのが当時。
湾岸戦争からアル・カイダの訓練キャンプ攻撃までを見ても、トマホークには一長一短ある事がわかる。
トマホークに限らないが、長射程巡航ミサイルは途中で攻撃中止が出来ない。出来でも自爆。
さらに、移動目標は攻撃出来ない。
移動目標を攻撃するには、上空にターゲティング機を飛ばして誘導する必要がある。
長射程巡航ミサイルに出来ることは、固定目標に対する敵の攻撃圏外からの打撃という事になる。
今話題の北朝鮮の移動式発射機を破壊するには、常に上空にターゲティング機や攻撃機を待機させておく必要があるので、物理的にそれが可能な部隊は、在韓米軍ないしは韓国軍なのだが。なぜか、そこは見ないふりしてる。
細かな話はそれとして、反撃能力だとか、敵基地攻撃能力がチャンチャラ可笑しいのはナゼカ?
だって、んなもん存在しないから。
大坂の陣で茶臼山から直接、大阪城を破壊する榴弾砲とか、日露戦争の旅順攻囲戦で空から要塞に爆弾落とす攻撃機だとか、そんな夢の様は話だもの。
だから、そんな夢の様は武器の話をするんだよ。
しかし、現代は既に可能な武器が普通にあって、それをどうやればよいかは公開情報でしかない。
で、あとは、日本にそれは可能か?を考えれば済む。
しかし、国会議員がやってるのは、机上論ばかり。
だから、固定電話の常識で夢の話をしてるって言ってる訳。
反撃能力だとか、敵基地攻撃能力なんて言葉を創造しちゃったから、言葉が独り歩きしてしまった。
アレ、単なる対地攻撃能力だから、その単純な考えから考察すればあんな飛躍は起こらない、
しかし、言葉を先に創造しちゃったから、尾ひれがついて、まるでトマホークや空対地ミサイルがあると凄い事が出来るんじゃないかと錯覚してしまっている。
対地攻撃能力はあくまで手段に過ぎない。目的の為に何をどう組み合わせるのが最善策かを、手段の中から探し出す話をしないとイケないのに、反撃能力や敵基地攻撃能力という目的の話にすり替わった結果、トマホークが決戦兵器であると誤認し、ソレがないと対地攻撃が実現しないと結論ありきで話が作られてしまった。
そんな、固定電話から発想した「未来のスゴイ電話」としてスマホを語るから、スマホの実際の使い方が何も見えてこない。今のヤフコメや国会論議では、スマホがまるでフルダイブVRで、居ながらにして、遠く離れた相手と向かい合って話をしているかのような万能ツールと化している。
それを違うと指摘すると、夢から出てこず、耳を塞いで相手を罵倒することしか出来なくなる。
そんな机上論や空想があたかも事実であるかのように信じて語る姿は、異様としか思えない。
そんな夢の話をしてる人とは真逆の、夢の話をひたすら叫ぶ人も存在している。
反撃能力だとか、敵基地攻撃だとか、大坂の陣には榴弾砲は無かったし、旅順攻囲戦に飛行機なんか無かった。
だからといって、満州事変で飛行機の活用を考えないのはまるで違う。
反撃能力だとか、敵基地攻撃という存在は違憲だ何だと言う考え方は、今の世界に長射程巡航ミサイルが存在しない前提で話をしている。
彼らの前提条件は60年前のまま。
ベトナム戦争で誘導爆弾が使われ、中東戦争で対艦ミサイルが使われた時点で、サッサと更新していかなければならない条件が放置され、結果、時代にそぐわない意見しか主張出来なくなっているのが彼ら。
いっちゃ悪いが、技術の進歩で射程が伸びたから、攻撃対象がより遠方へと設定出来ているだけなんだよ。
確かに、60年前には、飛行機に積める長射程ミサイルなんて夢の話だった。
15年前には飛行機に積める対地ミサイルなんて、核ミサイルの部類でない限り300Kmくらいだった。
ところが、今や射程1000Kmの空対地ミサイルすら普通の国が買えるようになっている。
技術の進歩で前提条件が様変わりしているのだから、それに合わせて定義や考え方を更新しなきゃ。
なにせ、今の榴弾砲は80年前の列車砲と変わらない長射程になった。
今の艦砲は100年前の飛行機の攻撃半径並の100Km近い射程も実現している。
反撃能力だとか敵基地攻撃の話をするには、そうした過去には無かった兵器、想像上でしかなかった能力が実現している事を理解してから主張を行わなければ、単なる時代錯誤としか受け止められない。
そもそも、専守防衛って、飛行機に積める対地ミサイルが無かった時代の定義が未だに通用するの?
中国の戦闘機は、安全な自国領空から対地ミサイルを撃てば、尖閣諸島どころか沖縄や九州すら攻撃出来る時代だよ。
ワザワザ危険な日本上空まで爆弾抱えて飛んでくる必要すら無い。
それはなぜか?
対空ミサイルの射程がとんでもなく伸びて、数00Km先から撃ち落とされちゃうから、それより遠くから攻撃する必要性が出て来たからだよ。
なのに、専守防衛だから対地ミサイルは持たないだとか、長射程ミサイルは「攻撃的」だから違憲だ!とか言うの?
中国本土から尖閣諸島は対空ミサイルの射程圏内。中華イージス艦を尖閣諸島に浮かべられたら、100Km圏内には近付けない。
それでも対地ミサイルは攻撃的だから要らない?
スマホを皆が持ってる今、彼らは「電話なんだから持ち運べるわけない!電話なんてネット接続出来ないんだからアプリなんか不要!」って叫んでるんだよ。
一体、いつの常識で話をしているのだろう。
専守防衛っても、相手が自国領空から九州まで攻撃できちゃう。しかも、中国本土から尖閣諸島まで対空ミサイルさえ届いてしまう。もう少しすると沖縄付近まで届きそう。そんな状況だから、日本も沖縄や九州から直接尖閣諸島まで届く対地攻撃ミサイル持たなきゃ、防衛すら出来なくなる。
なぜか、日本のメディアはマスゴミだから、こうしたやるべき解説をゼンゼンやらない。
中途半端な言動に惑わされて極端な事を叫ぶ「世論」がいつまでも放置されたまま。
これじゃ、戦前より酷くなるばかりだね。