死の危険
「体がだるい・・・」
フラフラする。なんか具合も悪いし・・・すこし、その・・・し過ぎただろうか。
「フラフラするんだ、ちょっとミキには我慢してもらってもいいかな?」
「我慢する。でも・・・すこしだけ、しよ?」
やばいと分かってても体は正直だ。我慢できないのは正直恥ずかしい。
「ちょっとトイレいきます」
バイト中だったので適当に言い訳してトイレに急ぐ。
駆け込む、なんて・・・恥ずかしくてできない。
「気持ちいい・・?」
「えっと、気持ちいい、けど・・・」
危機感は感じる。彼女の匂いを感じると我慢できないのは困る。
そろそろ、帰らないと。
「もう、終わり?」
「ごめん。そろそろ帰らないと眠いから」
「また、したいかも」
「さすがに今日はやめよう。死にそうにだるいんだ」
もう彼女と一緒に居て一か月くらい。まるで彼女みたいな感覚になっていた。
家に帰る。もう外はすっかり暗くなっている。車のヘッドライトを点けて仕事場である旅館の駐車場を出る。
「ミキ、なにか食べたい?」
「なんでもいいよ」
コンビニに寄る。適当にお菓子を買い込むと車に戻った。
堅あげポテトに、チョコレート、アメとか買ったものはそんなもの。
「一緒に食べられたらいいのにね」
「そうだね。でも・・・」
姿も見えないし、姿かたちも完全に分からないのが悲しかった。
正直男かもしれないと思ってしまうときもある。
(嫌な感情)
悩む姿がかわいい。とか思われているのだろうか。
車を走らせて10分くらい、家に着くとお菓子の袋を隠すように部屋に持っていく。
「ただいまー」
「お帰り、仕事どうだった?」
「いつもどおりだよ」
絡むのもメンドクサイ。ご飯を適当に平らげて部屋に戻る。
「お菓子の好きなものある?」
「なんでもいいよ。周が好きだから!」
ネットゲームを起動する。
お菓子を食べながらミキと会話する。
彼女は何が好きなんだろうか、幽霊なんだろうか、もしかしてサキュバスなんだろうか。
ファンタジーなんてあきれるほど読んだけど、こんな出会いがとても新鮮だ。